05 教育も終盤!模擬戦
闇投槍が来る。
右に跳んで躱す。
噛み付く。
ふりをして、尾で攻撃。
躱される。
すぐに闇投槍で追撃。
躱され、反撃の闇弾が飛んでくる。
え?まだ闇投槍しか教わってないと思うんだけど?
魔法と物理の模擬戦である。
基本的に魔法は牽制に使う。
一撃当てれば決着なら打ち合いでいいのだが、今回から変わった。
どちらかが行動できなくなるか、降参するまで。
危険だと思った場合は審判が止めに入る。
何とも実践らしい規則だ。
とはいえこの規則は竜の模擬戦の基本である。
竜は傷の治りも早い為、次の日には全快するのだ。
人にこんな真似は出来まい。
闇弾を回避。
が、闇弾は着弾時に爆発する。
右足が少しやられた。
教わっていないはずの闇弾が打てるということは、どこかであらかじめ教わっていたか自ら編み出したということだと思う。
後者だとすると、私も闇弾が打てるかもしれないということ。
模擬戦中に試すのは危ないかもしれないけどやってみるかな。
さっき見た闇弾を想像する。
ドン
打てた。
当然外れるが、相手は多少驚いている。
速度は闇投槍より遅いかな。
相手は闇弾を躱してからすぐに反撃の闇投槍を打ってくる。
躱してから、相手の逃げ道を闇弾で塞ぐ。
使ってみたところ、闇弾のいいところは着弾時に爆発すること。
逃げ道を塞ぐ時には非常に役に立つ。
闇弾を打ちながら間合いを詰める。
が、相手は距離を取るために闇弾を使う。
なるほど、こういう使い方もあるのか。
一気に近づく。
当然相手が闇弾を飛ばしてくるが、適当に回避して進む。
相手が噛み付いて来る。
回避し、こちらも噛み付き。
相手は回避してから闇弾を打ってくる。
この距離で闇弾は間違いだ。
尾で攻撃したほうが早いし、体の向きを変えられる。
闇弾を躱す。
その時、相手の考えがわかった。
私から見て左側に来た闇弾を躱すと、右から尾が迫ってきたのだ。
回避、不可能。
防御、不可能。
耐える、厳しい。
反射的に壁を想像した。
闇の、壁を。
相手の尾は闇壁に弾かれ、傷を負う。
こちらは闇投槍と噛み付きを使って攻撃。
躱されたが、闇弾で追撃。
直撃。
闇弾の威力は高い。
竜には鱗がついているが、その鱗を砕くぐらいには威力がある。
鱗が傷ついた部分を狙って闇投槍。
相手は回避するけど、その方向に闇弾。
直撃ではないけど当たった。
どうも相手は焦っているらしい。
相手が怯んでいる隙に闇投槍。
傷ついた部分に当たり、貫通した。
あ、ヤバい。
痛そう死にそう。
これ以上の追撃をするのはやめたほうがいいかもしれない。
仲間の竜を殺したくはない。
早く降参してくれないかな。
これ以上戦うのは無謀だと思うよー。
相手が降参する前に審判の竜が止めに入った。
まぁ、私はすでにやめてるけど。
終盤圧勝だった気もするけど、初勝利だ。