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異世界 1-99 挨拶4


鏡の中を渡るのは三度目だが、やはりゾワってする感じはなくならない。そろそろ慣れてもいいだろうと思いながらアメリアの部屋に出る。


カタリーナの部屋がピンクのフリルで少女って感じだったのに対して、アメリアの部屋は物凄く質素だった。

嫌、ビジネスホテル並みに何も置いてない。これがお姫様の部屋なのか‥。


「アメリアは苦労してるんだね」


思わずアメリアの頭を撫でてしまう。

アメリアも最初は驚いた顔をしていたが段々と気持ち良さうな表情に変わっていった。


「イチロー様は何か勘違いされていませんか?私は贅沢な暮らしが嫌いなだけです。エルフのもともと自然の中で質素な暮らしをしていたのです。必要以上に着飾るのは好きではありません。」


俺の中でアメリアの株が一気に上がった。

うん、この子は良い子だ。

絶対に不幸にしては駄目だ!

今回に限り、積極的に動こうと決意を固めた。


「では、アメリアのお父さんに合わせて」

「はい、私の後に続いて下さい」


俺たち五人は、アメリアの部屋を後にした。




「使徒様、いきなりの訪問で驚きましたよ。一応私も王をしていますので次からはアポイントをとって下さい。」


エルフの王が笑顔で軽く抗議を入れながら迎えてくれた。


それにしてもなんて綺麗なんだ。

女性に見間違いそうな顔と華奢な体。

漫画などに出てくるキャラより何十倍と綺麗だ。

ただ笑っているけど本心ではないのが何となくわかる。

予想通り、かなりの曲者なんだろうなぁ。


「急に押しかけてしまい、大変申し訳ございません。火急の要がありましたので‥」


俺は頭を下げて謝罪する。


「それで!火急の要とは何でしょう?」


エルフの王が問うてくる。


さて、何て答えよう。

①お手つきにしたので嫁にくれ

②気に入ったので嫁にくれ

③とにかく嫁にくれ


アメリアを狙っている奴もいるからなぁ。

強引にいきたいけど、ここは本音でぶつかってみるか。

イチローが答えようとするとアメリアが口を開く。


「お父様、私は使徒様のお手つきになりました。」


さすがに冷静沈着なエルフの王が目を見開き驚く。


いや、言い方!

その言い方だと無理やりって感じがするよね?

下手したら殺されるとかないよね?


数分固まっていたエルフの王が言葉を紡ぐ。


「使徒様、詳しい話を聞かせて下さい。」


相変わらず笑顔だが、目が笑ってないのでかなり怒ってる感じだ。

そもそも俺を籠絡する為に送り込んだはずなのに‥。

さて、困ったぞ。

下手に否定するとアメリアが嘘を言ったことになるし‥。


「私にはその人の未来までわかる力があります。その力でアメリアをみたところ、どこぞの貴族が狙っていて、嘘の婚約者を立てたりして最終的にその貴族の妻になり不幸になる未来が見えました。お手つきにしたのは嘘ですが、何とかアメリアのその貴族との結婚を阻止して貰えないですか?」


エルフの王が困惑の表情をうかべていた。


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