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ハイスペック・ヒューマン  作者: 世塚 紅迅
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第3章 9月そして体育祭


 真の特性が判明して1ヶ月が経った9月、<空気>の特性はかなり使いこなせるようになった。例えば、手で空気を圧縮して放出すれば、人を5~6メートル(体重による)は吹き飛ばせるし、体から空気を勢い良く噴射すれば、ちょっとの間なら浮遊できる。前の水泳の時の様に、肺を独立させて呼吸をする事で水中にずっといることもできるようになった。

今は流、ユイネとチームを組んで、コンビネーションの練習をしている。


「明日だな…。」


流は呟いた。


「ああ、教官から聞いたけど、かなり危険らしい。相手がどんな特性でどんな事をしてくるか、全く分からないからね。」


真は静かに応えた。


「俺もユイネも、何があるか分からない。だから、もし、この身に何かあったら…その時はたのnディスコ!!」


その時、イケメンな事を言いかけていた流が変な言葉を発した。


「何格好つけてんの。明日はただの体育祭でしょ。いちいち大袈裟。」


そこには鋼の手で流の頭にチョップを叩き込んでるユイネがいた。


「今のはやりすぎだろ!おま…突っ込みに特性使うって……あ~痛い。」


流が頭を擦りながら、半泣きで言った。


(何で無事なんだよ…) by真


「とにかく、明日は早いからさっさと寝る。」


ユイネが鋼の拳を見せながら言った。


「OK分かったよ。じゃあ真、寮に戻るか。」


この高校は寮があって、22時までに寝る事になっている。今の時刻は21時50分、かなり危ない時刻だ。

ユイネはさっさと女子寮に戻って行ったが、真と流は結局22時過ぎまで明日の事を話し込んで、教官にコッテリ絞られた。

 

 そして夜が明け、体育祭の日がやって来た。真と流は目の下に隈をつくって、寝癖も付いたまま、体育館にいた。


「来たな…この日が。」 by流


「ああ、来てしっまったな。」 by真


「…ダサ」 byユイネ


こんな朝の挨拶を済ませて、3人は準備運動のために並んだ。一通り済ませると、競技の説明が入り、最初の競技が開始された。


「最初はチーム対抗棒倒しか。これは3人で攻めと守りを決めて、先に相手の棒を倒した方が勝ちってやつだね。」


真が言った。

もっと詳しく言うと、1年生120人が全部で40チームをつくり、20、20に別れてトーナメントを行い、最後にお互いの優勝チームが戦うというものだ。棒の全長は5メートル程で、1人が必ず棒を押さえていなければならない。お互いは10メートル離れていて、フィールドの面積は10×7の70平方メートル。(どうやって20チームもやるんだよ、時間かかるだろって思ってるそこの君!…世界は広いのさ)


「流とユイネは守ってていいよ。俺が5秒で終わらせるから。」


「それでは両チーム配置についてください。」


審判の号令で真たちはそれぞれの配置につく。流とユイネは棒の側に立って、2人で棒を掴んでいる。一方真は、真ん中のラインを越えないようにギリギリに立った。


「準備は良いですね?レディ~ファイト!」


合図と同時に真は走り出し、相手の棒に向けて手のひらを向けた。そしてゆっくり深呼吸した後、


「ふっ!」


と勢い良く息を吐いた。すると真の手のひらから目には見えない強い力が放たれた。何も知らないで走り出して来た2人相手は、その力に吹き飛ばされ、自分達の棒にぶつかり、棒と一緒に倒れた。そのタイム3.58秒。


「あれ?5秒いらなかったな。」


「何だよ、アイツ絶好調じゃん。」


流が嬉しそうに言った。

 

 だが、この高校に驚異があるなどまだ3人は知るよしも無かった。





















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