異世界 1-103 真相
今回の家族会議は思ったより早く終わってよかったが、何となく腑に落ちない点がある。たしかに気持ちの問題も少なからずあると思うが、俺に身体的に問題がないのであれば女性側に何かあるのでは?と思ってしまう。
「で、本当はどうなんですか?神様」
『気持ちの問題では?』
「絶対嘘ですよね?子供が出来ないように操作してませんか?」
『‥‥‥』
「否定しないってことは肯定と取りますよ。でもだったら何で妖怪は良かったのか‥。やはり、この世界の住人との間にできた子に何か問題があるのか‥。」
『‥‥‥』
「まさか、子供も使徒になるとか?それで使徒が増えすぎると困るとか?いや、それは流石にないか‥。」
『わかったのじゃ‥。お前さんには本当の事を話そう。まぁ、大した事ではないのじゃが、この世界の住人とお前さんとの子供の中に、ごく稀に邪神が出来る事があるんじゃ。妖怪との間には出来んから安心してくれ。』
「??この世界には魔王とか邪神はいないと聞いてましたが‥。」
『ん?あの時点では魔王も邪神もおらんかったぞ。じゃからワシは嘘は言っておらん。』
んー、邪神とか聞きたくないキーワードだよ。絶対にスローライフがおくれなくなるじゃん!!
「神様、お願いします!邪神は勘弁して下さい。」
『そう言われても‥。』
「流石に妖怪以外の子達に子供が出来ないのは可哀想です。何でもしますから何として下さい!!」
『本当に何でもするのか?』
「もちろんです!でも何かするなら俺だけにして下さいね。」
『それは約束するのじゃ。最後に確認じゃが、本当に何でもするんじゃな?』
「はい!」
『言質をとったぞ。後で文句は受け付けん!では、始める!!』
神様の言葉を聞くと俺は意識を失ってしまった。
「イチ!イチ、起きて!!」
俺は緋莉に揺さぶられて起こされたようだ。
「あれ?俺、寝てた?」
「挨拶に行くって言った後にいきなり倒れた。」
神様が何かしたのか‥。
さて今回は何をされたのかなぁ。
視力も聴力もあるし、自分でみた限りは身体に欠損はなさそうだしなぁ。
「緋莉、俺の外見変わってない?」
すると緋莉が俺を見て、目を見開き驚いている。
緋莉がここまで驚くのは初めてみる。
何だろう、髪の色とかじゃないだろうし、まさか禿げてないよね?
思わず髪の毛の存在を確認する。
「で、外見の何が変わったの?」
「が、外見はかわってない。」
「ん?じゃー何でそんなに驚いてるの??」
「イチ、使徒じゃなくなってる!!」
「あっ、そうなの?もしかして普通の人に戻ったとか?それだったら嬉しいなぁ。何だ、神様が驚かせるから心配したよ。」
「残念、普通の人じゃない。」
「えっ?人じゃないの?」
何だろう、とてつもなく嫌な予感がする。
聞くのが怖い!!
でも、聞かないと話が進まないし‥。
「な、何になってるの?緋莉さん。」
「神になっております。イチロー様。」
そう言って緋莉が深々と頭を下げる。
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