青春サツ×論 革田教師編プロローグ
青春サツ×論
革田教師編
開幕
青春サツ×論
革田教師編
プロローグ
「・・・それじゃあお前は、本当に
「お金がなかった」
の一言で本校への襲撃の1件を片付けるつもりなのか...?」
「はい、その通りにございます。
人は生きていく上でお金が必要不可欠なのでございます。」
「それだけ…?」
「はい、その通りにございます。」
「誰かの指図とかではなく?」
「はい。私1人で計画・実行しました。」
「・・・どこぞの組織の依頼とかではなく?」
「一介の少女にそんなコネ、あるわけないではありませんか。」
「・・・じゃあ、誰の依頼でもないのなら、なぜこのようなことをしたんだ?」
「「この学校への襲撃を成功させれば、
私のことを見過ごしては置けない」、
「組織と接触ができる」、
「お金が入る」
と思いまして。」
「・・・ふざけているのか?」
「はい、私自身も
「なんでこんな馬鹿らしい計画を実行したんだろう?」
と不思議に思っております。飢えというものは恐ろしいものですね。
こんな愚行を本気で、これしかないと、
地獄に垂れた蜘蛛の糸のように感じてしまうんですから。」
「・・・何が
「飢えは恐ろしいですね...」
だ...
たったそれだけの理由で、我が校と生徒たちを危険にさらしたのか!」
想像してみてほしい。
それまで落ち着いて理性的に話していた人物が急に怒りをあらわにし、
怒声を貴方に浴びせ始めるのだ。
貴方はそのような状況では一体、どのような感情を抱くだろうか?
貴方は驚愕や恐怖の感情を覚えるかもしれない。
ましてや貴方に怒声を浴びせ始めた人物が、筋骨隆々の、高身長の、
明らかに運動をやってそうな大男なら。
そして怒声を浴びせられている人物、つまり貴方は、
色白の、少し小さめな、中学生程度の少女だとしたら。
想像してみてほしい。
もしそのような状況を見たら、貴方は同情するのではないだろうか?
その少女が大男が教師を務める学校にナイフを持って侵入し、
十数人の生徒を負傷者にしたと知らなければ。
想像してみてほしい。
目の前に何を考えているかよく分からない、
テロリストかもしれない、自身の学校を襲撃し、
自身の生徒にけがをさせた少女が目の前にいる、実は気弱な体育教師の心中を。
そしてその少女が、自身が恐怖を押し殺して、
恐怖を隠しながら放った、いや、恐怖のせいで怒声を放ったのかもしれないが、
とにかく、怒声に全くひるまず、今になって冷静に謝罪をしてくる、
そんな本当に何を考えているのかよく分からない少女の相手を
させられている体育教師、革田 はぐむの心中を。
さて、貴方はどちらの味方になりましたか?
少なくとも、革田教師の上司、この国の役人、
守国 刃はこの少女、
佐藤 ヒメリの味方なようだ。
佐藤少女の罪を、未成年であるということを盾に水に流し、
なおかつ監視のためという理由でこの学校の中等部の、
特殊クラスに編入させるようだ。
革田教師はもちろん反対したが、
守国役人の耳打ちによりなぜか大人しくなった。
皆々様、初めまして、またはこんにちは。
⻆谷春那です。
青春サツ×論、ついに開幕いたしました!
・・・水槽脳夢世界を忘れたわけではありませんよ?
水槽脳夢世界とこれと、あともう1つ別の作品で毎週水曜日投稿を回していくつもりです。
結構青春サツ×論はギャグ寄りのささ身のようなあっさりした感じの短い話にしたつもりですので、
空き時間にでもどうぞ!