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MMORPG?知ってますけどなにか?  作者: でーぶ
異世界突入!?
13/83

第12話 もふもふ好きかって?ええ、もふもふ大好きですよ?

後書きに、12話までの人物紹介をば載せましたので、御入用の方はどうぞ。

幻獣殺しミフィカルビーストキラー…?何ですかそれは…」


ヒポグリフ使いの彼女にとっては、聞き覚えの無い言葉である。

魔獣殺し(ビーストスレイヤー)ならば、多少腕の立つ戦士であれば比較的容易に行うただの討伐行為であるため、そのように名乗る事も無い。

それに、どう見ても殺しているようには見えない。


「ええ、と。その辺りは美少年キラーなど色々あってですね」

「黒ねーちんもその辺は知ってんのな。ゴリラ落としとか言われる手合いもあったんだよねぇ。懐かし~」

「BLを初めて知ったのはパタ○ロでした」

「微妙な」

「すいませんわかりません」


さっぱりわからない、と困惑顔の女兵士である。

そりゃあ、ただ(元の世界)でさえかなり古いネタもある。この世界の人間に通用するはずも無い。


「えっと、幻獣をねっていうか魔獣もそうなんだけど、HPギリギリの瀕死にまで持っていくと、たまーに『仲間になりたそうにこっちを見てくる』事があんのよ」

「ええ、普通は魔獣でもかなりの低確率なんですけれど、シアの場合高位幻獣であっても驚くほどの割合で仲間になりたそうにしてくるのです」

あの三匹(みっ○のしもべ)の時は全部一発で仲間になりたがったって、伝説に残っちゃったもんね。一応設定上は仲間になることもあるかもしれない、まあ期待はするな。むしろ絶望しろってくらいの低確率だったのに、どれも初見でさ」

「シアの個人倉庫(ロッカー)には、そういった者達の召喚用アイテムで埋まっているそうです。私も見たことが無い使役獣も居そうです」

「今度見せてもらおっと。きっと出鱈目なものが入ってるんだろうなぁ」


解説してくれようとしている両脇の幼女と黒エルフの、その解説に使われている言葉自体が彼女には意味不明であった。




「いやぁ、ごめんなさい。中々いいモフり具合の子だったもんで」


現実世界では、大型犬ラブだったシアである。

マンションではなく一軒家だったなら、間違いなく大型犬を飼っていたであろう。

何を犠牲にしてでもだ。

実際、シアは目の前にモフモフがいて、何故ためらう必要があるのか、と内心ではまったく後悔も謝罪もしていなかったし。

むしろ、仕舞い込んである使役獣を全部引っ張り出して全て試そうと心に決めたところである。

そんなシアの目の前には、ヒポグリフ使いの女性が呆然と立っていた。


「えっと…勝手にモフってごめんなさい?あの、何なら変わりに毛玉魔獣ケサランパサランでも召喚しようか?思う存分モフってくれていいから」

「い、いえっ!わた、私以外に懐く事がない騎獣が、とても、その…」


主人以上に懐いていた、などとは、流石に言いたくなかった彼女である。


「ふむん?まあいいわ。それじゃ、どうぞこちらに」

「は、はいっ!」


しどろもどろの彼女に手招きし、シアを先頭にギルドハウス内に入ると、他の面々はそれぞれ自分の部屋へと戻ったため、いまこの場にいるのはヒポグリフ使いの女性とシア、それに幹部5人の総勢7名である。

ギルドハウスに入ってすぐの広間で、緊張気味の女性兵士に椅子を勧めるシア。

相手がおどおどとではあるが席に着いたのを確認してから、自身もゆったりとしたソファーを身を沈め、優雅な手つきでローテーブルに置かれていたベルを小さく振った。

リン……と、澄んだ音色が響くと、いつの間にかテーブルの脇に一人の猫種の獣化人少女が立っていた。

当然のごとく、メイド服で。


「お呼びでしょうか、お嬢様(ギルドマスター)

「お客様にお飲み物を。あと、何かつまめるものをお願い」

「はい、ただちに」


そう答えた猫少女は、失礼いたしますと言うやくるりと踵を返し、奥へと足を運んで姿を消した。


「うーん。本人がやりたいって言うから任せたけど…思った以上ね」


ぼそりと呟いたシアの言葉に、熊子が反応し、シアにしか聞こえないような小さな声で同意を伝える。


「似合ってるねー、猫耳メイド。アレでもう少し育ちが貧相なら言うことないのに」

「いい加減ロリコンから卒業しなさい、と言うか貴女がやればよかったのでは?自分の貧相な身体で給仕すれば納得できるでしょうに」

「黒ねーちん、ちっちゃいのがちまちま動いてるのを横から眺めるのが楽しいんだよ?」


二人の内緒話に割り込むように、ヘスペリスも加わり、もはや内緒話ではなくなった状態であるが、当人らはそんな気はないらしい。


「あー、すまん、使者殿。あの真ん中に座ってるエルフが最高責任者だ。名はシア。その右側のダークエルフがヘスペリス、左のちっこいのは熊子だ。そんで、シアの後ろに立って控えてるのが呉羽。一応次席責任者だ。で、コイツがアマクニ、俺はカレアシンと言う」


話が進まないと思ったカレアシンが、一人一人紹介してゆく。

名を告げられるたびに視線をさまよわせる女性に、カレアシンは首を傾げたが、一応最後まで伝えきり、取りあえずの自分の仕事は済ませたとばかりに口を閉じた。


「じっ!自分は、アラマンヌ王国シュヴァーベンが領主、レフィヘルト辺境伯の領軍に所属する…ひぃっ!?」


カレアシンの後を次いで、自己紹介をしている最中、彼女はいきなり身を震わせて固まってしまった。


「おい、どうした?」


一番傍にいたアマクニが、固まった彼女の肩に手をやろうとして立ち上がりかけたところで、それに気付いた。


「おいおい、呉羽嬢よ。それはないじゃろ」


アマクニの指摘に振り向いた皆が見たのは、シアの背後に寄り添うように立つ呉羽が、その“魔人”としての本性を半ばあらわに仕掛けているのを、ギリギリで留めているところであった。


「ど、どうしたの?何か悪いものでも食べたの?」

「……いえ、少しばかり気にかかる名を伺ったものですから―――あなた、続けなさい」

「はひ!?」


魔人の本性―――魔人は、獣が魔に当てられて生まるように、人が魔に当てられて生まれた存在である。

そのため、種族名ではなく、単一個人を指すことが多い。

そして、普段は魔力の放出を抑えるために。出来るだけ元の人に近い姿をとっているが、それを成しえるのは高い精神力が必要なのである。

故に獣は魔獣化し、元には戻らない。

人は、その精神の高潔さにより、魔に引きずられずに人として存在しうるのだ。

が。

その呉羽が本性をあらわにしかけたとなると話が違ってくる。

よほどの事が、そして恐らくそれは、目の前の女性が関係しているのであろうと、その場にいた者達は考え、そしてそれはほぼ間違いなく。


「え、ええと、領軍の遊撃部隊に所属するアーデルハイト・アルブレヒツベルガーと申します傭兵であります。この度、こちらへと参上いたしましたのは、部隊指揮官であります辺境伯が公子の指示に…ひっ!」

「呉羽、お前もう下がってろ。ああ、すまんアルブレヒツベルガー殿。あいつはアラマンヌ王国の人間と色々あってな。特に…」


シアに連れられて、自室へと戻る呉羽を視界の隅に収め、カルアシンは続けた。


「レフィヘルト辺境伯とやらの馬鹿息子に、襲われかけて、な」

「そ、そうなんですか」


アーデルハイト・アルブレヒツベルガーは、そういうことが過去にあったのなら、仕方がない事かと納得しかけた。


「まあ、返り討ちにしちゃったんだけどね。角ねーちんああ見えて強いから。でも男嫌いで触られるのも嫌でさ、ぶん殴って帰ってきた時には後始末大変だったよ。殴った拳が汚いからってずっと洗ってるし。まあその一件自体は、その馬鹿ってばあちら(辺境伯家)でも持て余してた奴だったらしくて、ヘスペリスとカレアシンがちょいとしたアイテム持って謝りにいったら、それだけで手打ち出来ちゃったし。下手したら今回従軍してきたのって、あわよくばこの戦で死んでくれないかって思ったんじゃないの?辺境伯家」

「…そう言われてみれば、領軍とは名ばかりでほぼ傭兵で構成されていましたし…」

「捨て駒ですね。しかし、貴女方は運がいい。シアが来たのがこの戦で良かったですね」


がっくりと肩を落としたアーデルハイトに、ヘスペリス気を落とすなと声をかけた。

まあ、今回は死ななかったのだから、契約をさっさと終わらせて他所に行けばよいだけのことである。


「鷲馬のねーちん結構美人だから、領に戻る途中で手篭めにされたりして」

「うえぇ」


命令を受けに公子の前にでた先ほどの事を、彼女は思い出した。

舐めるような視線で上から下までじっくりと見られ、なにやらニヤニヤと笑みを浮かていたのを。


「領に戻る前に、襲われてー、訴えようとしたら刺されておしまーい、とかね。有りそうじゃん、あのぼんくら公子だと」


熊子の手厳しい発言に、流石にそこまではと思いたいが、一旦はまってしまった思考から逃れる事が出来ないでいた。


「まあ、取りあえず」

「はっ、なんでしょうか」


カレアシンの声かけに、彼女は気を引き締めて向き直った。


「名前、ハイジって呼んでかまわないか?」

「は?」


突然の申し出に、再び固まったところに猫耳メイドによって運ばれて来たお茶の芳香は、とても清々しい花の香りを漂わせていた。

登場人物紹介


名 前:シア

中の人:阿多楽 真実矢

種 族:ハイエストエルフ

解 説:本編の主人公で転生者?。ゲームと言う名の、女神による選別により選出された、救世主?的な人物になる予定の色々無敵な存在。胸のサイズはほどほど。


名 前:龍野起 源

中の人:青銅の(ネフシュタン)

種 族:女神の御使い

解 説:キモヲタ行動により主人公に嫌悪され本来の仕事が駄目駄目になりかけた馬鹿。以後出番無し。多分。



名 前:カレアシン

中の人:―

種 族:竜人ドラゴニュート

解 説:元寝たきり老人の転生者。身動き取れない状態のまま、取りあえず動く手でマウス操作を、音声入力でチャットを行っていた。他人の会話を見ているだけで楽しかったようで、ログイン時間に比べ、戦闘スキルはそれほど高くはなかった。広場で露店を営み、道行く人々との会話などを楽しむ商人系のプレイヤー。いつ行っても露店が開いており本人が応対していたため、ある意味有名人であった。



名 前:ヘスペリス

中の人:―

種 族:ダークエルフ

解 説:元ネカマなオカマな竿無し玉無しの改造人間(ニューハーフ)な転生者。元の世界では気合入れて着飾ると、下手な女性では太刀打ちできないほどにお美しい方になる。でもオカマ。転生で真の女性になれると一も二も無く承諾、転生。現在Jカップのクール系毒舌お姉さまである。



名 前:ベア

中の人:―

種 族:ホビット

解 説:元ロリコン紳士で元魔法使いで元童帝な転生者。人畜無害だが口は悪い。幼女好きだが幼女に手を出すやつが大嫌い。実行に移す幼女趣味者に対しては特に容赦無し(このロリコンどもめ!)。でもたまにはロリコンもいいよね!胸はAAAカップ。



名 前:アマクニ

中の人:―

種 族:ドワーフ

解 説:根っからのおっさん転生者。カレアシンと同年代らしく、どうも高齢のため引退した元職人と思われるが、詳細は不明。製造職一辺倒だったが、異世界に来て以降、何でも自分でやるようになり、シアの持ち込んだ素早さアップの薬により、今や作って闘える上に異常に素早いスーパードワーフに。薬の副作用でたまに他人の名前を間違えたりする。



名 前:呉羽くれは

中の人:―

種 族:魔人

解 説:副ギルマス。シアと言うか、中の人である真実矢に対しても怪しい感情を持つ元女性。どう見てもビアンですありがとうございました。Qカップ



名 前:どこかの国の筆頭騎士の人。名前はまだ無い

中の人:―

種 族:普通人

解 説:実直馬鹿。若干ながらスキル持ち。であるが、スキル持ちだから筆頭騎士になれたわけで、その他の能力は如何ともし難い。



名 前:どこかの国の大臣ぽい人

中の人:―

種 族:普通人

解 説:こずるく立ち回る小悪党のように見えて、実は深謀遠慮の愛国者。のはず。



名 前:どこかの国の部隊(豚い)指揮官

中の人:―

種 族:普通人

解 説:誤字に非ず。アラマンヌ王国シュヴァーベン領、レフィヘルト辺境伯が公子、らしい



名 前:アーデルハイト・アルブレヒツベルガー

中の人:―

種 族:普通人

解 説:ヒポグリフ使いの女傭兵。振り回されキャラ。胸は無い。本人は意識していないが、れっきとしたスキル持ちである。


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