黒澤蓮〜僕は僕だから〜
黒澤蓮パートです!
目の前に広がる壮大な自然。鮮やかな緑色の葉に覆われた木々、床一面に咲き乱れている色とりどりの花、雲一つない真っ青な空。
賑わっている街並みは人の手が加わっているが、石、レンガ造りが基調となっている。
そして、街の中央には神々しく聳え立つ巨大な竜血樹が街全体を見守るように立っている。樹齢何年なのか想像も出来ないぐらい大きく伸び伸びと広げた枝たちは雲の上に隠れていて先がどこに繋がっているのかわからないぐらいだ。
驚くことにこの竜血樹は建物になっているようだ。中には”掲示板”、”酒場”、”クエスト受注”、と書かれている看板が並んでいる。
街には小さな川が流れており、板が重なったこじんまりとした橋がかけられている。
朝の日差しを浴びて賑わう街並みから少し不気味な夜の街並みへと変化し、次第に画面が暗くなり、淡い光と共に文字が浮かび上がってきた。
ーー リベーラファンタジーⅢオンライン ーー
「んふ・・・えへへ・・・」
ゲーム起動後のデモ映像を見終わってから、男は終始ニヤニヤが止まらない。
「リベーラファンタジーⅢオンライン」とはよくあるMMORPG(大規模多数人数同時参加型オンラインロールプレイング)ゲームで、自分が動かすアバターを創作し、ゲームの世界の中を動き回ることができるというものである。
その中でストーリーを進めたり、定期的なイベントクエストに参加したり、農作や鍛冶、釣りといった趣味をすることも出来る。基本的には自由度が高いというのが特徴で俗にいうオープンワールドというものだ。
世界中のプレイヤーとサーバー内で同時にマルチプレイで遊ぶのがこのゲームでの醍醐味となっている。しかし・・・・・
「男は黙ってソロプレイ・・・」
この醍醐味を端から否定し、我が道を進むのがこの黒澤蓮。黒髪で少し痩せ型、全身真っ黒な部屋着を着て特徴的な真っ赤な瞳でPCを覗き込んでいる。
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僕は、今年の春に新作が発売されると分かってからずっと心待ちにしてた。
来る日も来る日も頭の中はリベーラファンタジーの新作の事でいっぱいだった・・・のに。
僕の期待は裏切られた・・・。
過去作のリベーラファンタジーⅡまでは、オンラインでのマルチプレイ要素がなく、王道なファンタジーRPGであったが、今作ではオープンワールドでのマルチプレイ要素が追加されたらしい。僕は世界観がガラリと変わる新作やより自由度があげられた新作を望んでいたのに。
最近発売されるゲームはそんなのばかりだ、オンラインで全国の人々と遊べます!なんて他人とプレイしても足を引っ張られるだけじゃないか。
だが過去作は神ゲーだった。やりこみ要素満載、レベリングバランス最高、敵モンスターの難易度もイベントクエストも絶妙なクオリティで大満足の出来だったのだ。
そんなシリーズの最新作がマルチプレイを推奨するようなゲームなら。。。
ーソロプレイ攻略すれば良いー
その結論に至ったのだ。
それにしても、
「オープニング…超カッケェェェェ!!」
新作の情報を目にした時は負の感情に包まれかけたが、買わなければよかったなんて1ミリも思わせないほど素晴らしいOPだった。
さっきはとにかくゲームを起動したい思いが強すぎて雑にパッケージを投げ捨ててしまったが改めて手に取り、まじまじと見つめる。
気分が高揚しきった俺は満面の笑みで散らかった部屋を踊り歩く。
昨日食べたカップ麺の容器を盛大に蹴飛ばしてしまって少し残っていた汁が散乱してしまったが、そんなことは気にならないぐらい踊り・・・・いや、それはかなり気になる。
颯爽と箱ティッシュを手に取り汁を拭いていく。
「はぁ、はぁ、はぁ。・・・グスッ」
新作が手元にある喜びとカップ麺の汁によってお気に入りのプロマイドが鰹の出しのいい匂いに塗れてしまったことへの高揚と悲壮感が入り混り、息遣いが荒くなる。
あまりに混乱しすぎてたまに豚の鳴き声のようになってしまっている気がする。
でも、そんなことは関係ない。僕は決めたんだ。ただ好きなことだけをして生きていくと・・・誰が何と言おうと興奮しすぎて豚になろうと僕は僕だ。
ーー僕はゲームが大好きで大好きで大好きでしょうがないフリーターだ。ーー
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