異世界 3-32 王妃選び26
「散々待たせやがって!」
百目鬼と書かれたツノのある三つ目の女性が怒っている。
「本当ですよ。」
玉藻の前と書かれた狐耳の美女が静かに怒っている。
この2人は以前、召喚用タブレットから呼び出すよう催促してきた。その時は考えておくと誤魔化したのだが‥。
「妖怪で一番強い奴を決めるんだろ?もちろん参加させろよ!」
百目鬼さんが楽しそうだ。
うーん、たしかに妖怪の代表を決めるんだけど何か微妙に認識がちがうんだよなぁ‥。
「貴女達は馬鹿ですか?参加資格はイチローの妻だけよ。」
明日香が煽る。
「でしたら勝ったら嫁になれるはどうですか?」
狐さんが妥協案を提示する。
「馬鹿なの?嫁しか参加出来ないの!」
緋莉まで煽りだす。
「だったら嫁になってやるよ!」
「私も妻になります!」
鬼と狐が勝手に嫁になる宣言をする。
「俺の意見は?」
もちろん誰も答えてくれるものはいなかった。
それから数分後、巨大な光の柱が現れた。
ん?いつもよりデカない??
光がおさまるとそこには見知った鬼と狐以外に、高下駄の女性、大きな傘を持った女性、小袖の女性、洗い桶をもった女性、ツノが2本ある女性、身体の周りに骸骨のある女性達が立っていた。
「ちょっと出てくるの多くない!」
俺のツッコミが虚しく響くのであった。




