第17話 才名
「そういえばレンジ、あなたの能力の《才名》ってあるのか?」
「罪名?」
「違う、その人個人の才能は能力だ。その名前の事を才能の名前と書いて《才名》というんだ」
ちなみに、と続けてメルの事を指差してケイラは言った。
「この子の《才名》は【蜃気楼】(オールスルー)と言うんだ、レンジのはなんだ?決めてないなら今自分で決めるか、私が決めてやろうか?」
どうやらこの世界には自分の能力に名前をつけるのが主流らしい、だがシャルはそのことについて何も話していない。
蓮二がその事をシャルに聞くと慌てた顔で答えた。
「やっ!だって聞かれなかったし、レンジはもう知っている物だと…」
「はぁ、まぁいいや。で?シャルは才名ってやつあるのか?」
蓮二がそう聞くとシャルはとても嫌な顔でしぶしぶと言った感じで言った。
「えっと私のは勝手に周りが付けたんですが、【圧縮者】(プレッシャー)と呼ばれています。めちゃめちゃ不本意ですけどね」
「【プレッシャー】か、でも付けられるより自分で付けたいよなやっぱ、あっついでにケイラのはどんなやつですか?参考のために教えてください」
「私のか?私のは「ケイラ姉はすごいんだから!」」
ケイラが言おうとした瞬間、隣に居たメルが得意げに言った。
「なんたってこのギルドのNo.2なんだから!あらゆる音を操り、その音は聞いた敵の最後の歌!【誘う鎮魂歌】(インヴァイト レクイエム)!!」
ふふんと言いたげにいつの間にか座っていた椅子に乗り見下しながら蓮二の事を見るメル。
「そっそうか、ケイラさんはとても凄いんですね」
「…すまん、レンジ。で、才名は決まったか?」
そう聞かれた蓮二はシャル達のを参考に考えた。
(やっぱりシャル達みたいに自分の能力の特性を名前にすると触れるかぁ、何にでも触れらりる…万物に触れられる、この世界に干渉できる能力)
「よし、決めた!」
「何にしたんですか?レンジ?」
「今日から俺の才名は!」
そこで切り蓮二は勢い良く言った。
「【万物接続者】(オールリンカー)だ!」