あなたにとっての「I love you」
筆者にとって初めてのエッセイです。
完全に趣味で書きました!
温かい目で見てやってください。
「I love you」は直訳すると「私はあなたを愛しています」。しかしかの文豪、夏目漱石は「月がきれいですね」と訳した。最近では国語の授業で習うこともあるほど有名な話である。
さて、筆者は考えた。現代人が「I love you」を訳したらどうなるのか。試しに周りにいる複数人の友人たちに聞いてみた。前提として筆者の人脈上、年齢は16~20歳までとする。
あなたは「I love you」をなんと訳しますか?
まずは一人目、17歳の女の子。
「『手をつなぎませんか?』って訳すよ」
ピュアである。真っ白だ。17歳らしい素敵な答えをいただいた。これが一人目にしては上々ではないか?
「なんか手に怨念こもってそうだよねー」
前言撤回である。え、怨念こもってるの?愛情じゃなくて?こわっ!最近の若者怖い!手をつなぎながらも呪いを送っていたりするんだろうか。恐怖である。
二人目も同じく17歳の女の子だ。
「『星がきれいですね』かなー」
これはおそらく「月がきれいですね」のパロディだろう。これを言った本人は知らなかったようだが、「星がきれいですね」には「貴女はこの想いを知らないでしょう」という意味がある。
切ない!片思いをしてるんだね!
偶然ではあるが素敵な訳がいただけたのではないだろうか。
三人目、20歳の男性である。そしてここが重要なのだが、こいつ、彼女持ちである。爆発したらいいのに。さて、そんな彼女持ちの彼のことだ。さぞ素敵な訳をいただけるのだろうと筆者は期待した。
「そもそも、なんで夏目漱石は月がきれいですねって訳したんかね?」
え、そこからですか。
「意味が分からない。そもそも月がきれいですねって言ってそれにうまく返せる人が何人いるんだろうね」
知らんがな……。
筆者は悟った。これは理系男子にする質問ではないと。彼女さんよ、君、これの何が良くて付き合っているんだ……?
「そんな風に遠回しに言って伝わらないくらいなら真っ直ぐ言った方がいいと思うの」
あー、こういうとこですね、彼女さん、こういうとこに惚れたのね。末永く爆発してろ!
四人目は、20歳の女性である。
「『尻が素敵ですね』か『足が長いですね』か『眼鏡マジで似合ってますね』です」
これ、原文のままである。彼女の性癖モロバレではなかろうか。本当にこれでいいのか。
お察しではあると思うが、彼女、重度の眼鏡フェチである。特にインテリ眼鏡が好物だ。しかし彼女、三次元では理想の眼鏡に出会ったことが数少ないのだという。彼女が「眼鏡マジで似合ってますね」と口にするとき、きっとそれは究極の眼鏡に出会ったときだろう。
いや、なんだよ究極の眼鏡って。
まあいい。次の五人目が最後である。年齢は最年少である16歳の女の子である。
最年少であるからきっとピュアっピュアで甘々なピンク色の訳を提供してくれるに違いない!
「君のベットに行かせてください」
待ってほしい。いや、確かにピンク色である。ある意味ピンク色だ。しかし筆者が望んでいたピンクと系統が違うぞ!
筆者はリテイクを要求した。
「えー!?じゃあ『俺のエクスカリバーで君を貫きたい』」
ストップ。待って。まず前提条件として、君、女の子。わかる?
何、エクスカリバーって。いや待って、言わなくてもいい。言わなくてもいいから!
もうちょっと、健全な、ピュアな何かが欲しいんだ!
「えー、わがままだなぁ。じゃあ『僕の小指に君の赤い糸が結んでありますように』でいい?」
ロマンチックじゃないか。素敵じゃないか。
何故その答えを最初に出せない!?
……まぁいい。
聞いた人数は少なかったがなかなか面白い解答が得られたのではないかと思う。余は満足じゃ。
……え、筆者はこの問題にどう答えるのかって?
ヒ・ミ・ツ!
あっ!嘘です!石投げないで!ごめんなさい!やめて!!!
いやね、今まで筆者はいろんな人の解答にケチつけてきたじゃないですか。でもケチをつけたからといって筆者が満足できる解答ができるかといったら、それはちょっと……、というわけでありまして……。
要するに、筆者の無能がばれるから、答えたくないのであります!
意気地なしである。これ以上筆者の無能を露呈させたくないのでここで消えることにする。