第三話:運命の再会
―北条家の敷地に入った翔達を待っていたのは、いきなりの模擬戦だった。
『これより模擬戦を行う。実弾だから下手すると死ぬぞ。』
「なんだそりゃ!しゃれになってねーぞ。」
「主、準備を。」
「はぁ、この状況に慣れていくのが自分でもわかるな。でもいいのか、実弾で大事な機体が壊れても。」
「我々は自己修復機能を持っているはずです。ですから、ある程度は大丈夫です。」
『状況、開始!』
ゴーバトラーがトレーラーから降りた。もう、戦闘しているのか、各地で爆音が聞こえてくる。
「速いな…。」
その時、アラームが響いた。
「後方から敵機接近!」
翔は振り向きながらビームガンを放った、しかし、その光弾は相手の前で弾けた。
「なっ!て言うかでか!」
「およそ二倍のサイズですね。敵機の周りにアンチ・ビーム・フィールドを確認。」
「どうする?」
「前回使った高周波ブレードを使用すればよろしいかと。」
「分かった、高周波ブレード!」
「…何故叫ぶのですか?」
「いやなんとなく」
そんなこんなで、ゴーバトラーの左手から高周波ブレードが出てきた。
「必殺!縦一文字切り!」
敵機もマシンガンを撃ったがゴーバトラーは構わず突撃した。
「被弾!被弾!避けてください!」
「多少の被弾は承知の上だ!」
弾丸の雨を受けながらゴーバトラーは敵機を切り倒した。
「どうだ、やったぜ!」
「もっと機体を大事にしてください!」
「分かったよ…おぉぉっ!?」
ゴーバトラーが突然、緊急回避をした。しかし、ビームが左肩を貫く。
「左肩部被弾!左腕部動力系統機能停止。応急修理開始します。…信じられません。レーダー範囲外からの攻撃です!」
「何!」
2000?程後方の山の方から敵は撃ってきたらしい。その姿は見えないが、位置は確認できた。それがまた別の敵を狙撃したからだ。戦いを宣言した男がいった。
『残りは五機だ。』
「左腕部応急処置完了。再起動確認。稼働率は57%にダウン。」
「一気に近づくぞ。撃たれる前にいってやる。」
ブーストを吹かせる。だが、
「ギガファイヤー!」
「くそ!またかっ。」
どう見ても学ランを着ているようにしか見えない奇妙な機体が襲ってきた。
「これを避けるとは…なかなかやるな。だが…。」
「凍てつく氷槍!」
今度はセーラー服を着たような機体が襲ってきた。
「ぐっ、新手か!」
「私たち二人の攻撃はかわせるかしら?」
「アル!他に武器は?」
「実体弾のショットガンがあります。」
「じゃあそれで!」
「了解。」
どこからともなくショットガンが現れる。ゴーバトラーはそれを女性型の機体の方に撃ち込む。
「きゃ!あなたどこからそんな武器を出したのよ!」
「いや、俺もよく解らん。」
「こうなったら、優香!いくよ。」
「いいわよ、優太!」
『ツインマジカルコンビネーション!!』
光の槍、火球、氷槍、衝撃波、真空刃、その他諸々が惜し気もなく放たれる。
「くっ…すごい火力だ。でも!」
「反応が消えないだと…?避けられているのか?」
「いや、違うわ、食らいながら突っ込んで来てる!なんで盾なんか持ってるのよ!」
「最初からこれ出しとけばよかった…。いくぜ!ビームダガー!」
「くっ…。」
男性型が足を切られ、その場で倒れてしまう。
「続いて!高周波ブレード!」
「ちょっと!優太、大丈夫?って、きゃあぁっ!?」
「そして!縦一文字切り!」
ブレードの腹で叩いただけだが、敵機は派手に飛んでいった。
「悪いな。俺の勝ちだ。」
また、アナウンスが入った。
『残りは二機だ!』
敵の位置さえ分かれば回避は以外と簡単だった。ゴーバトラーは高周波ブレードを構えて敵と対峙する、敵は長距離射撃用のスナイパーライフルを持っていた。
「アル、一気に仕留めるぞ!」
「了解。」
切り掛かるゴーバトラー、しかし振り降ろした剣は根本から折れていた。
「なっ!!」
「あの構えは…まさか…」
ライフルを捨て、武術の構えをした敵の後ろに一瞬、虎のオーラが見える。そして、敵が飛び込んで来くる。翔はそれを何とか回避し、折れた剣で腹部にカウンターを叩き込んだ。
「!!」
今のには敵も驚いたらしい。構えを変えて対峙してきた。
しかし今度は上空からビームが降ってきた。
『そこの二人、気をつけろ衛星軌道からの砲撃だ。』
「へ!?」
「この前の奴らでしょう。前回と同じ艦と思われますが、こちらからは手の打ち用がありません。」
隣ではライフルを持って、さっきの奴が反撃をしていた。しかし効果は薄いらしくビームが相変わらず降り続いた。そしてついにビームがそのライフルを撃ち抜く。
「あぁ…完全に万事休すですね。諦めましょう。短い間でしたがお世話になりました。」
「AIのくせに諦めが早いぞ!俺は諦めない、絶対に諦めるもんか。」
そういってビームガンを連射するがやはり効果はない。しかし…
「負けてたまるかー!」
そんな翔の声に反応したかのようにコンソールが光り出し、ゴーバトラーに変化が起こりはじめる。
「うわっ眩しい!何が起きてるんだ?」
「!?こ、これは。」
突如ゴーバトラーの胸部が展開され巨大な砲身が現れた。
「主!これなら行けます!」
「よっしや!なんだかわからんが、食らえ!」
胸部から放たれたエネルギーの奔流が宇宙に消えその後小さな光が見えた。
『サテライトが敵の後退を確認した。貴様らよくやった。』
「よし。後は…アル、相手に通信してくれ。話がしたいと。」
「了解。…返ってきました。承けてくれるようです。」
機体を降りてみると相手はもう待っていた。
「やっぱり、おまえだったか。大。」
「ああ。翔、お前も元気そうだな。」
「あの四神拳の構えを見た時まさかとは思ったがな。」
「こっちもまさか奥義を避けて一撃入れられるとは思わなかったさ。」
「まぁ、知らなきゃこっちがやられてた。」
「ついでだ、決着でも付けないか?」
「いいぜ。アル!」
「了解です。主!」
「やるぞ!掌撃王!」
「御意!師匠!」
アルが聞いてきた。
「武器は?」
「要らん!素手だ!」
「了解!素手をセレクト!ってはい!?」
「壊れても直るだろ?」
「限度があります!」
「もう遅い!」
そんなノリで始まった殴り合いは、果てしなく続いた。
「奥義!朱雀重落脚!」
「何の!まだまだぁ!」
「主!もう危険です。」
「師匠!もう関節が持ちません!」
二人は声を揃えた。
『これでとどめだぁ!』
拳と拳がぶつかり合って大きな衝撃が起こる。その後に立っていたのは、ゴーバトラーだった。
『そこまでだ。これで模擬戦を終了する。』
「負けたぁ…。今回は完敗だ。」
「よく言うぜ、こっちもぼろぼろだ。…ともあれ、またよろしくな、大!」
「ああ、よろしく!俺達二人ならなんでも出来るさ!」
まだ昼のはずだが、何故か夕日が硬く握手する二人を照らしていた。
―その頃、衛星軌道上では、ロームが、驚いていた。
「何だったのだあの武装は!?設計図にはあんな物載っていなかった。地球で改修されたのか?…それともあれがOTZシステムの力なのか。…と言うか、俺達が死んだら元も子も無い。もっと慎重に進めるべきだな。開発部に連絡しろ!こっちが死ぬ前になんとしても聞き出せ。」
続く
読んでいただきありがとうございました。まだ次の話は書き始めていませんが、昔書いてあった原作はもう二話ほどあるので今月中には両方書き上げたいと思っているので、投稿したことに気付いた人はまた見てください。