第15話 完全勝利
だかよく考えるとメルの『物質通過能力』は何にでも触れることを許さない無敵の能力。
(でも、メルがさっき自分のことをNo5って言ってたな?無敵の様に見えて何か欠点があるからだな。それにメルの能力と俺の能力はまさに正反対の能力)
蓮二が思考している間もメルは手に持つ剣で蓮二の首をひたすら落とそうとしてくる。それを蓮二は防がずにひたすら避ける。
「ちょっとぉ!大人しく首チョンパさせなさいよッ!あたしの能力に手も足も出ないんだからッ!大人しく負けを認めなさい!」
メルのその言葉を聞いた蓮二は行ったん距離を取りメルの正面から不敵に笑って言った。
「メル、誰が負けだって?確かにお前の能力は強力だ。だが最強でも無敵でもねぇ」
なぜなら、とメルとの距離を蓮二は周りの空気を掴み一気に引くことで人間大砲さながらのスピードで詰める。
メルの懐に入ると手の先を瞬時にメルの腹部にそっと当たるか当たらないかのギリギリの場所に構える。
「ッ!?でもッ!!どんなに距離を詰めたってあたしにはふれない!!」
「そぉかよッ!」
中国にはゼロ距離でも殴ると同等の威力を発揮する武術の技がある。
それは特に内部に衝撃を与える技。
名を寸拳。
だが、この蓮二と言う男の能力『触れる能力』は自身を中心に1mならば支配できる。
つまり自身の拳を空気中の炭素で強化が可能でありその拳は炭素の特有の黒色に染まって強化されており、従来の寸拳を凌駕する威力となる。
フゥッと素早く息を吐き出すと同時に伸ばしていた指をたたむ勢いのまま拳を放った。
「『黒拳』ッ!」
「ッカハッ!!」
ズンと言う音がした瞬間メルの体はくの字に曲がりながらすごい速さでギルドの壁に衝突し、その衝撃で気絶してしまった。
周りにいたギャラリーも、審判のシャルも唖然と飛んで行ったメルの方を見ていた。
「おいシャル、判定はどうなんだ?」
蓮二のその言葉にシャルは慌ててメルとこへ走っていき確認し、バッと手を上げて言った。
「しょっ、勝者レンジ=キリサキ!!!」
その瞬間誰もが予期しなかった結果に歓声を上げたのだった。
戦闘描写めちゃくちゃ難しいです。
なんていうかそのぉ、表現しにくかったです!