新たな神,此処に在り
…体の感覚がない
いや、無いと言うより…そもそも体が無いのか?
よく本とかで書かれる表現で一番近い物と言えば、魂だけになったような?
伝えにくいが、そんな感じだ、暑くも無いし寒くも無い
かと言って完全に何も感じないのかと言われたらそうじゃ無い様な…
考えても仕方ないな、あれは不慮の事故だよ
まさか新人が来て初日に機械が誤作動を起こして腹ぶっ飛ばされるとかさぁ…最期にしては何も喋らせてくれなかったし新人にトラウマ植え付けて去った人でしか無い。
あークソ、それにやりたいこともまだあるし、一生この変な感覚のまま過ごすのか?
神でもなんでもいいから助けてくれ、靴舐めるし洗濯もするから
いや待て、そもそも神って風呂入るのか?服も着替えるのかすらも分からん…いやいや、流石に着てるはず…じゃ無いと流石に神と言えど軽蔑してやるぞ
「んな訳無いじゃろ神ナメとんかお前」
『だって神とか実在するかどうかも分からないんだから、服着てなくてもぶっちゃけ不思議じゃ無いと言うか…』
……ん?
『…あれぇ??喋れてる、若干エコー掛かってるしすんげぇ魂っぽい!あぁ…私の魂は成仏せずにこの世に留まってしまったの…』
「茶番もそこまでにせんかあほんだら!!せっかく死に様が無様だからいちいち魂引っ張って此処に連れてきたちゅうんに、ワシの努力を無駄にすんなカス!!」
『いっちいちうるせぇなアホだのカスだの!そう言うのは地獄に居る極悪非道の奴らに言えよって誰ぇぇぇ!???』
え?女?てかちっっさ、150㎝も無いんじゃないかこれ…紫っぽい色の髪に、なんか神々しい服装…そんでそれに包まれてる小さい女の子
『あーなるほどなるほど……迷子?』
「お前この状況で迷子が現れる訳無いじゃろうが、そろそろゲンコツの1発や200発やらせろカス!」
『1と200の差分かってんのか???100円と1万円比べてるもんだぞ…てか迷子じゃ無いなら誰だよ、そんな神々しい服装に包まれてる女の子とか笑える図だぞ?』
「ほんっとぶん殴りたい奴じゃ…もう単刀直入に言うぞ?わしは神じゃ、そんでお前はわしに拾われた死人、分かったな?」
なるほど,つまりあれか
俺の死に様が可哀想だからわざわざ魂を天界に持ってってくれたと
『超優良じゃん、ナメた口聞いてすんませんした』
「そんなんで許されると思うか、微生物に生まれ変わらせるぞ」
『嫌だよあんな鯨の餌専用みたいな…』
「世の鯨と微生物に謝れドアホ、お前のせいで気が狂うわ…もういい、本題に入るぞ」
「お前にはこれから三つの選択肢の中から一番良いなと思ったのを選ぶだけじゃ、早速一つ目じゃ!」
女神(本物?)は小さい手で人差し指を立てる
「まず一つ目は、お前が生きてた日本で生まれ変わり、また赤ん坊から人生再スタートじゃ」
なるほど、生まれ変わりか…となると、残りの二つは天界で過ごすーとか生き返らせるーとかそんな感じか…
「二つ目、ここ…天界で暮らす。あの世界とは違って善人しか居らんからの〜、平和じゃぞ?」
『その天界をすべる神が口めっちゃ悪い件について議論しても?』
「良い訳無いじゃろうが魂握り潰すぞ…ごほん、そんじゃ最後の三つ目じゃ」
『サラッと殺害予告受けた!!いや厳密に言うと死んでるから殺害予告では無いのか?わっかんねぇ」
『神が説明してる時にいちいち文句垂れるんじゃ無いわドアホ!!はい三つ目は異世界に飛ばすって言おうとしたんじゃがこの調子じゃ無理だと判断したので無しに______」
『うぉぉああああ!!靴でも足でも何ならミルワームでも舐めてやるから三つ目にしてくれ!!!』
異世界転生!?そんなのもう一瞬で決まりじゃないか!!
異世界転生と言えば!チート能力貰ってメインヒロインと出会って冒険してる途中にどんどん仲間が増えてって次第にハーレムウハウハ…そんな世界だろ!!!!!
「…食い付きっぷりがハイエナじゃのう、まぁ分かった、三つ目じゃな?後悔はしないと誓うか?」
『あったりめぇよ神に誓うぜ』
「その神に初手迷子扱いした醜い奴がどっかに居るんじゃが?」
『まぁまぁ、死んだ後急に子供みたいな人が現れたら思ってる以上に混乱するからな?』
「はん、まぁ良いわ…それで異世界に飛ばすって事で決定したんじゃが、枠がほぼ埋まってての…、残りの世界が一つしか無いんじゃ」
……え
異世界ってそう言うシステムなの?
『いやまぁ一つ残ってるなら全然そこで良いんだが…』
「いや、その世界じゃな?多分普通に転生したら多分リンチされてミンチになって食われるみたいな世界じゃから…」
『いやハンバーグの過程みたいな説明されても残虐さ隠しきれてないからな?』
「隠す気は無いわ、もしその気があればとっとと送り込んでお前の無様な姿見とる」
『心無いのかお前、いやまぁそれ言われても異世界だからと言う謎の説得力が…』
「…地球じゃ異世界ってのはどこまで酷い世界なんじゃ…まぁわしも優しいからの、ちょちょいと小細工してやるわ」
小細工か…果たしてメリットになり得る物なのかね
「そんな疑わしい目をするで無いわ、そうじゃな…好きな職業をなぁんでも好きに一つ選ぶが良い」
『…いやいや、それってめっちゃメリットしかないじゃん…まじ神様パネー』
「褒めるのは後にしろ、その後は褒めちぎって良いからの、んで?決まったか?」
『そうだな…』
俺はサラッと神が叩きつけてきた職業一覧を見つつ、脳をフルスロットルで働かせる
『…そんじゃ、この異世界での神にでもなっちゃいますか!』
「つくづく馬鹿じゃな、お前に神が務められるか…じゃがまぁ、あそこまで酷い世界じゃ、お前みたいな能天気な馬鹿が神になった方が皆馬鹿になって平和になるかもな、よし!職業は神じゃ、ほぉれ行ってこ〜い!!!」
『ちょ、え?職業一覧にも無いし適当に言っただけで、そんなプレッシャーえげつない奴押し付けられても、ちょっと!!蹴るな!』
俺はクソガキ(神)に蹴り落とされ、多分異世界に繋がるであろう光の柱に吸い込まれていった
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