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記憶
火で燃え盛る村の中に、俺はいた
子どもだった俺は、逃げる考えも浮かばず絶望でしかなかった
怖くて泣いても、目から飛び出してくる涙は火の熱でかわいていき、顔もすすまみれ
そんな中、目の前から兵士がこっちに向かってきた
あ・・助けに来てくれた・・・でも、服装がいつもと違うような。
次のとたん、その兵士は腰につけていた剣を抜き
「ガキでもいいからここにいる村のやつらは全員殺せ!」
他国の・・・兵士だ
俺は怖くてその場におおいかぶさり、石のようになってしまった。
「殺される」
そして鈍い音とともに、苦しい声と滴る音がし、足音が聞こえなくなった。
あれ、どうして・・・
前を見ると、一人の兵士が俺をかばうように立っていた。
「大丈夫か?ボウズ」