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神義論

空に向かって中指を立ててみる

見上げると雲すらない

カラスが優雅に飛んでいて

真昼の月が見下して俺を笑う


お前はそこにいるのか?




爆発

すげぇパワーが弾けて創られた世界

なんだかんだで生まれた俺達

これを奇跡っていうのか?


馬鹿なだけだろ?

馬鹿過ぎて分からねぇから

奇跡とか

そんな言葉で片付ける


有り得ない確率なんだから

誰かが意識的に為したって考えた方がよっぽど自然じゃないか?

誰か?

それが神様か


神様ってどんな奴?

どんな姿で

どんな性格で

どんな髪型?

肌の色は?

そもそも人間みたいなナリしてんのか?

いや

それは間違いねーだろ

そうじゃなきゃ

こんなにも俺達を優遇してくれるはずがない


そんな俺達の中にもランキングは存在して

すげぇ寵愛を受ける奴もいれば

そうじゃない奴もいる

その基準て何?

それが分からねぇ

心からの信仰を続けても

時にはバッサリいかれちまうし

逆に悪を極めても

胸に抱かれる事がある

前世がどうとかくだらねぇ事言うなよ

それは逃げ道にすぎないから



女がいれば男もいて

昼があれば夜もあって

光があれが影もあって

きっと

神様がいれば悪魔もいるんだ


俺達が知らねぇ所で

戦ってるんじゃないか?

だけど

だとしたら人間って何?

幸せになるか

不幸になるか

誰が選ばれるのか

結局は運なのか

神様次第

悪魔次第

俺達からすれば

つまり運だろ?



人殺しの老人がベッドで眠る

適当に生きてきた俺がうまい飯を食らう

真面目に生きてきた誰かが昨日殺された

ゴミ捨て場の赤ん坊


神様がいるとしたら

やっぱ狂ってるよ

神様がいるとしたら

きっと有り得ない



空に向かって中指を立ててみる

見上げると雲すらない

カラスが優雅に飛んでいて

真昼の月が見下して俺を笑う


お前はそこにいるのか?


いないんじゃないか?

いたとしても

ただのガキか

怠惰なデブか

ひたすら忙しいのか



目を閉じると

途端に広がる暗闇

そこには何もない

夢も

希望も

愛も

神も


世界の隅っこで

今も繰り広げられる絶望

神様にすべてを捧げられる奴がいたら

そこに行ってみろよ

俺はごめんだね

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