閑話②
閑話です。情報量多いかも知れませんが許してね。
①仙台でのその後 (仙台警察視点)
仙台市で起こった結婚式場での集団睡眠事件。それは世間には『なんらかのガスが結婚式場に広まり、それを吸って皆が混乱し、物を壊したりしたり自傷行為をして眠ったと報道されたが、実は全て嘘だった。
「しかし、まさか『絶望屋』がこんな死に様だなんて。思ってませんでしたよ。」
そう言った後輩に、先輩である男がタバコを吸いながら答えた。
「ああ。まったくだ。『妖術科』の皆様は、『あんな小物に費やす人員はいない』って言ってたから、俺ら警察だけでやらないといけなくなったからな。」
「あれって、、、確かロシアのマフィアたちが北海道に進出しようとして、白竜会と大規模な抗争をしてて、それに妖術科も混じって三つ巴になったんでしたっけ?」
「ああ。まあ結局はロシアのマフィアらは撤退して、白竜会と妖術科の戦いになったがな。」
そう言い先輩刑事はタバコの煙を出した。
「ですが、この事件、また違法妖術師の出現ですかね?」
「だろうな。まあだがこの血の量じゃ、『絶望屋』に勝ったとはいえ、ボロボロだったんだろうな。その程度の実力じゃあ大したことなんてないだろうから大丈夫だろう。ま、妖術科が本気で追うこともなさそうだがな。」
そう皮肉げに先輩警部は笑うが、後輩刑事は顔を暗くした。
「ですが、『絶望屋』の出血量は大したこのがなく、出したとすれば頭を叩き割られたときくらいですが、この出血量じゃ生死に関わる量です。だとしたら、『不死者』の可能性も出ませんかね、、、、所々にある妖術じゃなさそうな攻撃の跡は、『バグ』とすると解決しちゃいますが。」
「そういうことを言うな。それじゃあイギリスに目をつけられてしまう。ただでさえ日本政府が管理してた不死者を皆殺しにされたのに。 .....まあ、最悪な可能性も考えとくか。何にしろ、妖術科が一応捜査しに来るから、それに俺らは任せよう。一般人じゃあどうにもできないからな。」
そう言い先輩警部は空を見上げた。空は、彼らの心を表すように、どんよりと曇っていた。
②白竜会内での会話 (?視点)
「さて。名古屋支部を壊滅させたのはまだ見つかっておらぬのか。」
そう会長は私たちに言った。名古屋支部が壊滅してもう一ヶ月以上も経つ。なのに、まだ尻尾も掴んでなかった。いや、尻尾を掴んだ痕跡はあるが、、、
「申し訳ございません。理由はわかりませんが、なぜかこの事案に『ボンリス』も関わってるらしく。」
『ボンリス』その名を聞いたことがない裏社会の住民はいない。依頼をすると、ほとんどの確率で成功を収める怪物。そいつのせいで、尻尾を掴んでも無理やり離し、あるいは尻尾を切ることで私たちに真実を隠していた。
「ボンリスが、か。そいつが壊滅させた可能性は?」
「いえ。そもそも防犯カメラに実行犯は写ってるんで。変装した可能性は拭えませんが、、、ですがまあ何をボンリスがしたいにしろ、正面から来ることはないでしょうから。常時警戒するのが良いかと。」
そう。そもそも彼は一対一での正面衝突は弱い。幹部はともかく若中などとも負けてしまうかも知れない。だが彼の最も恐ろしいのはその潜伏能力だ。本気で潜伏したら誰にも見つけられない。そして、狙撃銃などで頭を狙い撃つ。その射撃も正確で、何人もの名高い人物を仕留めてきたのだ。そんな男が白竜会を狙ってるとなれば、過剰とはいえ防衛力を高めた方が良い。めんどくさいと言って死んだら元も子もないからだ。
「ああ。そう言うふうに進めろ。次に、、、」
そうして数時間会議が続いた。 この会を存続させるために。
明日で第三章に入ります。この作品の感想、いいと思ったところ、ここがアレだなって思ったところ、質問などもぜひしてください。 おねがいします。




