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第4章 波乱
体育祭第1種目「チーム対抗棒倒し」。真のチームが1回戦を即通過し、流れにのっている頃、別の会場で行われていた1回戦で波乱の事態が起こっていた。
「くそ…が…。」
ボロボロな男が言った。その男のチームの棒が粉々に砕け散っていた。棒だけではない。壁にヒビが入っていたり、ガラスが割れたりしていた。円形に「何か」が広がったような跡があった。その中心に1人の女が立っていた。
「あわわ…ここまで…皆さん大丈夫ですか!?」
その女が言った。女は身長が低く、恐らく150センチもない。弱くウェーブがかったショートヘアー。オドオドしていて落ち着きがない様子だった。
「すみません!自分でも威力をコントロールできなくて…。あの…お薬どうぞ。」
その女がそっと薬を男に差し出した。男は薬を受けとると、そそくさどっかに行ってしまった。
「あ~あまたやらかしたね、真緒音。」
同じチームの女が言った。小さい女は真緒音と言うらしい。
「だって~無理だよ~(泣)」
真緒音が泣きそうに言った。
「クヨクヨしない!頑張って!」
チームのもう1人の女が言った。