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青春サツ×論  作者: ⻆谷春那
剋宮夜王編
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青春サツ×論 剋宮夜王編 第20章

青春サツ×論


剋宮夜王編

第20章

目が覚めると、見知らぬ空間が広まっていた。


「・・・ここは、誰だ(・・)?」


俺は思わず、そう呟いていた。


これ程までにおどろおどろしく、悍ましく、怨恨に満ちた空間など、

これまでに見た事あっただろうか。


俺は辺りを見回す。

しかし、辺りに人影は一つも無い。


「・・・おかしい。」


俺は思わず、そう呟いていた。


ココ(・・)に繋がったのなら、必ずそこに、主―つまり本人の人格が存在している。

通常、すぐに見つかる距離に存在するはずだ。

どれだけ遠くとも、目視で確認出来る距離に、【本人の人格の化身】が形成される。

これは人格、ひいては魂の防衛のために形成されるものであるため、

侵入者―つまり俺の近くで形成されていなければおかしいのだ。

自身と侵入者の魂の統合を防ぎ、防波堤や境界としての役割を果たす、

本人の人格の化身―俺は便宜上「応対者」と呼んでいるは

早急に侵入者()に対して接触してくるのが通例だ。




・・・体感時間とは言え、既に目覚めてから数分間経っている。


「・・・応対者が現れない?

・・・つまり。」


既に「【応対者】の意味がなくなっている状態」になっているのだろう。

いや、その可能性が高い。

まだ確定したわけでは無い


用心深く、何か武術に心得の有る、いわゆる「隙が無い」と言われる者の【応対者】は、

罠や飛び道具を使って俺に接触してきた。




「【応対者】の意味が無い」とはつまり、

「既に魂や人格が、何者かに侵食されている」と言う場合だ。


実際、呪術や瘴気を患っている者には、応対者が現れなかった時がある。




しかし、こうして待っていても埒が明かない。


「・・・少し、探索してみるか。」


そう言って俺は、目印も人影も地形何もない、平凡な空間を、勘を頼りに歩きだした。

平凡なのに、悍ましさや怨恨が大蛇のように、自身を締め付けるように感じる空間を。

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