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青春サツ×論  作者: ⻆谷春那
剋宮夜王編
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青春サツ×論 剋宮夜王編 第6章

青春サツ×論 剋宮夜王編 第6章

剋宮少年は、過去の出来事について語りだす。

「彼の嫁」だったと言う、「姫璃」について。


過去の過ちを、懺悔するかの如く。

―――――――――――――――

遥か昔の出来事。


「・・・姫璃。

その袖には、何隠しているんだ?」

「・・・何の、事だろうか?」

「帰って直ぐで悪いんだがな。

・・・その仄かに膨らんでいる袖は、何を隠しているんだ?」

「・・・ひ、酷いですね、夜王。

帰還したばかりの嫁に対して。

俺は何も隠してなど、いない。」

「・・・俺の洞察力を舐めないで欲しい。」


そう言って姫璃の手を掴む夜王。


「・・・俺の手に触れている、この硬い物は何だ…?」

「・・・その、あの、現場で珍しい花を見つけて…

・・・「俺も、育ててみたいな」と。」

「・・・返して来い。」

「・・・ちゃんとお世話はする。」

「駄目だ。

・・・「隠していた」と言う事は、どうせ持って帰ってはいけないものか、危ない物かの二択だろう?

・・・返して来い。」


肩を落とす、銀髪の少女。

青春サツ×論 剋宮夜王編

第6章


「・・・俺には、嫁が居たんだ。

名前は、『姫璃』。」

「俺の名前と同じなんですよね。

どのような字を書くのですか?」

「『姫』に、瑠璃の『璃』と書いて、姫璃だ。」

「成程。流石に、字は違いましたか。」


意外とあっさりとした反応を返す佐藤少女。

例え同じ字であっても、淡泊な反応だっただろう。


「・・・姫璃は、俺の嫁だった。

『俺の姫璃』は、俺と違って、とても頼もしかった。

強くて、勇敢だった。」

「・・・剋宮様も、十分お強い気がしますけれども…?」

「いや、俺など、姫璃の足元にも及ばない。」

「そこまで…」


佐藤少女は、かなり驚いたような顔を見せる。


傷害事件を引き起こし、

「人間とは思えない。」

と、クラスメイトの人外達から言われている佐藤少女がここまで驚くという事は、

佐藤少女から見て、剋宮少年は中々の強者なのだろう。


「・・・俺が不甲斐なく、頼りなく、弱いから、

姫璃は俺の代わりに、度々戦場に出向いていた。」

「・・・成程。

・・・では、その『姫璃』様は、そこで…?」

「・・・いや、戦場ではない。

姫璃は、少し危なっかしい所があった。

・・・強いから、喜んで戦闘に飛び込んでいく、俺より、妖らしい側面を持っていた。」


懐かしむような遠い目で、自身の弱さを嘲るかのような、

嘲笑のような笑みを若干浮かべる剋宮少年の顔は、悲しい顔をしていた。


「・・・『姫璃』様は、何の妖だったのですか?」

「付喪神だ。

装飾品の付喪神だった。」

「・・・『姫璃』様に、一体何が?」

「・・・姫璃はあの日、帰らぬ者となってしまった。

・・・あの日、俺を庇って、俺の目の前で、帰らなくなってしまったんだ…

・・・俺を、ずっとつけていた奴が居た。

・・・そいつが遂に、攻撃してきたんだ。

・・・姫璃だけなら、避けられたはずなんだ。

・・・姫璃は、避け切れない俺を庇って、奴の攻撃に当たってしまった…

・・・それが、姫璃の最期だった。」


苦虫を潰したような顔と声で、そう語る剋宮少年。


「・・・失礼ですが、剋宮様。

その『姫璃』様は、妖なのですよね?」

「あぁ、そうだ。」

「・・・『復活』は、出来ないのですか?」

―――――――――――――――

「妖」の輪廻転生とは、人間のものとは少し変わっているのだ。

だから、「妖」なのである。




妖は死ぬと、時間は個体差があるものの、比較的早急に、

記憶を保った状態で(・・・・・・・・・)、転生可能なのだ。

ゲームのリスポーンのように、構築された(産まれた)場所等、縁が深い場所に、

五体満足の、それまでの記憶を保った状態で、「出現」するのだ。


これが、妖の「輪廻転生」である。

―――――――――――――――

「・・・無理だ。

姫璃は、俺を襲った奴に、魂を体ごと、持ち去られてしまった。」

―――――――――――――――

魂を持ち去られてしまえば、転生も不可能である。

いや、「持ち去られる」と言うより、「誰かが所持している」と言う状態が、

転生不可能にさせるのだ。

―――――――――――――――

「・・・俺もその時一度、命を落とした。

・・・だから、追えなかった。」

「・・・その、剋宮様を襲った方とは、一体…?」

「・・・すまない。

それは、話せない。

・・・少々、事情があるんだ。

・・・納得できないよな。」

「いいえ、承知致しました。

・・・俺にも、話せない事は、幾つも有ります。」

「そうなのか…」


再び、あの、気まずい沈黙が流れる。

「早く、【共通の友人】戻ってくれー!」

と、切実に思ってしまう、あの気まずさである。

―――――――――――――――

「・・・剋宮様。

剋宮様が俺を、その例の『姫璃』様と俺を間違えたのは、

『俺と例の『姫璃』様が同じ名前だったから』

『俺と『姫璃』様の容姿が酷似していたから』

『俺と『姫璃』様の声が酷似していたから』

と言う理由だけではないのですよね…?」

「・・・あぁ。

・・・姫璃の死因は、首の傷だった。

・・・貴様の傷の位置と、同じ位置にあるんだ。」

「・・・この、傷ですか…」


少し困惑したような表情を浮かべながら、首に目を向ける佐藤少女。

首元を少し手で撫でながら、相変わらずの冷たい瞳をしている佐藤少女。


「・・・剋宮様の事情は、承知致しました。

・・・ここまでお話頂けるとは正直、思っておりませんでした。」


そう言って佐藤少女は、顔を上げ、

冷たい瞳で、真っ直ぐ、剋宮少年に向き合う。


「・・・ここまでお話しいただいたなら、俺も、話さなければならないでしょう。」

「いや!貴様には話す義務など、何処にm」

「いや、ここまでお話頂いてしまったのなら、話さなければ、

逆に俺の気が晴れないのです。」

「・・・聞いても、良いのか?

・・・俺と貴様の仲は、まだ浅い。

・・・たった一日の仲だぞ?

そんな怪しい、しかもの男に、貴様の話を聞かせるなd」

「良いのです。

俺と貴男の仲は、貴男が俺の事を、勘違いで求婚…

求婚?告白?

・・・まぁ、した時から、恐らく、良くも悪くも普通の仲には戻れなくなっております。

・・・ならばせめて、お互いの秘密を露呈し、より良い関係にする方が、得策でしょう。」

皆々様、初めまして、またはこんにちは。

⻆谷春那です。


剋宮君には、裏事情が山積み過ぎるんですよね…




・・・R15にならずに、剋宮君の事情を語り尽くせるかどうかは、謎ですね…




・・・まぁ、今回は全て語り尽くさないんですけどね。

ちょっと明かされるだけですね。


・・・次回も、お楽しみに!!

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