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トリックエンジェルSS  作者: まーしゃ
第9章 白帽子編
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9-8.フラッシュバック ~イマジナリーフレンド編~

この物語はフィクションです。この物語にでてくる薬名、治療法、一部の病名、一部の物理法則は架空のものです。

柳風荘の客間のベッドに体を休めると今日一日のことを思いかえした。


(一体、なんでこんなことになったんだ? 同級生の女の子3人とシュアハウス?)


(いくら、藤原さんのお母さんがいるからってまずくないか?)


そんなことを考えていたが、いつの間にか眠りに落ちてしまった。



藤原 :「相川君、起きて!」


いきなり乱暴に体をゆすられ起こされた。


藤原 :「起きたら、急いで、一緒に来て」


いきなり部屋に入ってくるなんて藤原さんも大胆だと思ったが、表情は真剣で冗談を言える雰囲気ではなかった。


相川 :「どこに行くんだ?」


藤原 :「『塔の部屋』」


麻奈の部屋?


その時、2階の西の端の「塔の部屋」の方から悲鳴が聞こえた。


「イヤー! やめて! ごめんなさい。ごめんなさい!」


麻奈?


僕たちは急いで「塔の部屋」に続く階段を上った。


「ごめんなさい、ごめんなさい。もうわがまま言わないから。言うことききます。だから、おいてかないで!」


再び叫び声が聞こえる。


僕たちは塔の部屋の扉を開けた。


そこには宮島と藤原のお母さんが必死に麻奈をなだめていた。そして、ベッドの上には半狂乱になって体半分起こして叫び続ける麻奈がいた。


藤原 :「どっち?!」


宮島 :「麻紀のほう!」


藤原 :「麻紀?!」


宮島 :「うん。この頃麻紀の時が増えてる。心配」


藤原は麻紀に近づき、声をかける。


藤原 :「麻紀、落ち着いて! 大丈夫。だれもいなくなったりしないから!」


麻紀 :「ごめんなさい。ごめんなさい。」


麻紀は誰かにいうわけでもなく、うつろな目で謝り続ける。


麻紀 :「おばあちゃん、助けて!」


宮島 :「相川君、手を握って声をかけてあげて」


修  :「ああ」


修  :「麻紀。僕が助けてあげる」


僕は麻紀の手を握り、声をかける。その声を聞くと、麻紀は落ち着きを取り戻し、ベッドに体を倒し再び眠りにつく。


まるで、何もなかったように。


宮島 :「落ち着いたわね」


藤原 :「相川君、少し、麻紀と一緒にいてあげて。そして、少ししたら下に来てくれる? 紅茶入れてあげる」


麻紀が落ち着きを取り戻し、寝息を立てて寝ているのを確認してから、僕は階下に降りる。


相川 :「どういうこと?」


宮島 :「PTSDによるフラッシュバック」


藤原 :「麻奈が小さい頃、ネグレクト受けていたのは聞いてるわよね」


相川 :「あ、ああ」


宮島 :「それを思い出しているのよ。苦痛を伴った悪夢。もう、10年近く前にうけた虐待を今も思い出してる」


藤原 :「お酒を飲んで暴力をふるう父親と、夫の愛情が薄れたのは娘のせいだとして無視する母親。そんな中、麻奈は一生懸命、頑張って両親に気に入られようとしたわ。わがままも言わず、いい子でいようと一生懸命頑張った」


相川 :「…」


藤原 :「小さい頃、両親は神に近い存在。だから、怒られるのは私の責任。私がいけないの。そう麻奈は思っていい子であり続けた。麻奈は何も悪いことをしていないんだけどね」


藤原 :「それが、麻奈がおばあちゃんに引き取られるまで続いた。もう10年も前の話」


藤原 :「小学校や中学校の時はおばあちゃんが一緒に寝てくれた。慰めてくれた。私も麻奈の家に泊まった時、やっぱり、夜騒いだんだけど。おばあちゃんがうまく慰めてくれていた。そして、そのおばあちゃんも高校に入ってすぐに入院した」


宮島 :「それで私たち3人は寮に入って、3人部屋で暮らすことによっておばあちゃんの代わりになることにした。だけど、麻紀は麻奈になって自分の世界にこもってしまい、私たちを遠ざけた。そして、先生にとり図って一人部屋に移ったのよ」


藤原 :「一旦落ち着いたように見えたけど、3学期に入って、ものすごいフラッシュバックが起きるようになった。夜な夜なうなされて苦しめられた。その結果、彼女は精神的苦痛から逃れるために服毒自殺を図った」


相川 :「なんで3学期になって急に?」


宮島 :「相川君と付き合い始めてから」


相川 :「なんだよそれ? 僕は何か悪いことをしたみたいじゃないか?」


宮島 :「その通りよ」


藤原 :「理恵… ううん。逆。彼女は楽しい時があった時、それはわがままでその幸せを受け取る資格はないと考え、フラッシュバックを起こすのよ」


宮島 :「だから、今日は絶対起こすんじゃないかと思っていたら案の定。相川君が付き合わなければこんなことにならなかった」


相川 :「そんな~」


藤原 :「まあ、それは冗談。それにいつかは乗り越えなければならない壁」


宮島 :「それで、みんなでこの家に住むことにしたのよ。疑似家族。そうやって彼女の心の中のとげを少しずつ抜いていくしかない」


藤原 :「幸い、うちのアパートは取り壊されるところで母親も出ていくしかなかったし、私としてはラッキー」


デュー:「別に私は病院住み込みでもよかったんだけどね」


藤原 :「それじゃ、家族一緒に住めないでしょ。もう」


宮島 :「私も家にいると窮屈だったし、家を出る格好の理由ができたからこの話に乗ったわ」


藤原 :「だけど、それだと、去年と同じになる。根本原因は何も変わっていない」


宮島 :「そう、根本原因を作った人がのうのうとしてるのは許せない」


藤原 :「ということで、相川君にはここに住んでもらうことにしたの」


宮島 :「選択肢はないわよ。既に学校の許可もとってる。ご両親にも内々で話をしてるわ」


藤原 :「そして、相川君の荷物は明日引っ越し便で来ることになってる。アメフト部のメンバーに手伝ってもらう手筈になってるの」


相川 :「そんなあ」


宮島 :「さて、話をしたからにはルールを守ってもらうわ。まずお風呂だけど、相川君は一番最後。10時以降に入ること。それまでは私たち女の子の番よ。まあ、6時前ははいってもいいけど。それから、掃除・洗濯は分担してもらうからね。料理は私たちが作ってあげる。感謝しなさいよ」


相川 :「いきなりとんでもない状況に巻き込まれたような」


僕のつぶやきを無視して彼女たちは話を進める。


宮島 :「とんでもないといえば、この頃、麻紀でフラッシュバック起こすこと増えてない?」


藤原 :「そうよね。今までだったら、麻紀で寝た日は安心だったのに。今ではどっちでも起きる」


宮島 :「やっぱり誰かさんのせいじゃない?」


そうやって、二人はジト目で僕の方を見る。


-----------------------------


次の日、「塔の部屋」から出てきたのは麻紀だった。


麻紀 :「おはよう、修君。昨日はよく眠れた?」


修  :「あ、ああ。麻紀は?」


麻紀 :「うん、ぐっすり眠れた」


昨夜のことはまるで覚えていないようだった。


俺たちは昨夜のことは何もなかったようにふるまった。


(言ったところで解決しないわ。あれは彼女の潜在意識で夢の中の話。夢の中のことは覚えてないし、覚えていたらそれこそ精神崩壊起こすわよ。)


宮島がそんなふうに昨日言っていた。


藤原 :「おはよう。麻紀。今、朝ごはんの支度するわね」


そういって藤原さんが朝食の用意をする。


麻紀 :「今日は修君いろいろ手伝ってくれるよね」


修  :「ああ、構わないが」


麻紀 :「やったー。男手がなくて困ってたのよねー」


修  :「で、いったい何を手伝えばいいんだい?」


麻紀 :「倉庫の片付け。倉庫にあるものをあの奥の部屋に持ってってほしいのよ」


修  :「なるほどね」


1階の僕が泊った部屋の奥に空き部屋がある。そこに倉庫の荷物を運び込むらしい。



朝食も終わり、俺と麻紀は庭の倉庫に向かった。古びた倉庫をあけるとかなりの数の段ボールが山積みになっていた。


修  :「まさか、これ全部」


麻紀 :「そう。修君がいて助かった。こんなの女の子じゃ無理」


修  :「まあ、そうだな」


僕は一つ持ってみた。ずしりと重い。


麻紀 :「修君、気をつけて。重いから気をつけないと腰を痛めちゃう」


修  :「なんだこの重さ。いったい何なんだこの中身?」


麻紀 :「開けてみて」


中を開けてみる。段ボールの中身は本だった。


修  :「って? これ全部、本?」


何十個も山積みされている段ボールを見上げ僕はおもわず声を上げた。


麻紀 :「そう、本、これを奥の部屋に持っていってほしいの。きちんと本棚に入れてあげないとかわいそう」


宮島 :「麻紀」


宮島が倉庫の入り口から顔を出す。


宮島 :「運送屋さんが来た。ホームセンターに頼んでいた本棚が来たよ」


麻紀 :「それじゃ、そっちの組み立てが先ね。修君、先にこっちを手伝って」


修  :「あ、ああ」


そして、トラックから降ろされた本棚の数を見て茫然とする。


修  :「これ全部本棚?」


麻紀 :「うん。これ全部組み立ててほしいの」


10本以上ある本棚を見て立ち尽くす。


修  :「いったい、本って何冊あるんだ?」


麻紀 :「数えたことないけど1000冊はくだらないと思う」


1000冊。今からこれを運び込むのか。


宮島 :「私も手伝うわ」


藤原 :「私も。これみんなでやらないと日が暮れちゃう」


麻紀 :「ありがとう」


宮島 :「しかし、良く集めたわね~。これだけの量。」


藤原 :「中学の時、良く古本屋さん付き合わされたわ。1回に20冊買って50回行けば1000冊。確かに集まるわ」


修  :「でも、なんで、倉庫なんかに?」


麻紀 :「部屋に置いておいたら、去年、麻奈が倉庫にしまっちゃったのよ。大事にしまわないといけないって言って。あの子、あんまり本に興味持ってないから。あの子あんまり本読まないしね。もっと興味持てばいいのに」


修  :「ちょ、ちょっと待った。麻奈は典型的な文学少女じゃないか? いつも木陰で本読んでる」


宮島 :「程度の問題」


藤原 :「文学少女というか、本を愛するレベルでは麻紀の方が上ね。だから、麻紀の方が色々な小説とか映画とか演劇とかくわしいわよ」


宮島 :「麻奈は自分であんまり本買わないんじゃない? 大体、麻紀の本読んでる」


修  :「いや、前に一緒に本屋いったぞ」


藤原 :「20冊くらい買った?」


修  :「いや5~6冊くらいだけど」


藤原 :「それは買わないっていうの」


麻紀 :「ああ、修君ずるい! 麻奈と本屋に行ったの? なんで私と行かないのよ! 本屋に行く時は私と一緒!」


修  :「ずるいと言われても」


麻紀 :「じゃあ、私が本買いたいって言ったときは付き合ってくれる?」


修  :「ああ、もちろん。いいとも」


藤原 :「良かったね。麻紀。これで私も安心」


後でこの約束は後悔することとなる。麻紀と本屋に行くというのは本屋街でまさに朝から晩まで付き合わされるということだった。しかも何十冊も買い込んで持たされるという意味だった。


本棚を組み立て、倉庫から何十箱もある段ボールを持ち出し、本を本棚に詰める。これだけで夕方になり始めた。


修  :「ところで、この残った本棚はどこに置くんだい?」


僕はひときわ豪華な本棚をさして言った。


麻紀 :「リビング」


麻紀 :「ここには、選りすぐりの本を置くの。素晴らしい本に囲まれた生活。それって人生の醍醐味よね。修君もそう思わない?」


そういって、麻紀は奥の部屋から本を選んで並べ始めた。


赤毛のアンシリーズはもちろんのこと、O・ヘンリー短編集、銀河鉄道の夜、赤と黒といった有名な本や、星を継ぐもの、夏への扉といった僕でも知っているSF作品、指輪物語、星の王子様、時間泥棒のようなファンタジーもの、それ以外に絵のない絵本、トリツカレ男、猫の目、彗星狩り、夢の樹が接げたなら、魔法使いのハーブティー、十二国記物語など面白そうな題名が並ぶ。


修  :「これ、借りてもいい?」


麻紀 :「さすが修君、わかる人にはわかるよね~。どうぞいくらでも借りてっていいわ」


藤原 :「『深沢麻紀の100冊』どれもこれも名作ばかりだわ。ただし、半分近くが絶版で、何冊かは日本ではこの家でしか手に入らない本がある。だから扱いには気をつけてね」


修  :「え?」


僕は思わず手を引っ込める。


麻紀 :「ああ、気にする必要ないわ。本は読まれてこそ価値のあるもの。だから、みんなに読んでもらうためにここに持ってきたんだから。奥の部屋の本も自由に借りていいからね」


ああ、そういうことか。だから、真っ先に倉庫から引っ張り出したんだな。飾るためでなく、読んでもらうために。麻紀は本を愛している。その一端を垣間見た気がする。


そう、思い僕は早速「猫の目」を引っ張り出してリビングで読み始める。猫の目は小林めぐみという人が書いたSF小説で3冊からなる本だった。


僕はぐいぐい引き込まれた。衰退する人類。昔、ロボットと人工生命体の反乱に会い、滅亡寸前まで追い込まれた人類は科学の発展こそがその元凶だと信じ、科学を拒否する。そんななか、辺境にあり、反乱に巻き込まれなかった星のある企業が、企業こそが思想に縛られることなく皆を幸せにするといって人類を衰退から救い出す。そんな内容だった。


斬新なアイデア。新自由主義的な発想。そしてジゼルという猫主観での話の進め方。SFというかミステリーのような小説だった。


麻紀 :「その本はもう絶版で手に入れることはできないわ。小林めぐみの3作目。彼女がちょうど私たちくらいの時に書いた本。こんないい本もっと評価されてもいいのに残念よね」


そんな解説を遠くに聞きながら本にのめりこんでしまう。


夕方になり、夕食の時間になっても本が話せない。


デユー:「近頃の若い人は本を読みながら食事をしても許されるのですね。私たちが若いころは、それはもう厳しかったものです…」


そんな声も聞こえず読み続ける。


1冊読み終わったころにはもう9時を回っていた。


修  :「面白い。なんでこんな本うもれてるんだ」


麻紀 :「ライトノベルとは思えないでしょ。今の粗製乱造気味のライトノベルと違って、まだ、ライトノベルというジャンルが確立していないときの本。時代が早すぎたのよ」


修  :「もしかして、こんな本が1000冊もあるのか?!」


麻紀 :「いやいや。さすがにそこまではね。でも、このリビングにある100冊はそれなりにお勧めよ。もしよかったら読んでみて」


修  :「ああ、そうさせてもらう」


今まで、本というのにあまり興味がなかった。その理由が何となくわかった。面白い本に出会えてなかったからだ。これからは本の魅力にとりつかれそうだ。それと同時にこの本を紹介してくれた本をこよなく愛する麻紀という女の子に僕はあらためて興味を持ち始めた。


-----------------------------


月曜日学校に行って、引っ越ししたことを担任に話した。4月から新しくなったクラスの担任だ。


担任 :「そうか。深沢をよろしくな」


そういってあっさり承諾された。寮を出て男女共同生活なんて許されないと思ったからだ。


確かにアメフト部の顧問でものぐさな担任だからとは思うが、あっさり許可しすぎじゃないか?


そんな思いが顔に出たのか、担任が僕に質問する。


担任 :「相川、寮生活のメリットってなんだと思う?」


修  :「えっと、規律正しい生活が送れること?」


担任 :「まあ、それもあるな。それ以外にも協調性や自主性が生まれる。基本、寮は自主性を重んじている。これはわが校の理念と一致する。仲間と一緒に過ごすことにより、みんなと協力して物事をなし、成功体験を経験する。これが自信となり、社会に出てから役立つ。そして、仲間は一生付き合える友達になる」


確かに。実際に寮にいる生徒の方が成績も伸びると言われている。そのため、全国からこの学校の寮に入る生徒も多い。


担任 :「では、デメリットとはなんだ?」


修  :「お金がかかること?」


担任 :「まあ、確かに自宅生よりは大分かかるな。でも、それ以外に重要な問題がある。それは、なじめなかった生徒が逃げ場をなくすことだ」


修  :「あ!」


担任 :「四六時中、同じメンバーと一緒にいるため、なじめなかった生徒は追いつめられる。そうなると転校や退学するしかなくなる」


修  :「…」


担任 :「そこで、そんな生徒を救うために下宿制度がこの学校にはある。そこには疑似的な母親がいて、そして、寮よりもはるかに家族的な雰囲気の生活が送れるようになれる。そうやって適応させていく。そんな学校公認の下宿舎が何件かある。柳風荘はそのうちの一つだ」


修  :「つまり、深沢さんの疑似家族」


担任 :「ああ、彼女は小さい頃両親に捨てられている。そして、育ててくれたおばあちゃんも去年入院した。そのため、精神的にものすごく不安定になっている。しかも、あまり人間関係を構築するのは得意ではない。だから、親しい人で支えてやる必要がある。それにこれは、相川、お前にも言える」


修  :「はい」


この学校の生徒の半分は寮生活をしている。でも、わざわざ寮生活を送るにはそれなりの理由がある。多くは家庭に事情がある。地震で両親を亡くした生徒。両親とも仕事が忙しく家庭を顧みない家の生徒。両親の再婚で居づらくなり寮から学校に通う生徒。僕も母親が再婚して義父と折り合いが悪くこの学校に来た口だ。


担任 :「だから、今回の処置は深沢だけでなく、相川のためでもある。わかったな」


修  :「はい」


担任 :「しっかり、深沢を守ってやれ」


昼行燈のような担任だと思っていたが、良く見ている。


僕は一礼をして職員室をでて、柳風荘に戻って行った。


----------------------------


デユー:「私は母親がわりなんてつもりはありませんよ。ただの下宿人で十分です」


夕食の時間、今日の担任の話をみんなに僕はした。


デュー:「でも、相川さんも苦労されているのはわかりました。男の子のことなんか、わたしゃわかりゃしないけど、多少相談にのって上げるわ」


相変わらずの毒舌ぶりである。


疑似家族


そんなのもいいかなと思いつつ僕の柳風荘での生活が始まった。


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