表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

未知

 冒険者のアカシャとララリアは非常に優秀な冒険者らしく、大森林を迷いなく進んだ。しかしノーランド大森林はその名の通りの広大な大森林だったようで、森を抜けたのは彼女らと出会ってから二日後となった。


「あんたさ、森を歩いたってのになんで全く服が汚れないわけ?」


「それは俺が知りたい」


 道中、二人がどうやって自分のスキルを使っているのか聞いていたのだが…………聞いているうちになんか使えるようになった。彼女らもスキルとは"そういうもの"という認識らしく、多くは効果を意識すれば使えるそうだ。

 

 つまりは"なに"が起こるかわからないスキルは、効果を意識できないので発動させることが難しいということか。

 

 ゲームではスキルは一部を除いて、事前設定したトリガーによって発動していた。大抵は声や動きに連動か、一定の条件で自動的に発動するものが多かった。そのため、スキルを使っている実感が薄い。試しに自分のステータス対して<鑑定>を使ったところ、ステータスを確認する。

 

 ちなみにステータスだが――


 ――――

 名前:クダン・ローラン

 レベル:測定不能

 種族:魔人

 所属:ギルド「黒き御旗」

 称号:武芸百般、超越者……etc

 職業:戦士、魔法師、ダンジョン王、魔神……etc

 スキル:HP自動回復<大>、MP自動回復<極>、無詠唱、空腹無効……etc

 ――――

 

 ――とこんな感じだった。レベルだけ何故か測定不能だが、それ以外は普通に確認できる。表示はゲームと同じようにウィンドウが現れる仕組みのようで、ステータスの表示もゲームと全く同じようになっている。ただスキルの項目に触れても説明が表示されなかったので、微妙な気分になった。


 いつもゲームで使いづらいと思ってたけど…………ここに来て劣化すんのかよ。


 さらに言えば、まだ全てに目を通してはないが、軽くと見ただけでもゲームになかった職業とスキルが無数にある。

 恐らくは服が汚れない原因になっているスキルも存在するはずなのだ。

 しかしながら、その"名前"の"スキル"を持っていることだけしかわからない。


「スキルの効果を調べる方法はあるのか」

「ある。<上級鑑定>があれば、スキルの名前と効果が調べられる」


 なるほど。スキル名からすると<鑑定>の上位互換のようだが、ゲームにはなかったな。

 

「スキルの効果を知るには、<上級鑑定>が使える者に頼むしかないと」

「本当の効果を知りたければそう。でも、みんな"なんとなく"で使ってる」


 詳しく聞けば、<上級鑑定>はそれなりに金が掛かるらしく、それなら普通は同じスキルを持っている者に教えを乞うのが早い。冒険者が特定のスキルの使い方の伝授を依頼されることもあるようだ。

 ララリアも自身も<鑑定>が使えるようで、不明物を鑑定する依頼を受けたりするらしい。


「冒険者とは、なんでも屋なのか」

「なんでも屋ってあんたね……確かにギルドには色々な依頼があるわ。ゴミ拾いとかね」


 その依頼、誰も受けねぇだろ。




 森を抜けてから数日、街道を歩き始めてさらに一日。関所を抜けてしばらく歩くと、高い壁に囲まれたアイラーム王国の王都に到着した。

 そして現在――――王都の入口で無数の兵士に取り込まれていた。

「…………どうしてこうなるんだ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ