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天翔の逢翼  作者: Nacht
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第二十六話:思いの在り処

優太:タイトルコールとかすごい久しぶりな感じだね。


ローム:今日は抜け駆けなしだ。


大地:おぅ、わかった。


優太:いくよ、せーの!


三人:天翔の逢翼はーじまーるよー!



ローム:・・・この言い方は、少し照れるな。

―朝が来た。


ミルファーナはベッドから起き上がり思いっ切り伸びをする。


「んー……。いい天気。」


カーテンの隙間から入る朝の日差しが、晴天であることを教えてくれている。


「今日は絶好の行楽日和ですね。」


正直、昨日の晩はワクワクして中々眠ることが出来なかった。よく時間通りに起きることが出来たと、自分で自分を褒めてみる。


洗面所に向かい、顔を洗う。そして寝癖が無いかチェック。幸い致命的な寝癖は付いてないようだ。


「おはようございます、翔様。いつにも増して早起きですね……。私の仕事残ってますか?」


「おはようございます、テスラさん。今日は特別ですからね。んー……じゃあ、そっちの仕上げお願いしていいですか?」


「はい、任されました。」


台所の辺りから楽しそうな声が聞こえる。


「ふふっ。さて、支度支度っ♪」


服は前日に決めていたので、着替え、持ち物の確認は手早く終わらせる。


「完璧ですっ♪」


鏡を見て全体をチェック。何となく、くるりと回ってみた。


そろそろご飯が出来る頃だろう、ミルファーナは上機嫌で食卓へ向かった。



―『いっただっきまーす!』


皆で手を合わせ、挨拶。


「今日は何だか皆早かったな。……あちちっ。」


大地が熱々のお味噌汁を啜りながら感心する。


「ただ単に楽しみで眠れなかっただけだったりして。」


優太が甘口に仕上げた卵焼きを摘みながら茶化す。


「ギクッ……。」

「どきっ……。」


珠香がオーバーにミルファーナは目立たない程度にどきりとする。


「ふふっ、二人ともバスの中で寝るフラグね。」


優香がポリッと小気味よい音を立てつつ漬け物を口にする。


「またまた、お兄ちゃんじゃないんだから。」


「翔ちゃん車の中でよく寝てたものね〜。」


「義姉さんも凜も酷い!?そんな事ばらさなくてもいいじゃないか!」


楽しそうに思い出を話す二人を止めることなど出来ず、次々と翔の失敗談が皆に暴露されるのだった。


「もうお嫁にいけない……。」


顔を隠し翔が泣きまねをする。


「お前は男だろうが。」

「あなたは男でしょうが。」


呆れたように大地と優香が嘆息した。


(じゃあ私がお婿さんに……。)


なんて微妙にズレた感情を言い出せずミルファーナは静かにお茶を飲んだ。



―「翔様、お待たせしましたー!」


蒼穹荘の前に貸し切りバスが停まり、中から時羽が飛び出してきた。

そのまま翔の胸に飛び込む……寸前で、


「ブロックッ!」


珠香が翔を全力で押し飛ばした。


「それは、ブロックじゃねぇ!」


バランスを崩した翔の後ろを時羽が虚しく通り過ぎていく。


「ちっ!おのれ、大空珠香!またしても邪魔をするとは。」


「ふんっ、甘いのよ。」


激しく火花を散らす二人。しかし不意に。


「あ……あぁ……。」


『へっ?』


動揺した声の方向に振り向く二人。そこには……。


「翔!」

「翔様!?」


翔がミルファーナを押し倒していた。


「朝っぱらから大胆な奴だなー。」


玄関から出て来た大地が面白そうに言った。


「ひやぁぁぁぁっ!?」


「ライジングサァァァァァンッ!?」


真っ赤になったミルファーナが渾身の力で翔を打ち上げた。


「日の出ってか星になったなあいつ。」


大地は、静かに黙祷を捧げた。



―「駄目だ、完全に延びてる。」


大地が翔を揺さぶり、ビンタし、軽く殴り、関節を決めてみたが、全く反応していない。


「仕方ない、このままバスに放り込むか。」


ぽーんとバスに放り込む。


「このままでは可哀相、私が隣で介抱しますわ。」


そう言ってバスに乗り込もうとする時羽の服の襟を後ろから珠香が掴んだ。


「大丈夫、私が隣に行くから。」


「離しなさい、服が伸びてしまいます。」


ぐぬぬっと再び火花を散らし合う。


「全く、あいつら足の引っ張り合いだなー。」


そう言いながら、大地が苦笑する。


「で、姫さん。あんたはどうする?」


「え……?」


「このままじゃ翔が可哀相だなぁ〜。」


「……。」


ミルファーナが一歩踏み出す。


「あの……こうなったのも私に責任があります。私に介抱させてください!」


『え?』


予想外の来訪者にキョトンとする二人。


「駄目……ですか?」


ゴゴゴゴゴ……。


涙目上目遣いに聞いてくるミルファーナ……ではなく、その後ろのロームが放つプレッシャーに二人が折れた。


「い、良いわよ別に……。」


「し、仕方ありませんわね。」


「あ、ありがとうございますっ!」


「ふっ……。」


ロームが静かに微笑んだ。



―そんなこんなで一同がバスに乗り込む。


「……アル?」


「あ、珠香さん。どうも、バスの運転手を勤めるアルコートです。今日は一日よろしくお願いします。」


小さくお辞儀をしながらにこやかに挨拶する。


「な、な、な……。」


「えへへ、驚きました?皆さんが学校に通ってる間にいろいろ資格を取得しちゃいました。」


はにかみながらアルが免許証を見せる。


「法律とかいろいろもうぶっちぎりね……。」


「厳密には私、人間じゃないので。特例ですよ〜。」


「そりゃあ、法律定めた人達も想定できるはずが無いわよ。」


一体どんな圧力がかかったのか怖くて聞くことは出来ない珠香だった。



―「う……うぅん。」


バスに揺られながら翔はうなされていた。


「翔君……。」


ミルファーナが優しくその頭を撫でようとししたその時だった。


ガタンッ!とバスが大きく揺れた。


「あっ……。」


翔の体勢が崩れ、ミルファーナの膝の上に倒れ込んだ。


ギリギリッ!


「ひっ……!?」


後ろで珠香と時羽が激しく歯軋りする音が聞こえる。


「あぅぅ……。」


幸せと恐怖が入り混じってミルファーナは萎縮していた。


「くっくっくっ。」


大地が笑いを噛み殺せずにいた。



―「えーん、えーん。」


あぁ、またこの夢か。いつ以来だろうか。


「どうしたの?」


夢の中でしか会う事が出来ない、でも大切な子。


「…あなたは誰?」


いつものように女の子が泣き止み聞いて来た。


「僕は真壁翔、君は?」


「私は……よ。」


そう、ここで何故か思い出すことが出来ない。


「長いから、みーちゃんって呼んでいい?」


そう、記憶にあるのはみーちゃんと言う名前だけ。


ザザッ……!


不意に記憶の世界にノイズが走り、みーちゃんの姿がぶれ出す。


「みーちゃん?」


夢の中の自分が今の姿になり、世界が歪み出す。


「みーちゃん!」


手を伸ばし、みーちゃんの手を掴もうとする。


「っ!?」


そして、みーちゃんが三人に分裂した。



―「みーちゃん……。」


「えっ……?」


自分の膝の上で寝ている翔が唸るように呟いた一言にミルファーナは驚きを隠せなかった。


「翔君、今なんて……?」


「どうしたの?」


後ろからこそっと珠香が聞いてきたり


「あのっ、そのっ……。」


焦りすぎて身振り手振りで何でもないことをアピールしようとするもうまく伝わらない。


「なっ、何でも何でも……ないです。」


「それならいいけど……翔が凄いことになってるわよ。」


ミルファーナの動きで翔は激しくシェイクされていた。



―「みーちゃんが……三人?」


目の前にいる三人の女の子はそれぞれが涙目で翔を見ている。


一人はアッシュブロンドのみつあみに綺麗な服を着ていた。


二人目は鮮やかな黒い髪に、子供用のドレスを着ている。


そして三人目はセミロングの茶髪だが、服までずぶ濡れになっている。


三人に共通することは全員が大粒の涙を流していたことだけだ。


「いったい、どういう事だ……?」

珠香:で、続くと?この中途半端な感じで?更新しなかった記録を塗り替えた上で?


時羽:なんて言うか・・・・・・開き直ってませんか?


ミル:まぁ、まぁ。もう次の話もリロードしてるから(苦笑)


珠香:なら早く掲載しなさいさあすぐ今すぐ!


作者:まってー、こっち直すので手一杯なんだから。


アル:はいはい、次回予告行きますよー。


珠香:おっとそうだった。……ん?(渡されたカンペを見る)


時羽:どうしましたの?(同じものを見る)


ミル:え……これって?


アル:タイトルだけですね。


作者:ネタ切れ。


時羽:嘘っ!?


作者:冗談だよー。


ミル:えっと、ついに来ました遊園地!記憶世界の翔が見たものは?そして迫り来る新たなる戦雲。次回、天翔の逢翼。


アル:あっ!こほん、二人の秘密。


珠香:掲載時期はたぶん近日。


時羽:お楽しみにー。


九月十七日某所にて……。

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