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落穂拾い~ダンジョン乞食と呼ばれても、俺は夢を捨てない。~

作者:藍染 迅
「落穂拾い」。それは夫を亡くした寡婦、養ってくれる者がいない老人、そして孤児にのみ許された仕事であった。

ダンジョンで放棄されたアイテムを拾い集めて、売りさばく。
モンスターに倒された冒険者の遺品を拾うこともあった。

人は彼らを「ダンジョン乞食」と蔑んだ。

14歳の少年、ビリーの夢は妹のミライに腹いっぱい食べさせ、きれいな服を着せて、でっかい家に住ませてやること。

そのために臆病者と呼ばれても、ビリーは生き残らなければならない。

ある日ミライが毒虫に噛まれた。「3日虫」。噛まれたものは3日以内に死ぬ。

ミライを救うためには高額の薬を手に入れなくてはならなかった。
それも2日以内に。

できることはたった一つ。命を懸けてダンジョンに挑み、第3層のフロアマスターを倒し、ドロップアイテムの宝玉を金に変えることだ。

たった一人ダンジョンに潜り、レベルアップを繰り返すビリー。やがて第2層の敵は余裕で倒せるようになった。
しかし、第3層は様子が違った。幾ら焦ってもフロアマスターに勝てる見通しがつかない。

時間は容赦なく過ぎ去り、残り時間は少ない。
そんな時、イレギュラーの「ゴブリンキング」が第3層に発生した。

絶対に適わない相手。ビリーは必死に逃げるが、行き止まりに追い詰められてしまった。

そこで発見した謎の小部屋、その中には黒いオーブ「時の砂」があった。
触れただけでは良くわからない「時の砂」の効果。そこへいなくなったはずのゴブリンキングが戻って来た。

絶体絶命のビリーはオーブを自分に使う。
その効果は、「触れた対象の時間を10倍に引き伸ばし、世界とのつながりを奪う。クールタイムは使用時間と同じ」というもの。

試しに使ってみてもその威力は、ゴブリンキングに通用するものではない。

その時ビリーの脳裏に走馬灯が走り、ビリーは「時の砂」の真の使用法を理解した。

靴を脱ぎ捨てたビリーは「時の砂」をダンジョンの床に対して発動する。
0.1秒を1秒に引き伸ばし、その反動でビリー自身は0.1秒間に1秒の力を行使できる。そしてクールタイムは0.1秒だ。

このサイクルを繰り返すことで、ビリーは無限に加速できる。

ついにゴブリンキングを倒したビリーは、フロアボスも倒して宝玉を得、ミライを背負って街へとひた走る。

朝の光をを追い越して。
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