どんぶり
疲れそうです。
「いやそこはどんぶりなんかい!」
ミイルは自分の寝言で目が覚めた。どうやら魔物の技で寝ていたようだ。寝言に対してなんのツッコミだったのかも考えものだがそれよりも気になることがあった。ここはどこなのか。寝起きなのでミイルの思考力はさらにダダ下がりである。ボーっとしたまま周りを見てみると、ここはどこかの洞窟で焚き火があることがわかった。そこに気づくまで気づかなかったが隣でアールがうなされている。何やら寝言も言っているようだ。
「また全部僕のせいで…全部僕のせいだ…。」
こんな事をごにゃごにゃ言っている。(ミイル視点)
過去になんかあったのか…?とかなんとか思いつつ焚き火を見ているとお腹がなった。その音で、アールが起きたようだ。
「あれれ…?僕寝てた…?」
まだ頭がボーっとしているようだ。
ミイルと目が合った瞬間、その場から動きはしないもののガタガタ震え出した。そして、暗いオーラに包まれ、髪が紺と青のグラデーションに。(アールの見た目がこのようになった姿をネガアール(ネガティブ思考アール)と呼ぶ。)ミイルはそれに少し困惑気味。
「な…なんで…なんで君が起きてるの…?僕、ついにおかしくなったのか…?それとも幽霊…?でも幽霊なんて論理的には…」
ネガアールが震えながら何かを唱え出した(ミイル視点)ので、ミイルが慌てて訂正する。
「わ…私死んでないよ?」
それを聞いてネガアールがまた震え出す。
「し…喋った?やっぱり僕おかしくなっちゃったのか…?だって足からあの出血の量…結構高度な医療魔法でも治しきれなかった。一応応急処置はしておいだけど…だって、だって短時間でこの回復量…ありえないじゃない!」
そう言ってまた震え出す。
「もし神様がいるのなら…いなくても…どうか、どうか僕をお助けくださあぁい!か、必ずやこの世にこうけんいたします!」
相当混乱しているようだ。
ミイルは一瞬顔が点になった。が足をよく見てみると、右足にアールのマントを破った布が巻いてある。血が滲んでいる。
「キャァァ〜!」
何秒間かの空白の後ミイルが続ける。
「さっきまで足怪我してるなんて気づかなかった。痛みも感じないし…もしかして私、ほんとに死んでるんじゃ…?」
ミイルが青ざめる。それを見てネガアールが急に冷静さを取り戻す。
「あぁ。僕としたことが。ちょっと寝ぼけてたみたい。まずは落ち着かないとね。まずは君が落ち着いてくれないと。」
ミイルは今にも干からびそうな感じ。
「はいはい。深呼吸して。」
ネガアールのおかげでミールは少し現実に戻ってきた。焚き火の近くに一度集まる。ミイルがいう。
「この傷のこととかについて聞いてもいい?」
ミイルが控えめに聞く。ネガアールの顔は少し青ざめたように見えるが、そうなのかはわからない。影にはなっている。
「…僕が不甲斐ないせいで、君を守りきれなかった。」
ミイルはなんと声を掛ければいいのかわからなかった。この場合、相手に悪くない。というほど相手は責任を感じてしまうのだ。
「僕がもっと強ければ…たくさんの事を学んでいれば、君にその傷がつくことはなかった。ごめんよ。本当に。思えばもっと工夫することができたのに。ああいう時の対処法だってたくさん、たくさん勉強したのに。こんなんじゃ世界も救えない。」
「え?」
ミイルが聞き返す。ネガアールがため息をつきながらいう。
「いくら君でも、この事については話せない。…一旦僕も頭を冷やすから、君も今日はゆっくりして、明日からまた頑張ろう?」
そう言われミイルは渋々うなづく。夜ご飯を食べていないことに少々不満があるらしいが、そんなのは知らん。そうしてまた、明日が始まる。
疲れました。見てくれてありがとうございます。作者はこの作品への高評価を大変心待ちにしております。何かしていただけると喜びます。




