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異世界 3-34 王妃選び28
「えっ、終わりなの?」
思わず璃水に確認する。
「ハイっす!」
璃水が笑顔で答える。
その瞬間、紹介してもらえなかった2匹がズッコケる。
「さすがに酷いです!」
小袖の女性が突っ込んでくる。
それにしても他の妖怪が綺麗な服なのに対してこの女性は時代劇に出てくる農民のような格好をしている。
女性のツッコミでやっと存在を認識したようだ。
「あー、来てたんすね。大妖怪様に隠れていたので気がつきませんでした。」
「ひど!たしかに目立ちませんが紹介ぐらいしてくれても‥。」
女性が涙目になっている。
「わかりました。泥田坊っす。」
泥田坊がえっ?って顔をしている。
「紹介、雑!」
泥田坊が璃水に抗議を入れる。
璃水と泥田坊が言い合いをしていると誰かが俺の服を引っ張ってきた。
誰だろうと思って引っ張られた方を向くと小柄な女性がそこにいた。
そういえばさっき大妖怪の横に居たような気がする。
それにしても何の妖怪だろうと考えていると小柄な女性が洗い桶に小豆を出してかき混ぜだした。
「あっ、小豆洗いだ!」
正解だったようで小豆洗いが嬉しそうに微笑んだ。




