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アラサー女子のクリスマス晩御飯

作者: 白狐まる
掲載日:2026/01/15


 ガタンコドン、ガタンコドン、ガタンコドン……

 

 電車に揺られながら、私は他の人と同じように、スマホに目を落としていた。

 私の名前は、佐藤志津香(さとうしずか)。システムエンジニアとして働く、32歳のアラサー女子。

 

 まあ女子と言える年代では無いかもしれないけれど……

 

 ピコン!

 

 あ、通知音鳴った、誰から?

 私はスマホのメッセージアプリを開き、「1」と書いてある連絡先……高校の同級生である、栞とのメッセージ画面を開いた。

 

 『本日の晩飯通知タイム!晩御飯に悩める佐藤志津香さんのために、クリスマス特別料理通知しますよん!この料理からインスピレーションを!』

 栞の陽気なメッセージの下には、誰が見ても料理好きと分かる、本格的なステーキが並べられた机に座る、栞、栞の旦那さん、栞の子どもが写っている写真が添付されていた。


 あ、そういえば今日クリスマスだったんだ、忘れてた~……

 そしてやっぱり栞は料理が上手すぎる~……

 さて、私は何を食べますかねぇ?


 …………うわっ、見れば見るほど、ステーキ……いや、なぜかチキンが食べたくなってくる……!!!!


 決めた…………今日は贅沢! ケンタッチ―でチキンを買って家で食べる! これだこれ!

 私は心の中で拳を握った。 


 「暁月駅、暁月駅、お出口は、左側です。」

 ピンポーンという音と共に、電車の揺れが止まり、ドアが開く。


 あ、着いた、ナイスタイミング!

 

 私は電車から降り、近くのケンタッチ―でチキンのクリスマスボックス一人用を購入して、マンションに帰った。


 手洗いを済ませ、パジャマに着替え、先ほど買ったケンタッチ―クリスマスボックスを開ける。


 ほわぁ~ん…………最高の匂い………

 

 仕上げにストックしてある缶ビールをテーブルに置き、最高の晩酌の準備が整った。

 

 私は食べる前にスマホを取り出し、テーブルに置いてあるケンタッチ―チキンと缶ビールを写真に撮り、栞にメッセージを送る。

 

 『こっちも負けてないぞ!!今日の晩御飯は最終奥義のケンタッチ―です(#^.^#)』

 そしてその後、さっき撮った写真を送る。

 

 『最終奥義使っとる!?負けるわ!(笑)』

 栞から秒で返信が来る。

 

 ふふ、クリスマスはケンタッチ―の右に出るものはあまりいない、多分。

 

 私はニヤニヤしながら、チキンにかぶりつく。

 料理は出来ないけれど、これも幸せなごはんの形だ。

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