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天翔の逢翼  作者: Nacht
26/42

第十六話: 最悪の結末、その2

お久しぶりです…orz

では後編をどうぞ。

―また時を遡り一日前


「私が宇宙にですか?」


学校の帰りに北条家に招待と言う名の誘拐をされた珠香が素っ頓狂な声をあげた。


「ああ。」


「何で私なのですか?」


勇一郎は、にこっと笑いながら答えた。


「ミルファーナ様が"翔"達の回収船に同乗して視察に行くのだが、知り合いがいた方がいいと思ってね。」


「でも、ミルファーナの仕事を邪魔するわけには…。」


「大事なのは此処からだ、恥ずかしながら、うちの娘がそれを聞いて自分も行くと言い出してね…君ならあの子を押さえれるだろう?」


(時羽だけ会いに行く…それは嫌ね…)


「…分かりました…。」


「うむ、二人をよろしく頼む。」


退室した珠香は取り敢えず、父に連絡をした。



―「さて、何を着て行きましょうか。」


時羽は自室で服をルンルンで選んでいた。


「あまり、荷物を増やさないでくださいね。」


「えっ!?」


後ろを振り向くとミルファーナがいた。


「ミルファーナさん?」


「こんにちわ。」


「あっ…あら?」


一度目を擦る…しかし、やはりミルファーナがいる。


「今日もいい天気ですね。」


ミルファーナが、微笑みながら語りかけてくる。


「そ…そうですわね。」


「小九郎さんが外で待ってますよ。」


「えっ!?」


「時羽さんのお父様がお話があると言って私たちを召集したのですよ。」


「小九郎は何をしているのですか、ミルファーナさんに言伝を頼むなんて。」


「男の方には入りにくいと言ってましたよ。それに、私から言ったのですから、小九郎さんを責めないでください。」


ふと時羽は自分の姿を見てみた。確かに、今の自分は下着しか着用していない。


「確かに、少し…はしたなかったですわね…。」


顔を赤らめながら、時羽は苦笑した。



―「すまないな、君達。出発時刻が早くなった。」


「えっ!?」


「ゲートに動きが見られたらしい、早急に調査隊を送る必要が出来た。」


「分かりました。それで、何時になるのですか?」


「今から三十分後だ。ミルファーナ様は準備が出来ていると思われますから心配はありませんが、二人は、遅れた場合に置いて行かれるからそのつもりでいてくれ。」


「はい。」



―「発進五秒前…四…三…二…一…レディィ…!」


「いよいよですね…。」


「う、うん。そうだね………実は私、宇宙に行くの始めてなんだよね…。」


「緊張してます?」


「かなり…。」


管制塔から指示が出る。


「ゴー!」


珠香達を乗せたシャトルは天へ飛び立った。



―その頃、宇宙では。


「警報!?」


いち早く反応する優香。


「敵襲か!?」


「何だってこんな時に。」


「大、ぼやいたって仕方ないぜ。」

「それもそうだな…。」


「主、急ぎましょう!」


「ファフニール、出撃だ!」


翔達は格納庫に急いだ。



―「システム起動確認。アル、そっちはどうだ?」


「オールグリーンです。」


「翔!大変だ!!」


通信機から政隆の焦る声が響いた。


「一体なんですか?」


「姫達を乗せたシャトルがこっちに向かってきている。」


「えっ!?出発時刻はまだ先じゃ…。」


「動きを見せたゲートの調査隊を連れていくために早くなったらしい。」


「後何分ぐらいですか?」


「約三十分後だ。」


「急がないとまずいですね…。」


「そうだ、速攻でかたを付けるぞ。」


「了解!…ゴーバトラー、出撃します!」



―バレント部隊がファフニールとの戦闘を始めて20分が経過した。

「そろそろ終わりか?」


バレントから高周波ブレードを抜きながら、翔が言った。


「…後、七体だ。」


ビームピストルとビームライフルを撃ちながら大地が答えた。


「主!転移反応を確認しました、来ます!」


「っちぃ!」


ストラーグが転移してきた。


「バレントは…ほぼ全滅か、やはり役に立たんな。」


ストラーグが背部の補助腕を展開した。


「アル!来るぞ!」


「了解です!」


「大!シャトルの方に向かってくれ。」


「やれるのか?」


「ああ、何となく出来そうなんだ。」


「曖昧だな。」


「まぁなんとかなるさ。」


「主、前っ!」


「おっと。」


ビームサーベルを展開したストラーグが突進してきた。


「てい!」


ゴーバトラーがビームソードで切り払う。


「えっ!?いつの間に…?」


「大!早く行ってくれ!」


「…わかった。死ぬなよ。」


撃銃夫がシャトルの護衛に向かう。


「俺を信用しなって。」


「主!」


「何だよ?」


「ですから、それは?」


アルがビームソードを指し示す。


「知らん、気付いたら出てた。」


「システムは正常…なのに…?」


ゴーバトラーがストラーグの後ろをとる。


「貰ったぁ!」


「甘いな!」


補助腕がゴーバトラーの両腕を捕らえる。


「しまった!?」


「死ねぇ!!」


ストラーグのビームキャノンにエネルギーが溜まっていく。


「させるかぁ!!」


ゴーバトラーの脚部にミサイルポッドが現れる。


「また!?」


ミサイルポッドから次々とミサイルか掃き出される。


「ぐあっ!」


ミサイル斉射をした結果ゴーバトラーは拘束から逃れた。しかし代償も大きかった。


「左腕機能停止…エネルギー供給をカット。」


「おのれ、味な真似を…。」


ストラーグも補助腕もろとも強化装備を破壊されていた。


「残る武装はクローアームとビームキャノン、それと…。ショートジャンプは…一回が限度だな。ん!この反応は…?」


ストラーグが捉えたそれは同時にゴーバトラーでも捉えられた。


「主…大変です…シャトルが。」


「もうそんな時間に…。やるしかないか。」


翔の気持ちに反応したかの如くゴーバトラーの出力が突如上がった。


「また…。何で今日に限って…こんな…。」


「ショットガンW…来い!」


ゴーバトラーの両手にショットガンが現れる。


「死ねぇ。カトンボ!」


ストラーグが果敢にも突撃する。


「遅いっ!」


二機が擦れ違った瞬間には、ストラーグの四肢がショットガンに粉砕されていた。


「そんな馬鹿なぁぁぁぁ!?」


辛うじてコクピットは装甲に阻まれ、全壊を免れた。


「胴体は浅かったのか!?」


ゴーバトラーか急いで旋回する。


「ただではやられん!おまえも道連れだ!!」


ストラーグの胴体が光を放ちだした。


「主!自爆するみたいです!?」


「げっ!?急いで逃げるぞ!!」


「主!転移反応確認!数は…えっ!?」


「どうした!?」


「計測不能です!いくら何でも多すぎます!?」


「はぁっ!?」


メテオブレイカーが起動し、大量の隕石が現れた。


「これは…!?」


「まさかまた奴らの攻撃か…?」


「確かに…あの時と似てますね。」


「っ!?ヤバい!」


「へっ!?」


ゴーバトラーがシャトルの方向へ飛び出した瞬間、ストラーグが自爆した。



―"絶対に文句を言ってやるんだから!!"


珠香は機内で悪態をついていた。


「何でこうなるのよ〜!?」



―シャトルが打ち上がって15分が経った頃、前方に小さな光が見えてきた。


「皆さん、前方で戦闘が起きてます!急いでノーマルスーツを着てください!」


機長の慌てた声が響く。


「皆さん、急ぎましょう。」


テキパキと着ていくミルファーナの指示にしたがって、皆が急いでノーマルスーツを着ていく。


少し落ち着いた頃大地の撃銃夫が護衛にやってきた。


「翔なら大丈夫だ、あいつはそうそうやられる奴じゃないのは知ってるだろ?」


そんな話をしている時、目の前に隕石群が襲来した。


「なっ、何だぁ!?」


大地が素っ頓狂な声をあげる。


「何でこうなるのよ〜!?」


その時、向こうからゴーバトラーがすごい勢いでこちらに飛んできた。


「翔!!」


そして…


『ガツンッ!!』


「えっ!?」


シャトルを庇うようにして、砕けた巨大隕石に胴体を貫かれた。


「いっ…嫌ぁあああああぁっ!!」



―「うっ…。」


暫くして、アルが衝撃から意識を取り戻した。


"あれ?私は…主がシャトルを庇って、それから…。"


「主!?」


モニターコンソールは沈黙し、機内は真っ暗だった。


「主、無事ですか?」


返事はない。


「あ…主?」


ヘッドライトを付けたアルは翔を見つけた。何故かこちらを向いていた。


「主、起きてください。」


その時、アルのパイロットスーツのバイザーに、球になった不透明な液体が付着した。


「?」


拭ってみるとそれは血だった。


「どうして?…っ!?」


アルが翔の胴体を見た時、翔の体は隕石に貫かれていた。

翔はアルを庇うようにして立っていた。


「ある…じ…?」


「ん?…ア…ル…。無事…か…?」

「私は…それよりも主が!」


「俺は…も…う助から…ない…。お前…は…、これから…脱出…するんだ…。」


言うや否や、ゴーバトラーのアルのコクビットをシャトルの方向へ射出した。


「主!?」


「……いな…お前……けで…も、助か……て……くれ。」


「そんなっ…嫌です!嫌です!絶対に嫌っ!」


「ご…めん……な…アル…。」


通信が途絶える。


「主〜っ!!」


通信が途絶えた瞬間だった。突如ゴーバトラーが光を放ちだした。


―「エネルギー反応を二つ感知」


ゲートの管制室は大騒ぎだった。


「一つは正体不明ですが、もう一つは…ゲートです!ゲートが起動しています!」


「何だと!?」


「転移目標は…隕石群!?転移箇所は…ポイントX99999!?因果地平…か?」


次の瞬間には隕石群は跡形も残らず消失していた。



―「…胴体部分の残骸は見つからなかったみたいだ。」


「そん…な…。」


アルが膝を着いた。


「…真壁翔は戦死扱いになり、ファフニールから除隊したことになった。」


「…私は…?」


「君は引き続き蒼穹荘に胃ともらっても構わないし、君が望むならこちらで保護しよう。」


「いえ、蒼穹荘に残ります…。」


「わかった…。」


この日、蒼穹荘に翔の死亡通知が届いた。



続く



―次回予告


アルです。主の死で皆さんの気持ちはどん底に落ちてしまいました。

だけど…。


次回、天翔の逢翼

喪失


………主…。


お待たせしましたが、今回も読んでいただきありがとうございます。

夏風邪を引いてこじらせ肺炎で入院していました…orz

もう馬鹿の所業にしては酷過ぎる結末です。

本日退院できたので、それまでしばらくパソコンとは御無沙汰してました。

さて、馬鹿の緊急報告はこれまでにして(おいおい)今後の予定ですが、出れるか分からない試合があるので

次回のお話は九月中旬を目標に頑張ります。

それではみなさんまた次回も読んでいただけると嬉しい限りです。

では^^ノシ

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