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霧中 3 チョロい2


そういえばもう1人チョロそうなのがいたわね。そっちからにしましょう。


「貴女本当に人間?私が起こす前に覚醒してるなんて‥。」

「執事ですので‥。」

「その台詞を言えば何も説明しなくてもいいわけじゃないわよ。まぁ、いいわ。で、貴女は雪花の事、気がついてたわよね?」

明日香が目を細める。

「はい、洗脳?もしくは催眠術に近いもので様子がおかしかくなってました。」

「気がついてて、何で放置したの?」

「ご主人様に加害を加えそうになかったのと、結果後世継ぎが出来そうでしたので‥」

「あなた、イチローの為に死ねる?」

「もちろん、喜んでこの命捧げます。」

「ご主人様第一主義もここまでくると立派だわ‥」

「ありがとうございます。」ステアが頭を下げる。

「褒めてないわ!嫌味よ!!」

「それより、イチローが精神を病んでるのは分かってるの?」

「ご主人様が‥」ステアが目を見開く。

「みんなの前だから無理してたみたい。結構ギリだったけど何とか間に合ったけど‥」

「ご主人様がそんな状況なのに気が付かなかったのは、執事失格です。この失態は私の命で償います‥」

明日香がステアを殴る。

「まさか、殴るとは‥」

「私は差別はしない主義、女でも殴るわ!」

「それは男性の台詞では‥」

「とにかく死ぬのも駄目!私が言いたいのはそう言うことではなくて、イチローばかり見るのではなく、家族もちゃんと見なさい。雪花をほっとくからこんな事態を招いたのよ!わかった?」

「わかりました、奥方様。」

「お、奥方?いいわね、その呼び方!気に入ったわ。雪花は奥様って呼ぶのよね?

その使い分けがなかなか‥。」

さて、次はあの子にしましょう。


「ほら、起きなさい。」明日香が尻尾を引っ張る。

「はっ、何するんですか!止めて下さい。」ニーナが身体を捩って嫌がる。

「初めて触るけど、なかなか癖になりそうだわ。アイツは死んでも触らせてくれないから、これは貴重な体験だわ。」

「明日香様ですよね?此処は何処でしょうか?微かにみんなの匂いがします。呼吸音や心音も聞こえるので生きているようですが‥」明日香が目を見開く。

「さすが獣人だわ。瞬時にそこまでわかるなんて‥。」

「イチロー様と雪花様の心音が元に戻っています‥」

「驚いた!そこまでわかるの?凄いわ!」明日香がニーナの頭を撫でる。

「わかっていても私は何も出来ませんでした‥」ニーナの耳が垂れ下がる。

「何かしら!私の中で何かが目覚めそうになったわ。この耳と尻尾の破壊力は凄まじい。この子、恐ろしい‥。」

「貴女イチローのこと好き?行くところがないからとりあえず好きになったの?」

するとニーナが怒り気味に答える。

「そんな気持ちで好きになることはありません。イチロー様の優しさに触れて本気で好きになりました!この気持ちに嘘はありません!!」明日香の目を真っ直ぐ見つめる。

「分かったわ。これからもイチローの事、宜しくね。何かあったら私に1番に知らせてね。」

「分かりました、今後とも宜しくお願いします!」

我慢出来なくなった明日香がニーナの尻尾を飽きるまでモフルのであった。

さて、次はどう出るかしら‥。


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