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勇者に滅ぼされた惨めな大魔王


 我が名は、大魔王バラティス。

 その名の通り魔王である。史上最強と言われ、チヤホヤされてきたが私は平和を望んだ。

 しかし、遊んでいたら人間の領地に踏み入れてしまったのだ。それが1000年前。そこからずっと戦争が続いている。

 長すぎだろ。そんなツッコミ入れないでくれ。私でも薄々思っているんだ。だが、人間はしつこいからな。こうして、勇者の小僧がたまに来るのだ。200年に1度くらい。


「大魔王バラティス!これで終わりだ!」


「ふん、かかってこい。お前みたいな奴がいるから世界は統一されないのだ」


「いや、お前がいなくなればこの長かった戦いに終止符をうち、人間が平和になるのだ!!」


「はっ、そう言っているが人間のことしか考えていないでは無いか。

 それで罪のない人間がまた死んでゆく、偉い奴らが自分達のことしか考えていない例の代表例だな。

 我ら魔族の平等の権利は? 生まれが違うだけで格差を受けなければいけない我なの気持ちは考えたことがあるのか? 」


「ごたごたうるさい。もういい! 闇の業火に焼かれて消えろ。漆黒の業火(デス・ファイア)!! 」


 これだから人間は気に食わんのだ。みんな考えようともしない。

 そして、毎回この小僧らと戦っていて思うのだがこいつらネーミングセンスどうなっているんだ? 

 こいつの手からは黒炎が出ている。

 まぁ、 ま さ か こんなものに負けるわけが無いがな!  


「ふっ、そんなダサい名前のスキルに燃やされる訳な……消えない……何だこの炎!!…………貴様、何をした!」


「ふっ、馬鹿な大魔王よ、自分がやった事に後悔するがいい!! 」


 死ぬ?この私が?こんなちっこい人間の小僧に?

 漆黒、熱い、熱い。私は死を悟る。

 あぁ、長い人生だった。いや、魔族生?なんか嫌だな。大魔王生でいいや。

 そういえば、私の部下はみんなどうなったのだろうか。

 死んだのか?それとも逃げたのか?まぁいい。私はいつも何かあったら逃げろと言っていたからな。

 でも、最後くらい。私の最愛の幹部達。魔王ヴァレンタイン、魔王レミラス、魔王バラミス、魔剣士ミレウス。

 だが、最後にこの人間の小僧に言いたいことがある。


「最後に……言おう。私が消えることで……世界がどれだけ…………乱れる……か…………後悔………………すれば良い……。」


 そうして我の意識は消え失せた。

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