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天翔の逢翼  作者: Nacht
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第四話:食ッキング・パニック!

‐ある程度、自己修復が終わった機体から、地下の格納庫に収容され、チェックを受けた。


「貴様か、模擬戦の勝者は。」


突然、翔は後ろから声をかけられた。


「あんたは誰だよ。」


「人に聞く前にまず自分から名乗るべきだろう?真壁翔。」


「…知っての通りだ、俺は真壁翔。あらためてあんたは誰だよ?」


「私の名は、(とどろき)政隆(まさたか)刀撃神(とうげきじん)のパイロットでこの部隊のリーダーに任命された。」


「あんた、さっきの模擬戦の号令をかけていた人か?」


「ああそうだ。本々は軍でパイロットをしていた。お前は特に動きが荒い、一から基礎のやり直しだ。勝ったからといっていい気になるなよ。それとも、手加減でもしてたか?」


「言ってくれるじゃん、そこまで言うなら俺と勝負しろよ。」


「話の後でな。」


「待て!逃げるのか?」


「すぐに分かる。」


「?」



‐パイロットが一通り集まったところで政隆が始めた。


「貴様ら今日はご苦労だった。私はこの部隊のリーダーの轟政隆だ。諸君らの入隊を歓迎する。ここに来た以上もう後戻りは許されない。総員死ぬな!今日は解散!明日から訓練を始める。私に挑戦したい奴は明日までに私の元に来い!明日の訓練で相手をしてやろう。ここは、実力社会だ。私に勝ったならリーダーになれるぞ。」


「おいおい、本気かよ…。」


「後は各々で自己紹介をしろ、解散!」


ざわざわ


「大、お前はどうする?」


「リーダーに興味は無いが、あの男はなかなかの強者と見た。」


「じゃあ行こうぜ。」


「ちょっと待って。」


「?」


不意に翔は後ろから声をかけられた。


「またかよ、今度は誰?」


振り向くとローブを着た男女が居た。


「何の用だい魔法使いさん?」


「戦った相手には挨拶するのは礼儀だと思ったので。と言うよりも、ただの興味ですね。あんな無茶な戦い方をする人は一体どんな方なのかって言う。」


「もしかして、あの色物二体に乗ってた奴らか?」


「色物とは失礼ね!けっこう気にいってるんだから。そんなことより自己紹介。私は(ひかり)優香(ゆうか)こっちは双子の弟の優太(ゆうた)。よろしくね、二人とも。」


「真壁翔だ、よろしく。」


「俺は武松大地だ、よろしく頼む。ところで服装からして君達は」


「はい、僕たちは西日本魔術学校の生徒です。」


魔術、旧暦ではそれはただの夢物語であった。しかし、今では、理論の確立により、才能にも寄るが、訓練次第では誰でも直ぐに使えるようになっている。


「へぇ、やっぱり。遠いけど学校はどうするんだい?」


日本は様々な方面に魔法を取り入れているため、こうした人材の教育を系統で分け、東西の二カ所にまとめた。主に、西は、音声媒体魔術、東は、物質媒体魔術を学ぶことが出来る。


「大、その辺は心配ないぜ、ここならリアルタイムで学校と繋がっていたから。」


「凄いな。何で知ってる?」


「使ったことがあるから…さ。」


翔は遠い目で言った。


「?」


「僕たちは必要な単位は取っているので後は卒業するだけなんです。でも、こう見えても、僕たち高校二年なんですよ。」


「同い年かよ!」


優香はわかるが、優太はどう見ても中学生だ。


「そうだ、お前達の機体って何て言う名前なんだ?ちなみに俺のはゴーバトラー、AIはアルコート。」


大が答えた。


「俺のは、撃銃夫(げきがんふー)、AIは掌撃王(しょうげきおう)。」


「私のはフェアリス、優太のは確か…。」


「ボスタヌフだよ、優香。」


「AIは?」


と大地


「多分搭載されてないよ。」


と優太


「武器とかどうするんだ?」


今度は翔


「あの機体は私たちの魔術を増幅させるみたいなの。」


「へぇ。」


「なあ、そろそろ、あいつの所に行かないか?」


「何処?」


『挑戦状をたたき付けてくるのさ。』


ハモった。



‐「遅かったな、真壁。」


「ちょっとね。」


「年上には敬語を使うべきだろう?……お前達もリーダーになりたいのか?」


翔が反論する。


「あんな事言われて黙ってられなかったけだ。」


大地は、


「俺は興味本位かな。あれだけ大口を叩ける実力がどんなものか気になってね。」


「面白い。お前達受けてたとう。」


「了解!」


「行ってよし。」



‐翔と大地は自分の部屋を探していた。


「俺と相部屋だな、大。」


「優太も居るらしいな。」


「旅行みたいだ。」


「確かに。合宿って言ってもやっぱりな。」


プシュー


部屋に着いたところで、ちょうど入室していた優太が出て来て話しかけてきた。


「翔さん、大地さん。凄いですね。この部屋。女の子と相部屋ですよ。」


「そうだっけ、大?」


「いや、さっき部屋割を見たときは俺達三人だけだった。」


「はずだよな?」


二人は首をひねる。


「でもさっきの顔合わせにはいない人達でしたよ。」


首を傾げる三人に向けて、部屋から声がした。


「翔、いるの?」


「翔様、いるなら早く入って来てください。」


「……翔、お前の関係者か?」


「はぁ……片方はお前も知ってるぜ。」


改めて入室する。


「遅かったね、翔。ってあなたもしかして大地君?」


「……なぁ、翔。お前嫁さんここに連れて来たらまずいだろ。」


「だから嫁じゃねぇ!」


「ええー!翔さんのお嫁さん!?」


「違いますわ。翔様は私と結婚する方です。」


「何だ翔もう乗り換えたのか?」


「ええい、お前ら人の話を聞けー!」


むなしく絶叫が響き渡った。



‐とりあえず、二人を帰らせた後説明した。


「俺がいない間に面白いことになってたんだな。やるじゃないか翔!逆玉だな。」


「何だ、本当に結婚しているわけではないのですね。でも二人とも綺麗な方でしたね。」


「もー嫌だ。何でこんな風になったんだ。」


翔は呻いた。



‐翌日は全国的に晴れ


「09:30より訓練を始める。皆昨日支給されたジャージを着るように。」


「腕がなるぜ。」


「焦るなよ、翔。」


だが、期待に反して、最初の訓練は走り込みだった。


はぁはぁ、ぜぇぜぇ。


屍の山だった。


「貴様らだらし無いぞ!」


政隆が怒っている。


「何で隊長だけ、あんなに走っても息一つ乱してないんだ。」


さすがに翔も大地も息絶え絶えだった。


「もう十二時か。貴様ら食事の時間だ。」


「食べれる?」


「無理。」


そういった会話がちらほら聞こえる。


「翔!じゃんじゃん食べてね。」


「翔様、私も作ったのですよ。」


「げっ!」


蘇る過去の惨劇。苦情を言おうとすぐさま翔は小九郎を探した。探すのには時間はかからなかった、調理場の入口で変わり果てていたのがすぐに見えたからだ。


「こ、小九郎〜。」


「翔、食べないなら、」


「僕たちがお嬢様の料理を頂きますね。」


「おまっ!やめっ。」


パクリ


「むぐっ!」


「うっ…くっ……。」


どさっ、


「おい、お前ら!誰か、医療室に連絡を。って。」


翔が振り向くと再び屍の山だった。


「一体何事だ?」


政隆がやってきた。さすがに驚きの色を隠せていない。


「皆、時羽の料理を食べたんですよ。あなたもどうです?」


翔が挑発的に笑う。


「……面白い。頂こう。」


パクリ


「ふむ、火が通ってないな。甘いうえ、焦げている。」


政隆が踵を返す。


「おいっ、どこへ行く。」


「……人を呼んでくる。」


政隆は部屋を出た。そして、救護室に連絡したところで力尽きた。


……滝のように大汗をかいていたらしい。


午後の訓練は中止になったのは言うまでも無い。



‐翌日、


「昨日は酷い目にあった。」


「今日こそあいつを倒ーす。」


訓練が始まった。


「今日から中隊単位で訓練だ。」


翔達の中隊は、大地と優香、優太だけだった。


「俺達って中隊と言うよりも小隊だよな?」


「他は6、7人はいるな。」


先頭には刀撃神と思われる機体があった。


「あー、訓練の前に、この前私に申し出た者かかってこい。何人掛かりでも構わんぞ。」


「よっしやー。」


「リーダーの座は頂きだ。」


中隊が一つ動いた。予め政隆がまとめていたらしい。後ろから四人が弾幕を張り、二人が接近戦を仕掛けた。


「ほう、即席にしては見事なコンビネーションだが甘い。」


全ての攻撃を難無く避ける刀撃神。おもむろに手刀を繰り出す。


「わっ!」


直前でグーにかわった腕に殴られ、一機が沈黙した。


「そこ!」


刀撃神の肩が展開し、ビームを発射した。後衛の四機は敢え無く敗退。最後に回し蹴りで残った一機を仕留めた。


「六人掛かりで情けないな。おまえ達は後で私のところに来い。」


「ほぇー。あいつ口だけじゃなかったんだ。」


「真壁、掛かってこないのか?」


「いや、俺が先だ。」


撃銃夫が前に出た。今回はビームピストルを持っている。


「武松、私を楽しませてみろ!」


「了解。奥義!龍王覇山脚!トァー!」


「むっ!抜刀術一の型、飛燕斬!」


ガキィン!


「おいおい、刀一本で止めれるスピードじゃなかったぞ。」


「くそ!翔のやつも一撃で仕留めた技を。」


ビームピストルで牽制しながら大地は悪態をついた。


「いい技だ。だが見切れんわけでは無い。」


「言ってくれますね。なら、これでどうだ。白虎牙連撃!」


「ふっ!」


連続蹴りも難無くかわしていく。


「このっ!」


撃銃夫が足払いをかける。


「てりゃあぁ!」


撃銃夫の追撃の蹴りが完全に入ったと思った次の瞬間、周囲にどよめきが走った。


「消えた!?」


気がつくと、向こうの山で一際大きい煙が起こっており、その中で撃銃夫が地面に埋まっていた。


「第一の太刀、電光石火。まあ、みね打ちだがな。さあ真壁、残るはお前だけだ。掛かってこい。」


「よぉし、アル。高周波ブレード、スタンバイ。」


「ラジャー。」


ゴーバトラーが構える。


「行くぞ、真壁。」


「くっ!やってやる!」


フルブーストで接近し、切りかかる。


「太刀筋が甘い!だから弾かれる。」


ゴーバトラーの手からブレードが弾き落とされた。


「そんな。……なんてな。ビームガン!」


弾かれたのとは逆の腕からビームを放つ。


「ぐっ!わざとだと、小癪な。」


「ビームソード、オン。」


「ラジャー。」


「食らえ!」


ゴーバトラーが連撃をかける。


「ちっ、奴を侮っていたようだな。」


「次で決めるぞ!アル、もう一度、高周波ブレードだ。」


「ラジャー。」


「縦!一文字切り!」


「そうはさせん!第二の太刀、鎌鼬(かまいたち)。」


巨大化した剣、斬城刀から繰り出された真空波が全てを吹き飛ばした。


「うわあぁぁっ。」



‐衝撃で気を失った翔(と大地)が目を覚ました時はもう夕方だった。


「……くそっ、俺は、……情けねぇ。」


「完膚無きまでにやられたな、翔。」


「くそっ……悔しいな。」


「……俺もまだまだ修業不足だったな。互いに技にもっと磨きをかけないとな。」


政隆が部屋に入って来た。


「お前たち大丈夫か?……すまない。おまえ等は本気で掛からないと危険だと判断した。だから手加減は出来なかった。」


「隊長、謝らないでください。俺達はあなたに挑んで敗れた。ただそれだけです。」


突然、大地が口を開いた。


「なあ、翔。何か変な臭いがしないか?」


「くかー。」


「おい。」


ガチャ。


「翔様、ご飯ですわよ。あら、寝ていらっしゃる。では、大地さん、こちらをどうぞこの前は生焼けでしたので今回はしっかりと焼きました。」


「げっ。」


「よろしければ、と言いますか、ぜひ政隆さんもどうぞ。」


皿に盛っているのは、五割以上が真っ黒の何かだった。前回のに比べ、視覚的にも何か嫌なものを訴えてくる。


『翔、覚えてろよ。』


翔に軽い殺意を抱きながら、二人は炭(のような物)を口にした。


「ぐふっ!?わ、わざとな……んじゃ……ないの…か……?」


正隆が悶絶する。


「でも……これ、翔に…も…た、食べさせ…る気だっ…たんじゃ。翔、起き…てるな…らおまえも…。って…あ…れ?」


翔は既に口にしていた。その横には瞳を潤ませたの時羽がいた。悲しい漢の性である。


「うぐっ!苦いっ!…何だか気が…遠く…。あれ、御祖父様…何故…此処に?…がくっ。」


三人の漢が逝った。



その後、時羽は勇一郎からまず自分で試食することと直々に注意されたことはまあ当然の話である。ちなみに、今、時羽は二日に一回は医務室に運ばれている。



主人公不在のまま続く。(嘘)


久しぶりです。昔書いていたストックも後一つになりました。加筆作業ももうすぐ終わるので次はもっと早くアップできると思います。ですから次も読んでいただけるとうれしい限りです。

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