彼女の顔はパン
「僕の頭をお食べ」
彼女との最初の会話だ。
彼女の頭部はパンでできている。
彼女とキスは出来ない。濡れると浮腫を起こすからだ。
「自分の顔は食べさせるのに。」
「それは私の存在理由だからさ。」
「僕の存在理由は君を幸せにすること。」
僕はキスの代わりにたくさん愛撫した。
「だから、濡れると力がでないって。」
「力なんていらないよ。僕が守る。」
しかし、僕は病魔に倒れる。
壊死性筋膜炎で三叉神経領域をやられたのだ。
「バイキンめ。」
彼女は悔しがった。しかし、バイキンにはパンは無力だ。
彼女は電話する。すると車がやって来た。白衣の二人組だ。
「新しい顔よー。」
僕はデブリドマンとなった。
デブリドマン 感染、壊死組織を除き、創部を洗浄すること。壊死性筋膜炎の治療。
壊死性筋膜炎 別名、人食いバクテリアで有名。
三叉神経領域 この小説内では顔面のことを表しています。壊死性筋膜炎が三叉神経に行くわけではないです。壊死性筋膜炎が顔面に起こるかどうかはわかりません。足に多いはずです。
新しい顔は僕の顔のことです。(自分で解説するなんて無粋ですね。)