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現世到着

日が昇り始めた朝方、ポッドに乗り天界から地上に戻ってきた俺は、さっそく新居で荷解きを行ってきた。


「にしても俺犯罪者だろ...?、こんな高級マンション身の丈に合わな過ぎやしないか...」


前回前々回は普通のアパートだったのに、今回は頑張っていたから特別だよと上司が頑張ってくれた結果、部屋の数が両手で収まりきらない...、天界で働いているといっても仕事場は地上なので、天界のことは分からないが、こうやって用意してくれた上司や天界の皆には頭が上がらないな...


「にしても、ひどいなこれ..」


俺の持ち物はアパート時代から何も変わっていないため、全てを置き終わっても部屋の中はスッカスカである、もちろんソファやテレビにベッドに調理器具など、最低限以上の家具は揃っているのだが、小物はないためスッカスカだ。

この広すぎるスペースと高価な家具の前では俺率いる愉快な仲間たちはミクロン以下のゴミに等しいのである。


「さて明日から入学式だよな、遅刻なんてして悪目立ちしないようにしないと。」


俺も体は若いが、心はいい歳だ。遅刻なんて初歩的なミスを犯しら恥ずかしくて死んでしまう。


「昼ご飯も時間じゃないよなぁ...、あっそうだ今回から支給されただったな。」


俺は机に置いていたタブレットを手に取る。


「あーと、導き手の皆様が活動しやすくするために開発されたこの世の人間の図鑑AIだったかな。」


起動すると林檎をかじる男性を二人称視点で模したロゴが出てくる、天界に著作権は通用しないようである。

ロゴが消えるとヒヨコに天使の輪っかが付いた可愛らしいキャラクターが出てきた。


「ようこそ、全人類個人情報図鑑 コネクトへ。ご主人様のサポートを務めます、専用AIのヨッピーでございます。これからよろしくお願いします。」


「えっあーよろしく?」


電子音声とは思えない透き通る声に驚きキョドった返事をしてしまう。...個人情報図鑑...?個人情報保護法は役目を終えてしまったのだろうか、人の権利に余裕で抵触している。


「その全人類個人情報図鑑ってのはなんなんだ?」


「その名の通り全人類の個人情報を例のモンスター図鑑の如くまとめており、図鑑の内容は日ごとに変更を行っております。」


「なるほどな、そうかそうか神様はそういう奴だったのか、プライバシーなんてあんたもんじゃねぇな、本当に最悪だよこのやろう。」


俺がAI相手だからと思ったことをそのまま口に出すと、ヨッピーは表情を変える


「ご主人様、主への冒涜はお止めください、そして分かったなら懺悔しそこに頭を擦り付けなさい。」


「...すいません。」


下手したら地獄行きである、相手がAIだろうとプライドに頼ってはいられない、人?工知能に敗北した人間のまつろである。


「...まあいいでしょう、ではご主人のサポートはこれから私にお任せください。」


狂信者AI様々である、天界の人は本当に良い人ばかりなのだが、皆も下手なことを言ったらコレのようになってしまうのだろうか...。


「本当にすまん...それで早速検索したいんだが、今テレビで有名なアイドルのスリーサイズを頼む」ニコ


俺はキレイな笑顔をヨッピーに向けそう頼む


「アナタこれ以上私を失望させるのは止めてください、センシティブな内容などはまとめておりませんので検索は行えませんよ。」


俺は男の欲望とこいつの信頼どちらも得られなかったようである、そして何気にご主人様からご主人 アナタとランクダウンしている、既に主従関係は崩壊寸前だ。


「二兎を追うものは一兎も得ず...か」


「カッコよくないですよ?地獄落ちます?」


「すいません調子乗りました。」


ふざける中学生とそれを叱る母親のような構図になり大変恥ずかしい。


「ふざけました...本当にもう気をつけるよ」


「次やったらゲンコツですからね?」


「分かった...それじゃあ検索を頼む、ターゲットの二人についてだ」


「了解致しました、ではまず...


__________________________

            翌日


パッパラッパ!!!パッパラッパ!!!!パッパラッパラッパパーーーーーー!!!!


「うぎゃあ!!!」


眠っていた俺はタブレットから爆音で流される軍隊のラッパの音で飛び起きる。


「朝ですご主人、とりま起きて準備をしなさい。」


「それ軍隊で使うやつだから!!もっとピアノとか耳に優しい楽器使いやがれ!!!」


「おっ?おっ?やりますご主人??、お望み通り地獄に連れて行ってやりますよ???」


ちょっと話し方に堅さが無くなったヨッピーがそう言いながら再度再生ボタンにカーソルを合わせる


「悪かった!!起きる起きるから!!、ってまだ四時間前じゃん!!外真っ暗なんだが!?」


「身だしなみを整えたり計画を確認したりすればすぐ過ぎますよ、なので早くその汚顔を洗ってマシにしてきてください。」


重い腰を上げ、遠い洗面台に向かう。


話し方の堅さが無くなった分言葉の棘がアップグレードされている、それもそのはず昨日話している際、他人行儀な接し方に居心地の悪句していた俺がヨッピーにフランクに接してくれるよう頼んだのだ、おかげで現在は思っても決して口に出さないような悪口のエレクトリカルパレードとなってしまった。


「マジ防音しっかりしてて良かった...」


「ほんとにこれじゃあマイク部分がイカれちゃいますよ、朝から大声とか勘弁してほしいですね。」


「お前は自分を見るカメラ取り付けた方がいいな、帰ったら上司にお願いしてやるからよ」


それから風呂に入ったり朝飯を食べたり計画を確認したりしていたら、あっという間に登校時間になっていた。


「俺はターゲットを支える脇役として、さりげない縁の下の力持ちスタイルでいく!!やるぞ!!やるぞ!!やるぞーー!!」


ターゲットは男女一人ずつ!、俺は最後の仕事の始まりに奮起する。


「ご主人は前回それで成功させていますし、スタイルに問題は無いでしょう。問題はそのスカした顔ですね、早速地獄に落ちましょうか。」


「うん!!そっか!!!」


せっかく入った気合をチューチュー吸ってくるドレイン野郎に負けないよう大きな返事をする。


「それじゃあ行ってきます!!」


「おいご主人置いていこうとしないでください、私必要ですよね?」


「行ってきます!!!」


「おいご主「行ってきます!!!」地獄に落ちてくださいよタコ」


言い合いは10分も続き結局連れて行くことになった。












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