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エピソード13

次回で観光回終了です。

文化に素直に喜びを表すヒュームはとても素直な子です。

天ぷらと刺身は完全に好みです。

エピソード13ー1


スニーク「よーし、とうちゃーく。お疲れさんだ、ヒューム。荷物持って降りろよ。俺は駐車場に車停めてくる。」


そう言って僕は宿の前に立つ。【日光 トーカンソー】。ここが今日の外出を終える場所だ。玄関の両脇には提灯が飾られていてほど良く明るい。見渡す周りには、竹の土台に小さな石を敷き詰めて松を植えた生垣が並んでいる。整然とした風景に圧倒される僕にボコボコピンクの車を停車したスニークさんが合流する。


スニーク「さーて、中に入っちまうぞ。連絡はしてたがチェックイン遅れてるからな。」


そう言ってスニークさんが扉に手を掛けて中に入る。続いて僕も入る。


スニーク「すみませーん、予約していた南です。到着が遅れました。」


そういうと女性が奥から出てくる。女将さんらしい。


女将さん「本日はお越しいただきありがとうございます。お疲れでしょう、お部屋へ案内いたします。靴をお脱ぎになってお入りになってください。靴は私共で管理致します。出発の際にはお手数ですがお声かけて下さいませ。」


そう言って僕とスニークさんは靴を脱いで上がらせてもらう。僕は女将さんの後ろを歩き、スニークさんが僕の後を歩いている。廊下の内装も外観に引けを取らない程に綺麗だ。掃除の手が行き届いてあって、廊下の角には花の刺した壺なんかが置いてある。何の壺か、どんな花かを確認しようと足を止めていると後ろからスニークさんが「女将さん行っちまうぞー。」と注意をしてくる。「ごらんになって頂きてかまいませんよ。」と女将さんが言ってくれるが「大丈夫です!」と返事をして後を追う。後ろからスニークさんの苦笑が聞こえてくる。そうして女将さんは扉を前に止まって言った。


女将「こちらがお客様が本日ご宿泊するお部屋となっております。」


そう言って扉へ手をかける。力を入れた様子も無くスーッと横に音も無くスライドする扉。開けられた部屋の中の様子を見て僕は言葉を失う。光、音、匂い。動画や写真でしか見たことの無い日本の伝統の室内が目の前に広がった。広すぎない大きさの和室には木製の背の低いテーブルが置かれていて、クッション付きの敷かれた背もたれ椅子が置かれている。奥の窓側にもガラスの小さなテーブルが置いてあり、こちらにも座り心地のよさそうな木製の椅子が置かれている。促されて入った室内の畳を踏んだ感触は一生忘れないだろう。ほど良い弾力と冷たすぎないぬくもり。何よりの踏んだ感触の良さを味わっていると、


スニーク「入口で地団駄やらんでくれよ。せめて入ってからやれ。」


と、また注意を受ける。荷物を置くために奥の窓辺までやって来て、外の夜景の美しさに驚く。東京の様な光ってばかりの夜景とは違う。主張の強すぎ無い柔らかい光で満ちている。いつも見ている夜景は見てて目が痛いくらいだけど、こっちの夜景ならずーっと見ててもいいくらいだ。


荷物を降ろさないで外の様子に食い入って見る僕を見かねたのか、


スニーク【あー、しばらくは放っておきますか・・・。】


と、女将さんに目配せをする。スニークさんと女将さんは外の様子にくぎ付けの僕を他所に話を始めた。


スニーク「えーと、夕飯とお風呂はどうなってますか?」


女将さん「そうですね、お夕飯は21時までに召し上がって頂ければ。お風呂は大浴場が24時まで入れます。朝の6時までは清掃が入りますのでその点はご注意ください。」


スニーク「わかりました。こいつが疲れてるんで、先にお風呂に入ります。20時半に夕食の準備をお願いします。夕飯のメニューはどうなってます?」


女将さん「はい、旬野菜の天ぷらと刺身の盛り合わせとなっております。ベジタリアンの方はいらっしゃいませんね?」


スニーク「ええ、二人とも問題は無いです。食への配慮は無くて大丈夫です。」


女将さん「わかりました。食事の際のお飲み物はいかがいたしましょうか?」


スニーク「そうですね、私はお酒を頂ければ。こいつにはメジャーなジュースがあればいいと思います。特に好き嫌いは無いみたいなんで。酒の種類はどんなものがありますか?」


女将さん「はい、ビールと日本酒が。それと甲州の白ワインがございます。」


スニーク「へー、白ワインか。刺身には合いそうだな。だったら私の飲み物は白ワイン、こいつのは葡萄ジュースか、無ければお茶をお願いします。ああ、そうだ。予約の際にお伝えしましたが、こいつにはクルミのアレルギーがあります。」


女将さん「承知しております。では、ごゆっくり。」


そう言うと女将さんは頭を下げて出て行ったようだ。いまだに荷物を背負ったまま外の風景に見入ったままの僕に荷物を降ろしたスニークさんが声をかけてくる。


スニーク「ヒューム、先に風呂に行くぞー。その続きは飯を食った後にしろよ。」




エピソード13-2


初めて入る温泉。スニークさんが温泉の泉質の看板を見ている。


スニーク「泉質は弱アルカリ性・・・。効能は自律神経、不眠、うつ予防・改善か。後は美肌か・・・。へー、なるほど。」


周りを見渡すけど偶然なのか僕ら以外は入っていない。今の時間帯は他のお客さんたちは食事になっているらしい。それよりも気になるのは・・・匂いだ。温泉ならではなんだろうけど。不思議そうな顔をしていた僕にスニークさんが「なんかあったか?」と声をかけてくる。


ヒューム「いえ、初めて入るんですけど・・・何ていうか。凄く広いですね。」


スニーク「まあな。時間も時間のせいか、入ってるの俺らだけだしな。まぁ、せっかくの貸し切りだ。飯まであと一時間だ。のんびり浸かっていいだろう。」


そういうと深いところまで行って肩までどっぷりとスニークさんは浸かる。「ふー・・・。」とため息をついている。


リラックスしているスニークさんと違って僕は少しばかり緊張している。いつも部屋で浴びているシャワーとも、たまに貯めて入るお風呂とも違う。広すぎる事が少しばかり引っかかる。施設を見渡す限りは細部まで行き届いているのがわかる。石を丁寧に丸めて平たくし作った浴槽に、屋根は木を加工して大きい柱にしている。外からは見られないようにするための竹細工の壁。洗い場も色違いではあるが磨かれた石で作られている。落ち着かない様子を見かねたのか、


スニーク「気になるんなら、見て回ってもいいんだぞ。」


ヒューム「えーと、いいんですか?」


スニーク「俺らは、まぁ、客だし。客に見てもらっていいサービスなんだからな。」


そういう許可をもらうと浴槽から立ち上がってあちこちを観察する事にした。後ろから「ほどほどにな。滑って転ぶなよー。」という注意に「わかりました!」と返しておく。桶は木で作られたものとプラスチックで作られたものがある。ボタンを押すとお湯が出る仕組みでお湯は火傷しない程度の温度から冷たい水で切り替えが出来る。この点は普段使ってるお風呂と同じだ。違いは何だろうか?木で出来た柱や石の床。それともスニークさんが見てた看板に書いてあることだろうか?覗いて看板を読んでみるが、痩せ気味以外で健康な僕には温泉に浸かる事の効能は考えなくていいだろう。調べまわっていたら少し冷えて来た。一度、温泉に浸かり直す。肩まで浸かる僕に「何かわかったか?」とスニークさんが聞いてくる。


ヒューム「んー、僕にはあんまりここがくつろげる様な感じがしないです。何ていうか、贅沢過ぎる様な感じとも違う感じがして・・・。嫌な感じじゃないんです。」


そう考えているとスニークさんが言う。


スニーク「それは・・・【無音】という音だ。」


ヒューム「無音・・・ですか?」


スニーク「そうだ。普段の生活は強い刺激で満ちている。光に、音に、匂い。強烈な物ばかりだ。ここの宿に来てからそう言ったものがあったか?」


ヒューム「・・・確かに無いです。何と言うか刺激を抑える様な空間が作られている様で・・・。」


スニーク「それが温泉の良さだろうな。強すぎる刺激は疲れをもたらす。だから緩い刺激に変えてサービスするのがこういうところなんだ。」


ヒューム「緩い・・・刺激。」


スニーク「お前も日本の文化に馴染めばわかって来るだろうな。メアリーから聞いてないか?【わびさび】とかだ。」


ヒューム「えーと、話には聞いてます。メアリーさんも解らないと言ってました。日本独自の文化で雰囲気作りの技術の一つだって。」


スニーク「うーん、雰囲気作り・・・か。やーっぱし、難しいよな。この辺は。日本人だってわからん奴が多いし。俺もこの歳になって解ってきた様なもんだ。」


そう言って頭に乗せてるタオルで顔を拭いて伸びをする。


スニーク「お前もその内にわかる。何年この国に暮らすかは・・・まぁ、わからないが。そのうちに、この国の良さも悪さも解るようになる。その良さの一つが【わびさび】なんだって俺は思うぞ。」


そう言ってスニークさんは立ち上がる。洗い場に向かう様だ。追いかけて行ってタオルを持って後ろに立つ僕に「どうした?」と、聞き返すスニークさん。


ヒューム「洗ってあげますよ。」


と僕は言う。返事を待たずに石鹸をつけたタオルでスニークさんの大きな背中をゴシゴシと洗い始めた。



エピソード13-3


ヒューム「うわわ・・・。」


用意された宿の夕食。遅い時間になったけどとりあえず晩御飯だ。見た目は綺麗だけど見たことが無い物が多い。女将さんがスニークさんのワインの説明をしている。


女将さん「こちらは甲州から取り寄せた白ワインでございます。」


スニーク「へー、これは美味しそうですね。和食にワインの組み合わせは良いというのは聞いてはいましたが実際に試すのは初めてですよ。」


女将さん「それは何よりです。是非、御堪能下さい。」


そう言って女将さんは小鍋へ火をつける。「ごゆっくりどうぞ。」と言って部屋から退出した。目の前に並べられた料理のに驚く。蕎麦を主食とする料理の数々。天ぷらは普段から多少食べる事はあったし、お刺身も初めてではないけれど普段の料理とはまるで違う。彩りが鮮やかだ。天ぷらの説明は女将さんからしてもらったが、旬の天ぷらというだけでこれだけ違うのかと感嘆する。タラの芽、タケノコに玉ねぎ。ふきのとうなんてものもあるが、これは食べた事が無い。お刺身の方もカツオに鯛、ホタテにサザエ。サザエはつぼ焼きにするようで女将さんがさっき小鍋に火を灯していた。どれも色艶が際立っている。料理に目を奪われいているとスニークさんが白ワインを注いだグラスをこちらに向けてくる。乾杯をしたいようだ。僕はグレープジュースが注がれたコップを差し出して「カチン」と軽くぶつけ合う。


まずはメインの蕎麦を食べてみる。箸で蕎麦をつまむとめんつゆにつけて一口すする。うん、いつも食べてる物とは違った味わいがする。何回かに分けて啜った後に今度は天ぷらを試してみる。最初に手を付けたのはタラの芽だ。小皿に大根おろしをのせてめんつゆで浸して口に運ぶ。中々に美味しい。パリリと衣が割れる感覚にタラの芽の柔らかくもほど良い繊維質の歯ごたえが素晴らしい。嚙み締めれば噛み締めるほどに素材の味が口の中を広がるようでずっと噛んでいたいくらいだ。僕の新鮮で満足する様子を見ながらスニークさんは白ワインにお刺身を食べている。


スニーク「どうだ?旬の野菜の天ぷらの味は?普段とは違うもんだろう。」


ヒューム「はい、いつも食べさせてもらってる天ぷらが美味しくない訳ではないですけど、こっちのは香ばしくってサクサクしてて。とても美味しいです。」


スニーク「普段提供している食事は冷凍食品も多いからな。工場で大量生産した奴だから味は多少落ちるが、保存が効くし味も悪くはないだろ?」


ヒューム「でもこの天ぷらとの違いは全然違いますよ。天ぷらがこんなに美味しいなんて思いませんでした。」


そう言っている僕の手元にはもう天ぷらは一つしかない。残っているのはふきのとうだ。向こうの世界にいた時に似た植物を食べる事はあったけど焼いても苦いだけだった。こちらの世界とではどこか違うのだろうか?観察をしているとスニークさんが小鍋のふたを開ける。先ほどから【ぐらぐら】と音はなっていたが手元の料理に集中し過ぎていた。芳醇な磯の香りが立ち昇る。つぼ焼きが出来上がったらしい。大きめの取り皿を手元に置いて、トングでサザエを取り出す。目の前に置くと湯気が凄い。僕と同じようにトングでサザエを取り出したスニークさんが「火傷すんなよ?少し冷ましてから食え。」と助言を言ってくる。そこでまだ食べてないお刺身に橋を伸ばす。サザエに関心があった事もあるが、同じ貝の仲間ということでホタテを選んだ。醤油に浸して口に運ぶ。咀嚼して解る。美味しいという言葉では表現できない【自然の甘さ】で口の中が満ちる。それから何度咀嚼したか解らない軽く40回は噛んだだろう。そうしているとテーブルの向こうから、


スニーク「うわっ!ちぃ!」


と言ってワインの入ったグラスをひっくり返すスニークさん。サザエから弾けた水分が手元に掛かったらしい。目を向ける僕に、同じく目を合わせると、僕たちは笑い合った。




エピソード13-4


スニーク「よーう、そっちはどうだ?」


アビー「どうもこうもないわよ。貴方がとんでもない発表してから問い合わせが殺到してるのよ?」


スニーク「そうか?まぁ、まだまだ資金は不足してるだろう。大体の様子を教えてくれ。」


アビー「はいはい、まずは資金の調達は良好。解説した口座は2500億円は超えたわ。それと難民を保護する為の施設の確保が先ね。保護しても住居が無いのは困るわ。」


スニーク「その点は安心しろ。大型バスを使って各施設と連携を取る。衣食住は簡易的なものだが用意はある。」


アビー「いつまでもビジネスホテルを貸し切りで使えないわよ?いくらかかると思ってるの?」


スニーク「別にホテルを使わなくても住めるだろう。使ってない大型の体育館や公民館の様な施設を改築して住めるようにする。」


アビー「内装をリフォームするだけで出来る事?簡単にはいかないと思うわよ。」


スニーク「お前こそ、物事を考えこみすぎるな。シンプルに捉えろ。問題点は人種・宗教・老若男女の違い。そこのコミュニティを根底に考えればいい。」


アビー「その3つだけ?」


スニーク「そうだ。路上では人種はごった返しているが、用意されたコミュニティに所属させれば民族主義が元になる争いが必ず起きる。それが終わっても次に宗教問題がある。これもなるべく混ぜるな。同じ宗教でも派閥で険悪である事は多い。新興宗教の教祖になるタイプは保護対象としては後回しだ。最後に老若男女。日本では年功序列が強いが外国ではそう言ったものが無い国もある。年齢の高い難民で一種のプライドの高い人物は要注意だ。」


アビー「うーん、やっぱり難しくない?そんなに細分化した施設を用意出来るとは思わないけど・・・。」


スニーク「細分化はしなくていい。特定の民族至上主義と他の宗教への介入、保護している者同士の立場は皆対等。この内容に納得できる人物だけを優先して保護しろ。納得しない者は現状は保護対象に決して入れるな。」


アビー「簡単に言うけど・・・。」


スニーク「簡単にやるんだ。保護の際に署名させて納得しない奴は保護しないとキッパリ断れ。もし保護後にトラブルを起こしたら退去をしてもらって、再度保護されるまでには時間がかかる趣旨を伝えろ。今やることはそれだけでいい。週に保護できる数は30人を超えないようにしろ。こっちのキャパシティにも関わる。解ったな?」


アビー「はいはい、わかりましたよ。で、そっちは楽しいのかしら?」


スニーク「ヒュームの奴は機嫌がいい。今はもう寝てるが・・・鞄の中開けてみて驚いたぞ。お前、メアリーの奴と仲いいよな?ヒュームにはどれくらいの事を学ばせている?」


アビー「え?えぇ、確か・・・小学生3年生くらいだったかしら。算数が得意っていってたけど。」


スニーク「その教え方、少し改めた方がいい。あいつ、ふりがな付いてない温泉の看板ふつーに読めてる。」


アビー「大体の漢字は解るんじゃない?小学生3年生よ。」


スニーク「それだけじゃない。脱衣所で入れ違いになった親子がいた。あいつよりは背の低い子供が滑って転んだんだ。助け起こして声をかけてたんだよ。【ケガは無いか】って。」


アビー「別に驚く事じゃ・・・。」


スニーク「翻訳機無しだぞ?発音も殆どナチュラルな日本語だ。俺と話してるときはまだどこか背伸びをした物言いをしていてぎこちないが、赤の他人とのとっさ行動と言葉でそれが出せるかで言えば違いは出る。」


アビー「あの子が来たのって、確か・・・。」


スニーク「半年前だ。その間に日常会話で困らない程度に日本語が話せてる。その上、掛け算、割り算、百分率。地理に社会情勢。普通に考えて難しいに決まってるだろ。」


アビー「じゃあどうするの?覚えすぎないように調整しろって事?」


スニーク「逆だ。兎に角、あいつが覚えたいと思うことを覚えさせろ。あの学習意欲だ。周りの子供らと合わせられるのも時間の問題だろう。周囲には物覚えの早い奴って事で別のカリキュラムを用意してもいいだろう。」


アビー「解ったわよ。メアリーには試験をやってもらって上位の子たちには上級クラスを用意するってところでどう?」


スニーク「それでいい。あいつは保護した難民の成功例のモデルケースとして教育する。」


アビー「呆れた。善意って貴方に無いのね。」


スニーク「善意で政府の業務の肩代わりは出来ん。だから約束できる成功例は必須だ。それはウチの会社の存亡に強く繋がる。」


アビー「ったく・・・。でも、その考えがあの子に伝わったらどうするの?」


スニーク「別に構わん。その時は俺を見限って向こうに帰ればいい。元よりその約束だ。それにドクトルが生態データを確保してる。あいつが帰ってもそれを元に【向こうの世界】の開拓を進めればいい。」


そう言って電話を切る。部屋に戻るとヒュームは眠っている。先ほどの電話ではああいったが本当にいいのかは自分でもわからない。ただいつかこいつに恨まれて危害を及ぼされても文句は言えない。それは向こうで拾った時から解っていた事だ。


白ワインのボトルを掴むと窓際の椅子に腰かけてグラスに注いでを少し飲む。この酒は旨い。こいつが大人になったら一緒に呑める時がくるだろうか?その前に何かあって俺から離れるか?いずれにしても決断は訪れる。そう遠くない未来に。


スニークがだんだん怪しくなってまいりました。

次回でディストピア化した要因が発覚し、

ヒュームがやるべきことが示唆される予定です。

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