青春サツ×論 剋宮夜王編 第8章
青春サツ×論 剋宮夜王編 第8章
佐藤少女を苦しめる宿命とは。
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「ですから、裏帝様。
絶対に絶対に、絶対に。
術の御使用はお控え下さい。」
「・・・使用したら、どうなると?」
「・・・正直に申し上げますと、今の貴男様に、術を扱える程の力は残っていないものと、
お考え下さい。
良くて暴走、悪くて【紅姫】です。」
「・・・暴走?
俺が?」
「そうです。
貴男様の精神は、すっかり衰弱しきっておいでです。
そのような状態で扱うなど、精神衛生上、良くありません。
逆に術に飲み込まれてしまっても、可笑しくないでしょう。」
「・・・貴様でも、どうにも出来ないのか?」
「無理です。
ワタシは元々、『医者』ではありません。
専門外です。
『何故解体業者に修理を依頼するのか』
と、同じような事です。
精神の衰弱なぞ、回復させるのは、至難の業です。
・・・掛けられた術は粗方解いておきましたが、後遺症は治せませんよ?
ワタシの専門は、術を掛けたり、後遺症を起こしたり、酷くしたりする方ですから。」
青春サツ×論
剋宮夜王編
第8章
「・・・その瘴気…」
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この世界には、「瘴気」と呼ばれる概念が存在する。
基本的に、呪物や曰くつきの物体等、非生物に宿る。
だがしかし、稀に「瘴気」を扱う事が出来る者も存在する。
この世界では「呪者」と呼ぶ。
呪者の術に罹れば、基本的に生物には定着しない瘴気も、
定着してしまう。
瘴気を持つ存在を「呪われ人」と呼ばれ、
基本的に避けられ、嫌われ、差別される運命を背負う。
何故「呪われ人」はそのような事になってしまうのか。
その原因は、「瘴気」の持つ能力にある。
主に「呪い」と言われれば、瘴気を指す事が多い。
「瘴気」は主に、
・周囲の者の体調に悪影響を及ぼす
・悪霊や怨霊、怪異、魔等、質の悪いモノを引き寄せる
・(人以外の種族の場合)理性喪失の可能性
・能力阻害
・解呪阻害
等、様々なデバフ効果を持っている。
その為、呪われ人は、忌避されるのだ。
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「・・・俺には、物心付いた時から、この傷がありました。
・・・この傷は、どう手を尽くそうが、生々しいまま消えず、瘴気を放ち続けるのです…」
「・・・成程。
大体の事情は察しよう。」
「有難う御座います。
・・・俺のこの瘴気は、月日が経つにつれて、増々放出量が増えておりまして…
・・・俺に世話を焼いて下さっていた方々も、手を焼いてしまわれる程の量になり、
終いにh」
「もう良い。
・・・ここなら、瘴気程度、何の問題も無い事だから、安心しておけ。」
「そ、それはどういう」
「ここは、襲撃が多い。
何故か分かるか?」
「・・・普通の学校では扱いきれないような事情を持つ生徒、
つまり、
「何か術的発作や種族的な問題等があるか、
通常の学校には入れられないような身分の者もいるから。」
ですよね。」
「そうだ。
だからここでは、瘴気程度、何の問題にもならない。
さらに、瘴気程度、簡単に解決出来るような者は、
生徒にも教職員にも、ここなら大勢居る。」
「で、ですが、この瘴気はどうやっても消せz」
「消せない瘴気等、この世に存在しない。」
「ですが!」
「・・・少し、動くな。」
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そう言って剋宮少年は、佐藤少女に向かって手をかざす。
すると、驚くべき事に、佐藤少女の首元から漂う黒い霧のようなモノが減り、
生々しい傷が見えるようになった。
皆々様、初めまして、またはこんにちは。
⻆谷春那です。
皆々様、申し訳ありません。
救いはまだ無かったようです、ハイ。
・・・一揆ですか?
反乱ですか?
謀反ですか?
・・・救済が無いからと言って⻆谷を攻撃しようとしているそこのお前、やめて下さい。
⻆谷も心苦しいんですよ?
全く、一体誰がこんな酷い事を(特大ブーメラン)。
皆々様、次回から剋宮夜王編は、前書きと後書きが無くなります。
皆々様に、緊迫感を楽しんでいただくためです。
お付き合いできるのは、ここまでです。
皆々様の健闘を祈っています。
次回もお楽しみに。




