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エピソード3

エピソード3ー1

窓の外の光景に驚愕してる僕をスニークさんは僕の手を引いてソファーに座らせた。


スニーク「少し待ってろ。」


そう言ってスニークさんは鉄の箱に銀色の板をかざした。すると、「ゴトン」と音が鳴り何かが出てきた。

スニーク「ほら、これ飲んで落ち着け。毎回同じだといい加減飽きるだろうし、変えてみたけど・・・どうだ。」


差し出した【ペットボトル】にはここ5日間で飲んできた水と少し違った色をしている。開けて少し口に含んでみた。するとまた違った味がする。そして、何かが口の中で弾けている!こうなんと言うかシュワ、シュワとする!それでいて凄くおいしい!今まで飲んできたあの水と比べても甲乙つけ難い味だ。どんどん飲もうとするとむせてしまった。ゲホゲホとせきをする僕にスニークさんは言う。


スニーク「あー、炭酸は初めてだもんな。言えばよかったか。悪い、ビックリしたか?」


ヒューム「げほ・・・げ・・・。あの、これはいったい?」


スニーク「微炭酸の飲み物だ。名前はキリートレ〇ン。気に入らないか?」


ヒューム「いえ、凄くおいしいです。でもヒュームさんは凄いですね。いつもこんなに凄い物を持ってるなんて。」


スニーク「おいおい、勘違いが過ぎるぞ?それ、うちの会社があそこの自販機用意してそれ開発している企業と契約してるだけだ。第一に俺はその商品の開発に一切関わってなんか××〇〇”””$$$&&・・・。・・・?。・・・!。◇▽□〇XX!!。」


スニークさんが突然訳の分からない事を言い出した。顔を見る限り何やら面倒な事が起きた様だ。腰についている鞄から長方形の箱を取り出して表面を開ける。そこから何かを取り出して新しく取り出した物を入れた。箱の一部が赤く光る。


スニーク「・・・クテスト、マイクテスト。ワン、ツー、スリー、オールオッケー?ヒューム少年。直ちに応答せよ。」


ヒューム「え・・・あ・・・。はい。大丈夫です。聞こえます。でも、一体何です?もしかして僕の耳、おかしくなっちゃったんですか?」


スニーク「違う、違う。翻訳機のバッテリー切れだ。ほれ、この機械だ。これなんだが周囲10メートル範囲の人間の脳を自動的に解析。すると対象の人物が最も適した言語を特定する。そして脳へ内容を直接伝達する。相手にはそれが耳から聞こえているようになってるらしい。頭の中にそのまま伝わると・・・まぁ、パニックを起こすからな。」


ヒューム「・・・?・・・???。」


混乱する。さっきから未知の言葉ばかりをスニークさんは連発している。それを見かねたのかスニークさんは苦笑しながら言う。


スニーク「まぁ、安心しろよ。解らん事だらけなのは当然だ。徐々に教えていく。っていうか。そろそろ行かないとな。それ、持ったままでいいから移動するぞ。」


そう言って僕の手を取り歩き始める。通路を歩いて右に曲がった。すると、壁の色が白い通路になり少し歩くと扉にたどり着いた。スニークさんが壁に付いたガラスに目を当てる。するとそこから声が聞こえた。


???「帰ったかスニーク。待っていたぞ。・・・ふむ、話には聞いていたが相当無茶な事をしたな。そこにいるのが例の少年か?まぁ、私としては興味深い内容だ。法律だのモラルだのは二の次だ。少し待て。今、ロックを外す。」


すると扉の取っ手についている灯りが赤から青に変わった。スニークさんは扉を横に開いて中に入った。部屋の中は広く涼しい。でも部屋の真ん中にはガラスがあって部屋を真ん中で分けている。ガラスの向こう側には男の人が座っていた。村の長老よりは若いけどスニークさんよりは年上の男の人がいた。背筋を伸ばして椅子に座り、机には何枚かの紙とペン。壁にはガラスなのか判らない物が張り付いていて・・・。ぼーっとしていると男の人が話しかけてきた。


???「で、どうだったかな?スニーク。向こうの世界の状態は?こちらの状況はかなり芳しくないが私にとっては些末な事だ。何より、連れ帰ったその子を是非とも調べたい。こんな事は人類初だ。色々協力してもらうことになるぞ。」


怪しい・・・。怪し過ぎる・・・。不敵な笑いを浮かべ、おうとつの付いた板をひたすら指で弾いている。何より僕を大事にしてくれるようにはとても思えない。それが表情に出ていたのかスニークさんが言った。


スニーク「ドクトル・・・。まずは自己紹介だろう?それにこいつは外の光景見せて唯でさえ混乱しているんだ。医者の端くれならば今から診る・・・まぁ、あんたにとっては大事な検体だ。要らないストレスを与える事はあんたにも好ましく無いだろう?」

???「お前の言う通りだとも、スニーク。ただし、その言葉は訂正してもらわなくてはならんな。この私を【端くれ】扱いとはどういうことだ?私ほど人類の医学に貢献した存在は古今東西に存在しない。」


スニーク「怒るなよ。あんたにはうちの会社がどれだけ助けれているかは判りきっている。俺たちの事業はあんたがいないと成り立たん部分が多い。その恩恵は計り知れない。」

???「そうとも、そうとも。このアルベルト・ベルクマンに君たちは常に助けられているという事実を忘れられては困る。」



エピソード3ー2


アルベルト・・・。そう名乗った男の人はおうとつのついた板をはじき終えたのかこちらに向き直った。


???「やあ、少年。私の名前はアルベルト・ベルクマン。ドイツ出身の天才医学教授だ。君の身体のありとあらゆるものには実に興味がある。是非とも調べさせてくれ。それと私を呼ぶときは、【ドクトル】か【アル教授】と呼んでくれ。」


僕は考え直した。怪しいどころの話ではない!何をされるのか分かったものではない!一歩、二歩とたじろぐとスニークさんが背中を支えた。


スニーク「ドクトル・・・。怖がらせてどうするんだ?本人が拒否をするならば診察させてもらえなくなるぞ?」


ドクトル「そうか?本人はまんざらでもなさそうだが?未知の経験が出来るのならば人間は基本喜ぶものだろう?」


スニーク「あのな、人類全員があんたみたいなイカレ・・・じゃない。天才ばかりじゃない。あんたの基準で物事を判断するのはやめてくれ。」


ドクトル「んー?今、何か不適切な言葉が聞こえた気がするのだが?」


スニーク「・・・っ!気のせいだ!もう、いいだろう?そろそろ始めてくれ。まずは俺からだ。」


そう言うとスニークさんは荷物を部屋の隅にある箱に収納した。衣服を脱ぎ、裸になると隣の部屋へ入った。しばらくすると水の音が聞こえてくる。その方向を見ているとアル教授が話しかけてきた。

ドクトル「さてさて、今のうちだな。少年。名前と歳を教えてくれないか?」


そういうと、アル教授はまたおうとつの板に向き直った。


ヒューム「え・・・。はい。僕は・・・僕はヒューム・ジャメントと言います。歳は11歳です。」


ドクトル「今までどのような生活をしてきたのかね?一日の生活を起きて寝るまでに順番に教えてくれ。」


ヒューム「はい、えと。まず、村の誰よりも早く起きます。火を起こして水を温めてお椀に入れて飲んでました。それから畑に出て作業を始めます。昼間で働いて、パンをかじって少し休んだらまた畑に行きます。夕方になったら作業を終えて、他の家に行って夕食の余りを貰いに行きます。それを食べたら眠っています。」


ドクトル「その生活はいつ頃から始めたのかね?」


ヒューム「お父さんが2年前に死んじゃって・・・。それからです。」


ドクトル「なるほど。それはイカンな。早急に治療を開始する必要がある。君の髪の色は生まれつきその色かね?」


ヒューム「はい、そうですけど・・・何か変な色でもしてますか?」

ドクトル「あまりこちらの世界では見かけない髪の色だ。銀髪とは珍しい。診察が終わったら一本で構わない。髪の毛を貰いたい。」

ヒューム「髪の毛・・・ですか?どうしてです?」


ドクトル「君の健康状態を確認するためだ。状態を確認するのも大事だが、過去の状態を知らなくては治療方針も立てられん。その髪の長さなら1年と2,3か月過去を遡っての体調を知ることが可能となる。」


再び板のおうとつを弾きながらアル教授は答えた。そうしているうちにスニークさんが隣の部屋から戻って来た。下は薄手のズボンを、上は同じような薄手のシャツを着ている。


スニーク「ん?もう問診を始めていたか。ヒューム、大丈夫だったか?」


ヒューム「え、はい。色々聞かれましたけど・・・。でも、どうしてこんな事を聞かれているのかは分かりません。」


スニーク「まぁ、そうだろうな。ドクトル、おかしな事を聞いて無いだろうな?」


ドクトル「何を言う。一般的かつ初歩的な状態しか確認しておらん。」


スニーク「あんたの言う一般的と初歩的は世間とは乖離が激しいからなぁ・・・。」


スニークさんはそう言うとガラスの前に立つ。よく見ると少しだけ厚さが違う。アル教授が机の上の青い色の突起を押すとそこが開いた。スニークさんが中に入るとまたガラス扉は閉じた。


スニーク「ヒューム。今から俺はドクトルから診察を受ける。どんなもんだかをそこから見ておくんだ。ドクトル、頼む。」


そう言うと、アル教授は首からぶら下げている平たい金属片の付いた細い筒を耳に付けてスニークさんの胸やお腹に当て始めた。次は目を覗き込んだり、口の中を見たり、指先に変な物を取り付けて・・・。訳の分からない事だけどテキパキと動いている。その都度その都度、紙へペンを走らせている。でも、次の行動に僕は驚いた。針の付いた透明なガラスの筒をスニークさんの腕に刺した。すると、そこに血がみるみる溜まっていく!でも、スニークさんの表情は平静そのものだ。一体全体何をしているのだ?何本かの透明な筒にスニークさんの血を集め終わると針を抜いて茶色い何かを針を刺した場所に張り付けた。


ドクトル「ふむ・・・。まあ予想は出来ていたが、現状を見る限りは特に危険な兆候は見られ無いな。後で尿と大便を調べる。提出してもらうぞ。」


スニーク「あんた相変わらず簡単に済ますな。俺が今回行った場所はまだこっちの人類が行ったことの無い地域だ。未知の病原菌がいてもおかしくない。もしあんたがそれに感染したらどうするんだ?」


ドクトル「あらかじめ免疫機能を強化する薬剤と抗生物質を服用している。これの効果が無くて私に何らかの事態が起きればそれだけのことだ。人類の医学が敗北して、ただ私が死ぬだけだ。何のことはない。」


平然と言ってのけるアル教授。さっきからついていけない。ただ一つ解るのはアル教授はもの凄く勉強熱心でいる。その為なら自分の命を賭けても惜しくないくらいに。その真面目な態度に少しだけ僕は気持ちを許した。スニークさんはこちらに戻って来る。


スニーク「待たせたな。今度はお前の番だ。先に体を洗う。シャワーに石鹸、シャンプーの使い方も教える。服を全部脱いだら向こうの部屋に行くぞ。」


そう言って僕を誘導する。言われた通り僕は丸裸になって隣の部屋に入った。今までとも違っただ。花のような香りが鼻孔をくすぐる。細かい穴がたくさんついた銀色の筒の前まで案内されるとスニークさんは壁についている物に触れて何やらやり出した。


スニーク「設定温度は・・・まぁ、43℃くらいかな。」


スニークさんが金属の取っ手をひねると細かい穴から水・・・じゃない湯気がたっている。お湯が出始めたのだ!


スニーク「湯加減はこんなところか。よーしヒューム、こっちに来い。洗ってやる。」

そう言われて僕は、恐る恐る近づく。手の先から触れてみた。思った通りに温かい。火も無いのにどうやってお湯を作り出しているんだ!?スニークさんは僕の肩や胸にお湯をかけ出して全身を温めてくれている。数分浴びると、スニークさんは次に隣に置いてあった筒を手に取った。中から白くてドロドロした液体を手に取った。


スニーク「目に入ると沁みるから閉じておけよ。」


そうするとスニークさんは頭に液体を塗り付け始めた。ゴシゴシとしていると泡立ち始めた。部屋の中に漂っているのと同じ花のような香りがする。目をつぶって5分程度経った後でスニークさんはお湯をかけて泡を流し終えた。


スニーク「よしよし、まーこんなとこか。次は身体だ。このタオルと石鹸使うぞ。」


そう言うとスニークさんは目の粗いタオルと石鹸というものをこすり合わせた。すると、また泡が立ち始めた。僕の身体を片手で支えつつタオルで僕の身体を洗い始めた。こっちの泡は匂いがしない。でも、長い事水浴びもしていない僕の身体から汚れがどんどんと落ちていく。全身を洗い終えるとまた体中にお湯をかける。ここ何年分の汚れがたった15分で洗い落ちてしまい驚いているところにスニークさんが話しかけてきた。


スニーク「どうだ、初めてのシャワーは?なかなかいいだろう。さっぱりしたか?」


ヒューム「はい、凄く気持ちいいです!今までだと月に1,2回、村の井戸水で頭から桶で流すだけでした。冬場は絶対に出来ないですし。凄いですねここは。何もかもが凄いです。」


スニーク「よーし。じゃあ、あそこに置いてある服に着替えろ。」


エピソード3-3


スニークさんが指を向けた先には、籠が置いてあった。その中にはスニークさんが先ほど来ていたズボンとシャツと下着が備えてある。僕は言われた通りに服を着替えるとシャワー室から出た。ある教授に目を向けると壁に付いてあるガラスに映った人と話をしていた。


男「アル教授、こちら衛生管理班。帰還したハル・・・いえ、スニーク氏の通った通路の滅菌処理が完了しました。アルコールを散布した後に換気を行い、紫外線を5分間照射。作業員が退避をさせた後でCO2ガスを噴霧しております。通路を確認しましたが病原菌の反応は出ておりません。ただしターミナル室はデリケートな機材への影響を考慮し、封鎖しております。」


ドクトル「ふむ、それで問題無いだろう。私が許可を出すまでターミナル室は原則として入室は禁止にしてくれ。未知の雑菌、ウィルス、バクテリア。それに転送時に紛れ込んだ土などからも価値のある物が発見できるかもしれんしな。そこは興味深い。調査する時には私も同行する。日時は後日伝えてもらえれば結構だ。因みに二人が持ち込んだ荷物がこちらにある。後で回収して同様の処理を施してもいたい。劣化が著しかったり、何らかの危険性が認められれば廃棄処理を頼む。」


男「わかりました。ターミナル室の調査は教授の日程の中でお時間がある時で結構です。こちらからの報告は以上です。では、失礼します。」


そう言い終わるとガラスから男の人の姿が消え、元の黒い状態に戻った。アル教授が向き直る。

ドクトル「よし、診察を開始する。ヒューム君、こちらへ来てくれ給え。」


アル教授が青いおうとつを押すと前と同じようにガラスが横に動いて開いた。中に入り、教授の対面に置いてある椅子に恐る恐る座った。スニークさんも一緒に来てくれている。


ドクトル「では、始めよう。」


そう言うと、スニークさんの時と同様に僕の身体をあちこち調べ始めた。でも、内心は恐怖で満ちている。そしてそのタイミングは訪れた。あの針の付いた透明な筒を取り出した。


ドクトル「スニーク。この子、アルコール耐性はあるかわかるか?」


スニーク「うーん、保護した時に栄養剤を注入した。中には微量のだがアルコールが含有していたが危険な兆候は見られなかったな。」


ドクトル「じゃあ、問題無かろうな。」


スニーク「・・・あんたそれでいいのか?随分といい加減だな。」


そう言うと、白い布?を腕に擦り付けた。スースーとする。そこにいよいよ針を近づける。恐怖の余り目をつむる。・・・10秒、20秒経過しただろうか?まだ、痛みは感じない。


ドクトル「よし、終了だ。この血液検査結果は3日後までにはに伝える。・・・ん?どうした、ヒューム君?後は君の髪の毛を提出してくれれば診察終わりだ。一本貰えないか?」


ヒューム「え、あの。さっきの針は?」


ドクトル「これの事か?もう終わったが。」


そう言うアル教授の机の上には、僕の血であろう物が入った筒が3本あった。


ヒューム「えぇ!?全然痛くありませんでしたよ?どうやったんです?」


ドクトル「知らんだろうが、人間には痛点と呼ばれる部分がある。そこを避けて刺したし、この針は私が考案・開発・改良を重ねた上で作った。まあ、全くの無痛にはならんがな。ところでスニーク、この子のここ最近の大便は集めているか?」


スニーク「ああ、保護して3日間は用をする度に回収した。あの荷物の中にある。衛生班と立ち合いしながらやってくれ。尿は気温差がひどい環境だったから採取してない。」


ドクトル「わかった。ヒューム君、次にトイレに行きたくなったら紙コップ渡す。そのコップに半分程度でいいから、尿を入れて提出してくれ。」


ヒューム「はい、わかりました。・・・でも、僕のう〇ことおし〇こなんて何に使うんですか?」


ドクトル「何って・・・決まっておるだろう。食べるし、飲むんじゃよ。」


ヒューム「はぁ!?」


スニーク「・・・はぁ、ドクトル。」


ドクトル「わが祖国、ドイツでは少年の大便と尿を嗜む文化があるのだ。ヒューム君は隣の世界の住人なんじゃろ?こんな事やれるのは私が人類初だ。人類屈指の頭脳派であるこの私がこの機会を逃すはずなかろう。」


僕は戦慄する。確かに変わった人だとは思ってたけど、まさかここまでとは・・・。


ドクトル「大便とヴルスト、ビールとの組み合わせは最高だ。今から楽しみじゃわい。」


ヒューム「・・・あ・・・あぁ・・・。」


ドクトル「味が良ければ・・・まぁ、定期的に提出してもらう事にもなるだろうなぁ・・・。」


そう言ってアル教授は怪しげな笑みを浮かべる・・・。見かねたスニークさんが割って入る。


スニーク「ドクトル、もういいだろう本気で嫌がってるぞ!?悪い冗談にも程がある。安心しろヒューム。教授にそんな趣味は無いし、ドイツにもそんな文化は存在しない。全部嘘だ。」


ドクトル「当り前じゃよ。っていうかヒューム君はなんでこんな話を信じるんじゃ?我が偉大なる祖国ドイツにそんな無意味で訳の分からない文化風土がある訳無かろう・・・。世界屈指の頭脳集団であるゲルマン人を侮辱してるの?」


スニーク「オメー自身がこれ以上ないくらいに最大限に侮辱してんだよ!それも現在進行形でな!」


ドクトル「怒るな怒るな。2週間の出張で疲れているのか?ある程度慣れたとは言え、未知の土地に行ってストレスを感じないなど無理だからな。何なら精神安定剤処方するが?」


スニーク「たった今、アンタのやらかしでストレスがマックスになったんだよ!もういい、ヒューム。行くぞ。」


ドクトル「待て待て、悪かった。ヒューム君。君の健康状態はこれから調べるが、摂取しても良い物はこちらから指定する。それ以外は基本的に取らない様にしてくれたまえ。部屋を与えるが2週間は決められた範囲から出ない様にしてくれ。解っているだろうが、スニークも同様だ。」


スニーク「解ってる。未知の病原菌がいたらパンデミックになる。収拾が付かなくなったらヤバイからな。」


さっきから二人が何を言っているのかわからない。でも、スニークさんとはしばらく離れ離れになるようだ。


ヒューム「えと、スニークさん。その・・・当面は会えなくなっちゃうんですか?」


スニーク「直接会えないと言うだけだ。部屋にモニターがある。使い方はお前を担当するスタッフから聞いてくれ。それを使えば俺といつでも話せる。他の設備の使い方も学べ。2週間はその学習の時間にしろ。」


もう本当に訳の分からない。でも安心していいらしい。そう言うとスニークさんは僕の手を取って部屋から出ようとする。その後ろからアル教授が声をかける。


ドクトル「でも、実際にあるとこにはあるぞ?どこの国だったかは忘れたが子供の尿と卵を掛け合わせた伝統料理が存在してでだな・・・。」


スニーク「ヒューム、もうしばらくの間は教授の話は聞かなくていいぞ。ドクトル・・・そんなんだから社内で【変人】扱いされるんだよ・・・。」


ドクトル「この頭脳の価値が約束であるのであれば【変人】で結構だ。それにこの国では言うだろう?【変人と天才は紙一重】だと。」


スニーク(それは【変人】じゃない【バカ】だ・・・。)


言葉に出して言うと教授からまた噛みつかれかねない。そう思ったスニークは黙ったままヒュームを連れて部屋の外へ出た。

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