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幕間 初代2
「何故、今になって初代様が‥」
「お願いですから、大人しくして下さい。」
「里の平和が‥」
雪女の里に激震が走る。
初代様の祠の揺れがおさまったかと思ったら、突然の轟音とともに祠が崩壊する。
そして‥
雪女の初代とされる女性が復活を遂げる。
里のもの達の意見は一致していた。
『なんとありがた迷惑な』
初代様が壊れた祠から歩いて近づいてくる。
ゆっくりとゆっくりと
若い雪女はそのあまりの妖力に気絶してしまう。
初代様が里の代表の前に立つ頃は数名しか意識がなかった。
正直、里の代表も息をするのすら辛い状況であった。
『お主が今の代表か?』
初代様が里の代表に話し掛ける。
クッ。
初代様の言霊で身体がふらつく。
声を聞いただけでこの有様か‥。
里の代表以外は声を聞いて気絶する。
『代表も弱くなったものよ。
戦がなくなれば、こうも弱体化するか‥。
なんと嘆かわしい。』
初代様が目に手を当てて泣き真似をする。
なんて白々しい。
里の代表は心の中で呟くのであった。




