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Prologue:湖に咲く一輪の花
何部かに分けて構成する予定なので、それぞれに題名をつけようと思います。ちなみにこれは第一部、
「STAR/STORY1〜七風の地図〜」です。
全てこれに収めようと思いますので、ご了承ください。では、まずはプロローグから。
「この旅の果てに、あなたは何を思う……?」
夜空にぼんやりと浮かぶ一対の月。一つは縁を表し、一つは天を表す。
そして、その月下に沈む小さな湖。
月明かりが落ちる水面に咲く、一輪の花。
枯れることはない。散ることもない。
ただひっそりと、湖の上に咲く一輪の花。
何億年もの間、誰からの干渉も受けず、誰からも見つけられず、
絶えず星のような輝きを放つ一輪の花。
風もないのに、花はそっと揺れた。そして、小さな光の粒が零れ落ちた。
それは湖に光の波紋を起こし、吸い込まれるように消えていく。
そしてまた花へと吸収され、光の群れへと戻っていく。
絶えることのない循環と、消えることのない煌めき。
人はそれを星影、そして、その花を星影の花と呼んだ……
▼本編