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空は真っ赤に染まり、コンクリートの道には自分の影ができていた。
ぎらりと鋭く妖しく何かが光ったことに気付き、若松はそれに近付き、道路に落ちていたそれを見つめる。
「…なんだ、これ?刀?」
刃が剥き出しのまま、鞘におさめられていない刀が落ちていた。
若松は近くの交番にでも届けようかと刀を手に取った。
__銃刀法違反?
そんな単語が彼の頭を過ったが、刀を放置しておく方が危ないだろうと交番へと向かった。
___思えば、この行動が全ての始まりだった。
俺がこの刀を放置していれば、俺はこの先危険なことに巻き込まれずに済んだ。そして安泰な人生を歩んで行ったかもしれない。
知らなくてもいいことを、知らずに済んだかもしれない。
つづきます