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7 せいらとの再会



――放課後になりました。



☆望愛side☆


 

 私は今、ケーキ屋さんの前に立っている。

 心臓が潰されそうなほどの恐怖と戦いながら。



 このお店は、お兄ちゃんの当時の彼女さんの自宅でもある。

 お兄ちゃんのお葬式の後、「人殺し!」と彼女さんに頬をはたかれたこともあり、一度も足を踏み入れたことがない。


 星羅(せいら)さんに会ってきちんと謝りたい。

 そのためにも勇気を出してお店に入らなきゃ。


 でも……


 怒鳴られるだろうな。

 泣きじゃくりながら怒りをぶつけられ、絶対に許してもらえない。


 恐怖で地面に足が引っ付いたまま立ち尽くしていると、サラサラの髪をなびかせた美少女が私の方に駆けてきた。



望愛(のあ)ちゃんだ~」


 えっ、星羅(せいら)……さん?


 笑顔で涙を飛ばす星羅さんに両肩をつかまれ、この状況が理解不能。

 ハテナだらけの脳が高速回転を始めたけれど


「お葬式の時は、望愛ちゃんの顔をはたいちゃってごめんね」


 強く抱きしめられ


「ずっと謝りたかったんだよ」


 涙と共に流れる鼻水をすすりながら「ごめんね、本当にごめんね」と何度も何度も謝られたから、私まで涙が止まらなくなっちゃった。


「星羅さんが謝る必要んなてなくて……私がお兄ちゃんを……家から追い出しちゃったからで……」


「望愛ちゃんのせいじゃないよ」


「そんなこと……」


(じょう)君に会えなくなっちゃった悲しみを望愛ちゃんにぶつけちゃって……。望愛ちゃんだってお兄ちゃんがいなくなって辛かったのにね……本当にごめんね」


 星羅さんの声も体温もあったかい。

 私の心が癒されていく。


 信じられない、星羅さんが私を許してくれていたなんて……


「望愛ちゃんに見て欲しいものがあるんだ」


 私に絡めていた腕をほどいた星羅さん


「譲君の遺品って言ったら聞こえが悪いよね。残してくれた宝物、ずっと望愛ちゃんに見せたいって思ってたの」


 涙を拭きながら私にニコっ。



「私の部屋にあるんだけどついて来てくれる?」


「私なんかがお家にあがっても良いんですか?」


「もちろん。私、(じょう)君と中学が違ったでしょ。友達に譲君の話をしてもカッコ良さを理解してくれないんだよ」



 お兄ちゃんって見た目はそこそこ良いんだけど……


 背が低い。

 アニメオタク。

 野球部では補欠。

 言葉で説明するには、カッコよさは伝わりづらいかも。


「譲君との思い出ばなし、私の部屋で一緒にして欲しいんだ」


 星羅さんは今も、お兄ちゃんを好きでいてくれてるんだ。

 そのことが嬉しくて嬉しくて、私は星羅さんのお部屋にお邪魔することにした。




 お店の隣にあるお家の玄関を通り、階段を上がり、星羅さんの部屋に通された私。


 引き延ばしされたお兄ちゃんの写真が、壁や天井を埋め尽くすように貼られていて、机の上にもお兄ちゃんの写真盾だらけ。

 どこで勉強するんだろうと心配になるほど、お兄ちゃん一色。


 想像以上のお兄ちゃんへの想いが詰め込まれた部屋に、顔のニヤニヤが止まらなくなっちゃった。



「ねぇ望愛ちゃん、この部屋の写真のどの譲君が一番カッコいいと思う?」


「妹の私が選ぶのも……」


 変というか照れくさいというか……


「お願い、どれでもいいから一枚選んで」


 超ご機嫌な星羅さんに背中を押され、部屋中をぐるりと見まわす。



「星羅さんと手を繋いで恥ずかしそうに微笑むお兄ちゃん、なんか可愛いですね」


「譲君ってヤンチャで可愛かったよね。じゃあこの写真で決~まり!」


 ……ん?

 決まりってなんだろう?



 ハテナを浮かべ首をかしげる私に、星羅さんはハンガーにかけたワンピースを差し出した。


「望愛ちゃん、今からこれを着てくれる?」


 えっ?


「ダメなんて言わないよね」


 でもこれって……亡くなる前にお兄ちゃんが私に着せようとしていた……


 みみラビ姫のコスプレ衣装だよ?!


「こういうのは……ちょっと……」


「なんで? かわいい望愛ちゃんなら絶対に似合うよ」


「足とか太いし……まだダイエットできてないし……」


「大丈夫。譲君はそのままの望愛ちゃんが大好きだったんだから」


「でも……」


「譲君の夢を叶えてあげたいんだ。今日だけだから、望愛ちゃんお願い!」


 星羅さんはニコニコ笑顔で、私にコスプレ衣装を押し付け


「譲君のためなの、どうしても叶えてあげたいの」と、手を合わせ必死に懇願してくる。

 それなのに私はまだ着る気にはなれない。


「望愛ちゃん、私の時間を動かしてくれないかな」


 時間ですか?


「譲君がいなくなったあの日から私ね、前に進めなくなっちゃったんだ」


 前に進めないかぁ……

 その感覚、私にもわかる。

『あの日に戻ってやり直せたら』って、毎日必死に願ってしまうから。



「このままじゃ大好きな譲君との思い出が、全部つらいものになりそうで怖いの」


 部屋中お兄ちゃんだらけにしてくれるほど好きでいてくれてるのに、辛い思い出になんかして欲しくないなぁ。


「だからお願い、私のためにこの服を着て。写真の譲君に笑いかけて!」


 大粒の涙をボロボロ流し、必死にお願いする星羅さん。

 そんな姿を見ていたら断ろうなんて思えなくなっちゃった。



 太い足やタプタプの二の腕をさらすなんて恥ずかしい。

 恥ずかしすぎだけど……


 お兄ちゃんのため。

 星羅さんのため。

 今だけ我慢しよう!



「わかりました、今から着ます」


「ほんと? 望愛ちゃんありがとう」


 ややぽちゃ下着姿を見られたくない私に気を使ってくれたんだろう。

 涙を拭き笑顔を浮かべた星羅さんが、部屋を出て行ってくれた。

 恥ずかしさをグッとハートの奥に仕込み、みみラビ姫の衣装に袖を通す。



 半分以上、顔を出した太もも。

 ちょっと動いただけで、チェリーレッドのミニスカートがふわり。

 下着が見えそうでヒヤヒヤする。


 全面ホワイトレースのタンクトップからは、ムチムチ二の腕がこんにちは。


 うっ……恥ずかしすぎだよ。

 星羅さんの気が済んだら、すぐに制服に着替え直そう。



「着替え終わりました」


「わ~い!」


 私の声に即反応。

 廊下で待機していた星羅さんが、すぐに部屋に入ってきて


「わぁ~、譲君が言ってた通り望愛ちゃんに似合いすぎだよ」


 ウサギのように飛び跳ねてくれているけれど、燃えたぎってしまう羞恥心。

 早く脱ぎたくてたまらない。


「譲君、良かったね。これで譲君の夢が叶えられたね」


 私が選んだお兄ちゃんの写真を胸元に抱える星羅さんは、本当に嬉しそう。

 お兄ちゃん、星羅さんに愛されまくりだね。



「あの、もう脱いでもいいですか?」


「望愛ちゃん、何を言ってるの」


 えっ?


「今度は譲君のお墓に行くでしょ! みみラビ望愛ちゃんを、譲くんに堪能させてあげるんだから」



 星羅さんの目が不気味に光って


「望愛ちゃんに断る権利なんてないからね~」


 低い声が私の神経を震えさせる。

 星羅さんは薄ら笑いを浮かべると、温度を感じない冷酷な目で私を睨みつけた。



「だってそうでしょ? 望愛ちゃんが譲君を殺したんだから」


 ……えっ、……私が殺した?


 さっきお店の前で私を抱きしめて


『お葬式の時は顔を叩いちゃってごめんね』


『望愛ちゃんのせいじゃないよ』


 って言ってくれましたよね?


 あれは演技?

 今もまだ、私を恨み続けているんですか?



「大丈夫だよ望愛ちゃん。その格好のまま譲君のお墓の前で土下座してもらうだけだから」


 星羅さんはピクリとも笑わない。


「コスプレしなくてごめんなさい!って、地面に頭をこすりつけて譲君に謝ってね」


 ピクリとも笑わぬまま、ゾンビのような低い声を発し続けている。



「譲君はもう二度とこの世に帰れないんだよ。人殺しの罪がそれで消えるなら、望愛ちゃんも嬉しいでしょ」


 私の目の前にいるのは、優しい星羅さんじゃない。

 さらさらな髪を振り乱し、私の腕をつかみ「早く行くよ!」と、私を部屋の外に引きづり出そうとしている、いわば鬼。



「この格好のまま家の外に出るのは、許してください!」


「望愛ちゃんに拒否権がないって言ってるでしょ!」


「っ、嫌です」


「いいから外に行くよ!」



 星羅さんに腕を引っ張られている私は、ベッドのパイプフレームを掴んで抵抗して


「なんで私の言うことが聞けないの!」


 それでも私を引っ張り続ける星羅さんに、誰かが部屋の外から声をかけた。




「姉さん、入るよ」


 低音で跳ねるランラン声。

 姉さんと呼んだってことは……弟くん? 



 お兄ちゃんがよく話していた、星羅さんには『りく』って名前の優しい弟がいるって。

 弟君に助けてもらえるかもしれない。



 膨らむかすかな期待。

 ドアが開くのをじっと見つめる私。


 でも……


 弟君と目が合った瞬間、私の体に力が入らなくなって


 「あっ……」


 ベッドフレームを握っていた手を、放してしまった。

 星羅さんに引っ張られた勢いが強すぎて、二人で倒れ込んでしまう。


 床にお腹をへばりつけた私の前に、弟君がしゃがみ込んだ。


「望愛ちゃん、譲さんのお墓に一緒に行こう」


「えっ? なっ、なんで…… 大地くん?」


「俺を譲さんに紹介してくれる約束、ちゃんと守ってね」


 大地君は太陽のようなキラキラ笑顔を浮かべている。

 でも私には悪を垂らしたような微笑みに思えてしまうから、怖くてたまらない。



「弟って……」


星羅(せいら)は俺の姉さん」


「だってお兄ちゃんが、星羅さんの弟は『りく』だって……」


「譲さんって優しいでしょ? 背が低いのに『(だい)』って呼ばれるのが嫌って話したら、大地つながりで『陸』って呼んでくれるようになったんだ」


 大地君の話しに満足げにうなずく星羅さん。


「譲君のお墓にお供えするケーキを用意してくる。大地頼んだわよ」と、部屋を出て行った。



「ほら望愛ちゃん、立って立って」


 甘く微笑みながら手を差し伸べて、私を立ち上がらせてくれた大地君。


「このコスプレ、恥ずかしいんでしょ? タオルケットでも羽織っててよ」


 体がすっぽり入るタオルケットで、私をふんわりと包んでくれて


 ――優しい大地君に戻ってくれたんだぁ。


 ほっと安心したのに……


 次の瞬間、大地君は聞いたこともないほどの冷たい声を発した。



「望愛ちゃんって、頭大丈夫?」


 えっ?


「俺が譲さんを演じてるって、なんで気づかないかなぁ?」


 ……演じる?


「優しくて明るくて、ユーモラスでうさラビー好き。そんな人が譲さん以外に存在するって、本気で信じてたの?」


「……」


「精神科を紹介してあげた方が良いかもって、望愛ちゃんのこと心配しちゃったよ、俺」


 大地君は冗談を言っているようで、でも目は笑ってなくて、地を這うゾンビ声で、今までの大地君との違いに恐怖で私の肩がブルブル震えて止まらない。


「入学式の時に私たちが出会ったのは、偶然じゃなかったの?」


「望愛ちゃんに声かけるタイミングを、俺が狙ってた」


 狙ってた?


「スマホをスライディングキャッチしたのは偶然だよ。望愛ちゃんに借りができてラッキーだったけどね」


「私に好きって言ってくれたのも……」


「ウソに決まってるじゃん」


「えっ……」


「そんなに驚くことかなぁ。俺の告白を断り続けたくせに」


 でも……


「なんで私に近づいたの? 演技までしてなんで私に優しくしてくれたの?」


「望愛ちゃん、まだわからない?」


 わからないよ。

 制服汚してまで、私のスマホを守ってくれて。

 お兄ちゃん代わりとして、慰めてくれて。


「それはね、姉さんと二人で望愛ちゃんに復讐するため」


 私に……復讐……??



「俺にとって(じょう)さんは、とてつもなく大事な人だったんだよ」


 さっきまで凍りそうなほど冷たい瞳をしていたのに、急に優しく微笑みだした大地君。


「唯一の理解者で、こんな俺のためにケンカまでしてくれたんだ」


 口元を緩め、お兄ちゃんの写真を撫で始めた。



「俺ね小学校までイジメにあっててさ、特に野球チームからの暴力が酷くて」


「イジメ?」


「初めてモンブランを買いに来た譲さんが俺の体のあざを見つけて、話を聞いてくれてね。チームメイトと親たちが揃う試合の場に、怒鳴りこんでくれたの」


 お兄ちゃんはそういう人だった。

 悪を憎み、困っている人を放っておけない人。


「いじめに屈するくらいなら野球を武器にすればいい。譲さんが俺に言ってくれて」


 武器かぁ。

 アニメ好きのお兄ちゃんらしい発言だね。



「県選抜に選ばれちゃうくらい野球がうまい友達を連れてきてくれて、俺を特訓してくれた」


 なんか簡単に想像できちゃうな。


「中学の野球部に入ったら、一番輝くメダルを首から下げろ。そうすればリクをイジメていた奴らの目の色が、憧れ色に変わるからって」


 大地君は恩人をいつくしむように、部屋中に貼られたお兄ちゃんの写真をぐるりと見渡している。


 お兄ちゃんは本当にすごい人だったと思う。

 普段はおちゃらけていて、いじったりいじられたり。

 友達の中心でケラケラ笑ってる、単細胞みたいな人。

 それなのにここぞという時は、瞳に凛とした炎が灯る。


 他人のためにがむしゃらになって、火の粉が自分に降りかかってきても平気な顔をして、大事な人の心を必死に守ろうと戦ってくれるんだ。


 私もそういうお兄ちゃんを尊敬していてたし、何度も助けられた。

 本当に大好きだったよ。



「ねぇ望愛ちゃん、コスプレ姿撮ってもいい?」


「それはイヤ……」


「部屋中に貼られた写真の譲さんに、いつでも望愛ちゃんの姫姿を見せてあげたいから」


「でも……写真はやめて欲しいよ……」


「大丈夫、大丈夫。パシャっと撮るだけだからさ」



 大地君がデジカメの紐を首にかけ


「タオルケットを取ってよ、写真撮れない」


 不気味な笑顔で、私に巻かれたタオルケットを剥ぎ取った。

 露出多めのワンピース姿が恥ずかしい。

 隠すものがなくなっちゃった。



「ほら笑って、譲さんは望愛ちゃんの笑顔が大好きだったんだからね」


 大地君はカメラを構えたまま、私との距離を詰めてくる。


 

「写真なんてとらないで!」


「大丈夫大丈夫、望愛ちゃんは可愛いよ」


 大地君に迫られるたぎ、私は後ずさりをして


「お願い……やめてください……」


「大好きなお兄さんのために、何ができるか考えてごらん」


 不気味な笑みでさらに迫られ、ついに私の背中は壁にぶつかってしまいました。

 もう逃げ場なんてない。


「この部屋に貼る望愛ちゃんの写真は、たった一枚だけ」


「たった一枚でも、写真に残るのは嫌だよ」


「俺ね、譲さんはまだ成仏できなくてこの世界にいるって思ってるんだ」


「えっ?」


「この部屋にいなくても譲さんが望愛ちゃんの姫姿が見れるように、SNSで拡散してあげる」


 私のこの姿を、ネットにバラまくつもりなの?


「俺って優しいでしょ?」


 幽霊に乗りうつられたよう、瞳を灰色ににごらす大地君。

 薄ら笑いを浮かべながら、私の写真をパシャパシャと撮り始めた。


 顔を腕で隠しても


「望愛ちゃんの可愛い顔が見えなきゃ、撮る意味ないでしょ?」


 そう言って私の両手を左手で掴み、私の頭の上の壁に押しつけてくる。



 両手が捕らわれた私。

 横を向き、カメラから顔を背けることしかできない。


「片手で写真を撮るとブレちゃうなぁ」


「大地君、こんなことやめて!」


「手荒な真似なんて本当はしたくなかったけど、譲さんのためならしょうがないね」


 大地君はベッドの前の床に私を座らせると、自分のズボンのベルトを取り、ベッドのパイプフレームに私の両手首を縛り上げた。



 床に座ったまま、身動きが取れなくなってしまった私。


「ほどいて……」


 涙声をぶつけても、大地君は何かにとりつかれたような笑みでシャッターを連打している。


「お願い……撮らないで……」


「望愛ちゃん笑って。泣いてる写真じゃ譲さんが心配しちゃう」


「うっ……っイヤ!」


「ほら、笑って~笑って~」


 大地君に抵抗するように、うつむいたまま首をふって


「無理やりでもいいから笑えって!」


 強い命令口調にも、敢えて目をつぶって私は抵抗。


 まぶたを閉じても流れてくる涙を、肩で拭こうとしたその時、パシン! 怒りが込められた重い手のひらで私の頬がはたかれた。


「なんで? なんで俺の言うことが聞けないかなぁ」


 大地……君……?


「譲さんのためだって言ってるじゃん! なんでそれがわからないの?!」



 左頬がジンジン痛む。

 大地君の怒鳴り声に耳の奥までもが痛い。


 でも、目の前の大地君もなぜか苦しそう。

 涙を堪える様に、ぎゅーっと唇を噛みしめている。


 あっ、そっか。

 私がお兄ちゃんを家から追い出したことが、幸せだった大地君と星羅さんの人生を狂わせてしまったんだ。


 大地君も辛いんだね。

 お兄ちゃんのこと大好きなんだね。


 苦しそうに顔を歪ませる大地君を見るのがつらくなって、私はついに抵抗をやめた。



「大地君……ごめんね……」

 

 自分の罪の重さを考えたら涙が止まらない。


「いいよ、私の写真を撮っても」


「えっ?」


「お兄ちゃんに喜んでもらえるように、頑張って笑うから」



 私はやっと写真を撮られることを受け入れ、涙でグシャグシャな顔に無理やり笑顔を貼り付けた。











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