死食らい夢
2010年08月にコミケで無料配布。
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干からびた真っ黒い赤ん坊が三人も生まれてきた。……生きているとはとうてい思えない。
私の腹の中で、死んで育った赤ん坊。
そばに居た医者はこれから出かけたいらしく、赤ん坊を見てすごく嫌な顔する。
面倒なものを産みやがって、という声が聞こえた気がする。
医者は乱暴に赤ん坊の頭をドリルでこじ開けた。
ぐったりとしている赤ん坊達は無抵抗。
毒々しい瓶に入っている硫酸をその穴に流し込む。
「何するのよ、死ぬじゃないっ」
「最初から死んでるだろ」
医者は吐き捨てるように言い返す。
ああ、こんな乱暴で、非常識な処置なのに。死んで生まれた子達は、一人はダメだけれど、二人は息を吹き返した。
なんて、哀れな。
生き返るべきではないのに。
だって、誰も祝福なんてしてあげないのに!
医者は形や長さの少しずつ異なるメスの間に不自然に置かれていた大振りのナイフを掴むと、生き返った子の一人の喉をぎこぎこと切り落とす。
私はぼんやりとそれを見てて、ちょっと待て、何やってんの、とか思うけれど、何も出来ない。
だって、この子達が生まれてきて困るのは、私だったから。
産室なのか、霊安室なのか、もうわからないこの部屋は血まみれで、ぐちゃぐちゃで。
ああだけれど、生き残った一人は医者の魔の手から逃げのびた。
ゴルフに早く行きたいために、さして熱心に最後の一人を捜しもせず、医者がいなくなる。
生き残ったその子がそろそろとベッドの下から這い出てきて、助けなかった私を恨みがましい目で見つめてきた。
まだ動けない私の足に噛みついて。
「なんで生んだの?」
奈落から響く声で聞いてきた。
あぁ、なんでそんなことを聞くの?
愛していたから、なんて優しい言葉なんかあげられないのに。
「 さ び し か っ た か ら 」
罪を呼ぶのは、強さではなく、罪なほどの弱さであるのだ。
答えを知った赤ん坊は憎しみを込めて、私の足を食いちぎった。
この話、いつものように、夢で見てます。
影響は……きっとリングやらせんの番外編の、『バースディ』を読んだせいだと思います。
無夜は多分……子供と赤ん坊、大嫌いなんでしょうね。




