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不死となった少年は抗う為に剣を握る  作者: マジュルーム
裏を牛耳る組織は 少年を何色に染めるのか?
3/30

少年 叩きのめされる

平等とはなんぞやって書きまくってたんですけど全部消えて萎えました。 平等について誰か感想で教えてください。

「おい、誰だお前!」


低く、鋭利な刃物のような声が、薄暗い地下室に響き渡った。祐樹が弾かれたように振り向くと、重々しい鉄の扉の向こうに、二つの人影が立ちはだかっていた。その影は、部屋の唯一の光源である蛍光灯の光を遮り、祐樹に絶望的な圧迫感を与える。


一人は、身長こそ170センチほどだが、鍛え上げられた筋肉が服の上からでもわかるほどの巨漢。まるで分厚い壁のような威圧感を放っている。もう一人は、180センチはあろうかという長身痩躯の男。筋肉質ではないが、その爬虫類を思わせる冷たい眼差しが、獲物を品定めするかのように祐樹を射抜いていた。


「新鮮なものを持ってこいとは言ったが、まさか本当に生きたままの人間を連れてくるとはな」


長身の男が、嘲笑を浮かべながら吐き捨てた。その声には、人間の命を何とも思わない、底知れない冷酷さが滲んでいる。彼はまるで虫でも払うかのように、無造作に祐樹の腕に銃口を向けた。


パーン!


乾いた銃声がコンクリートの壁に反響し、祐樹の左腕に灼熱の痛みが突き抜けた。肉が裂け、骨が軋む感覚。熱い鉄の棒を突き刺されたかのような激痛に、彼の思考は一瞬にして白く染まる。


「……ッ、があああぁぁっ!」


撃ち抜かれた腕を押さえ、祐樹はコンクリートの床に蹲った。傷口から溢れ出す生暖かい血が、彼の指の間を伝い、床に黒い染みを作っていく。


「おいガキ、さっさと死んでバラされろや!」


ゴリマッチョの男が、獣のような咆哮を上げながら、祐樹の脇腹を容赦なく蹴り上げた。衝撃で内臓が揺さぶられ、祐樹の体は壁に叩きつけられる。男たちは、苦痛に喘ぐ祐樹の姿を肴に、下卑た笑い声を上げた。


「ああ、死体をバラすのは楽でいいが、やっぱりこうして痛めつけて、生きた人間の反応を見るのは最高だなあ」

「まったくだ。この恐怖に歪んだ顔、何度見ても飽きない」


彼らの会話は、祐樹の耳には遠い雑音のようにしか聞こえない。ただ、自分が消耗品として、彼らの娯楽として扱われているという事実だけが、屈辱となって彼の心を抉っていく。


「……おい、此処は……どこなんだよ。それに、お前らは……誰なんだ」


朦朧とする意識の中、祐樹は壁に手をつき、よろよろと立ち上がりながら掠れた声で問いかけた。恐怖よりも、この理不尽な状況に対する怒りが、彼を突き動かしていた。


「俺らか?いいぜ、冥土の土産に教えてやる。俺たちは“白竜会”の人間だ。日本の裏社会を牛耳る、とんでもなく恐ろしい組織なんだぜ。そしてお前さんは、臓器売買の新鮮な“商品”になるってわけだ」


ゴリマッチョの男が、得意げに胸を張りながら言った。


「まあ、そういうことだ。……しかし、“提供者”ではなく“商品”とは、随分と悪意のある言い方をするじゃないか」


長身の男が、面白がるように口の端を吊り上げ、再び銃を構えた。祐樹は咄嗟に床を転がって銃弾を避ける。しかし、その動きを読んでいたかのように、ゴリマッチョの男の重い蹴りが、祐樹の腹部にめり込んだ。


「……ッ!ウォエッ……」


胃の内容物が逆流し、祐樹は床に吐瀉物をぶちまけた。その汚物と血の匂いが混じり合い、部屋の腐臭をさらに濃密なものにする。男はそんな祐樹の姿に一瞬眉をひそめたが、すぐに獰猛な笑みを浮かべると、流れるような動きで祐樹の側頭部に三日月蹴りを叩き込んだ。


ゴキィ!


鈍い音と共に、祐樹の首の骨が嫌な角度に折れ曲がる。視界がぐにゃりと歪み、彼の体は糸の切れた人形のように床に崩れ落ちた。ピクピクと痙攣する手足が、彼の生命がまだ尽きていないことを示している。


「ギャハハハ!やっぱり弱い者いじめは最高に楽しいなあ!」

「ふん、まったくだ。こういう安全な仕事も悪くないが、たまには本気で殺しをやりたくなる」


(……なんで、なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだ。何も悪いことなんてしていない。家族も、恋人も、居場所も、全部奪われて……なんで、俺だけがこんな惨めな思いをしなくちゃならないんだ。なんで、なんで、なんで……ふざけるな。ふざけるな。ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな。なんで、なんで俺だけがこんな目に遭わなければならない?なんで俺だけがこんなに惨めにならなければならない?なんで、なんで、なんで!!!)


絶望の淵で、祐樹の意識は暗闇へと沈んでいく。しかし、その暗闇の底で、何かが静かに燃え上がっていた。それは、純粋な怒り。そして、この理不尽な世界そのものへの、底知れない憎悪だった。


「……そうか。俺が、俺が弱いから、いけないんだ」


途切れ途切れの言葉と共に、祐樹はゆっくりと立ち上がった。折れたはずの首は、ありえない速度で元の位置に戻り、彼の瞳には、先ほどまでの絶望の色はなかった。


「そうか、そうだよな。俺が弱いからいけないんだ。俺が弱いから、奪われ、惨めになり、そして自殺する。そんな人間がいていいのか?否だ。そんな人間は、所詮、物語の引き立て役、無様に死んでいくかませ犬に過ぎない。……ふざけるなよ。この俺が、弱者だと?ありえない。そんなことは、絶対にあってはならないんだよ!!!」


その狂気に満ちた叫びに、男たちは一瞬たじろいだ。


「なんだ、あいつ……。イカれちまったのか?」

「恐怖のあまり、心が壊れたのだろう。さっさとこんな狂人、処理してしまえ」


男たちは、祐樹の異様な気迫に戸惑いながらも、じりじりと距離を詰めていく。その目は、もはや彼を“商品”としてではなく、排除すべき“異物”として見ていた。


「なあ、お前もさっき言っていたよな。弱い者いじめは、楽しいってよぉ!!」


祐樹は、獣のような雄叫びを上げ、ゴリマッチョの男に向かって突進した。その拳には、先ほどまでの彼からは想像もつかないほどの力が込められている。


「チッ……てめぇ、見かけによらず力があるじゃねぇか。だがな――」


ゴリマッチョの男は、ニヤリと口角を歪め、祐樹の拳を軽々と受け止めた。


「力だけで、俺を倒せると思うなよ?」


男は、祐樹のパンチを防ぐと同時に、的確なカウンターを叩き込む。その動きには無駄がなく、祐樹は反撃の糸口すら見つけられない。パンチや蹴りを受け止めるたびに、腕の骨が軋み、全身に鈍い痛みが蓄積していく。そしてついに、男の重い拳が、祐樹の顔面を捉えた。


ゴキッ!


鼻の骨が砕ける鈍い音と共に、祐樹の体は再び床に叩きつけられた。しかし、男は休む暇を与えない。倒れ込んだ祐樹の腹部に、容赦なく肘を叩き込み、そのまま蹴り飛ばした。


「おいおい、死体の方に飛ばすなよ。臓器が傷ついてしまうだろうが」

「悪い悪い。つい力が入っちまった」


男たちが、まるでゴミを片付けるかのように祐樹に近づいてくる。


(くそったれ……。なんなんだよ、こいつら。……前よりも力が強くなっている感覚はあるのに、それでも敵わない。ふざけやがって……)


クラクラする頭で、祐樹は必死に活路を探す。そして、彼がもたれかかっていたテーブルの上に、鈍い銀色の光を放つメスがあることに気づいた。これだ、と直感した祐樹は、最後の力を振り絞ってメスを掴み、今度は長身の男に向かって斬りかかった。男は冷静に銃を放つが、祐樹は奇跡的にそれを避け、一気に肉薄する。


「馬鹿が。俺の武器が、いつ銃だけだと言った?」


男は、嘲るように言うと、もう片方の手に隠し持っていたナイフで祐樹のメスを受け止めた。そして、がら空きになった祐樹の腹部に、銃口を突きつけ、引き金を引いた。


「ッガハッ……!」


腹部を貫通した銃弾が、内臓を焼き尽くす。祐樹は大量の血を吐きながら、その場に崩れ落ちた。


「おい、出番だぞ」

「へっ、そうこなくっちゃな」


ゴリマッチョの男が、祐樹の体を逆さまに抱え上げ、そのまま自ら座り込むようにして、彼の頭部をコンクリートの床に叩きつけた。プロレスの必殺技、パイルドライバー。ゴキッという、熟れた果実が潰れるような音と共に、祐樹の頭蓋骨が砕け散った。


(あぁ……痛い……。やっぱり、無理だったか……。俺なんて……俺なんて……。……てか、なんで、俺は、まだ死んでいないんだ?)


薄れゆく意識の中で、祐樹は奇妙な事実に気づいていた。本来なら即死しているはずのダメージを受けているにもかかわらず、彼の意識は、まだこの世に繋ぎ止められていたのだ。 そして、死にかけている今だからこそ分かる自分自身の力。

(ああそうか。 俺は...)





「ッハハハハハ!久しぶりに楽しめたぜ、なあ!」

「ああ、そうだな。じゃあ、さっそく後始末を――」


長身の男の言葉は、途中で途切れた。彼の首が、まるで熟れた果実のように、胴体から転がり落ちたからだ。噴水のように血を噴き出しながら、その体はゆっくりと床に崩れ落ちる。


「……は?おい、なんでだよ。なんでお前が……」


ゴリマッチョの男が、信じられないものを見る目で、ゆっくりと立ち上がる影を見つめる。その影が、一瞬で彼の目の前に移動したかと思うと、次の瞬間、彼の首もまた、胴体から離れていた。



静まり返った地下室。血の匂いと腐臭が混ざり合う中、ただ一人、異様な気配を放つ影が、ゆっくりと立ち上がった。


その唇は、愉悦に満ちた三日月のように歪み、その瞳は、何かが覚醒したかのように、妖しく、そして深く、紅く光っていた。


キャラクター紹介③ 高野明美


年齢 38歳

誕生日 10月9日

身長 162センチ

仕事 トリマー

好きなもの 合体すること いろんなプレイ 歌うこと

嫌いなもの 規則正しい人 自分に反対する人 物事を押し付ける人

あんな家族と結婚しようとしたやばい人。てかもともとヤバかったらしく、なんで規則正しい旦那さんを持ったのやら。その反動のせいか実は夫が死んでからいろんな男と合体しており、そこで運命の出会いを果たした。つまり全ての元凶。 実はこの家族元々こんな設定じゃなく、この回で出てきた白竜会ってとこに惨殺されて、祐樹が冤罪かけられるっていう設定だったけど、なぜか知らないけどこうなった。 なんでだろうね。 まあこの作品では殺したのは冤罪じゃなくなってるけど。

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