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白崎翔〜俺の日常の意味〜

ここから本編開始です!



俺は、何のために生まれてきたんだろう。白崎家の次男として生まれてきた俺”白崎翔しらさきしょう"

きっと何不自由なく生きてきた。欲しいものは基本的に手に入るし、割と何でもやれば出来てしまう。



だから他人は皆言う。「白崎くんはいいね、。」「翔は何でも出来るからいいよな。」



・・・よくない。何も良くない。好きなことも、やりたいこともない。

お前らは出来なくても笑ってるじゃないか。何か出来るようになりたいって必死で頑張れるじゃないか。・・・・・・いいな・・・・俺は・・・。




「白崎くん!レジお客様きてるよ!」

「あっすいません。」





バイト先の店長に声をかけられた。向かった先のレジの前には40代くらいのおっさんが待っている。おつまみとビール・・・平日のこんな昼間っから酒。平日が休みの仕事なのか働いてすらいないのか俺にはわからない。この人には何か好きだと言えるものはあるのだろうか。





「ありがとうございました。」





おっさんを見送ってまた品出しに戻る。毎日同じ日常の繰り返し。入りたい会社もやりたいこともなく、でもただ何となくどこかに就職するのは嫌でフリーターになった。でも、フリーターになったからといって好きなこともやりたいことも熱中できることもない。そして現在はコンビニの店員。コンビニと家の往復のみ・・・・・ただ繰り返す。



「はぁ、何やってんだ俺・・・・。」



天井を見てボソッと吐いた。22時。もう上がる時間か・・・この時間は仕事終わりのサラリーマンやカップルが来ることが多い。カップルかぁ・・・・・学生の時は正直モテないこともなかった気がする、クールなのがかっこいいとか何でも出来てかっこいいとか、彼女を作ったこともあったが恋愛にも相手にも興味を持てずすぐに振られることが多かった。



「お疲れ様でした。」




22時10分コンビニの裏口から出て期限切れの弁当をぶら下げてふらふらと道を歩く。




ドンッ!!

「ぃた!・・・。」




肩の鈍い痛みに思わず声が出る。



「すいません・・・。」



小さな声がして顔をあげてみると、黒い。深くまで被った黒いキャップ全身黒い服、何というか異質。

謝ったかと思えば全身真っ黒な男は走り去ってしまった。



「何だあいつ。不審者だろどう見ても。・・・まぁいいや、早く帰ろ。」




この世にはいろんな奴がいる。今みたいに全身真っ黒な服を着て人に突撃してくるやつも。俺みたいに何に対しても不感症な奴も・・・

ふと地面を見たらなんと、目の前にはぶつかられた衝撃で手から離れてしまったであろう期限切れの弁当が着地に失敗していた。不運だ・・・。



「あぁ、俺の晩飯。」




小さく漏らす。行き交う人々は俺の存在なんて全く無いように通り過ぎていく。怒りも惨めさも何も感じない。

ただ 、早く帰りたい。とりあえず弁当は回収しまた歩き出す。

労働基準ガン無視の15時間労働・・・職場のコンビニまでは家から15分とかなり近いところにあるはずなのに、家までが遠い・・・・・。





街並みはクリスマスを目前にしたイルミネーション。木が光っていたり、何かの形を模ってあったりと色とりどりの光が散りばめられている。人々はこれを見て何を思うのだろうか。きっと「綺麗!感動的!幻想的!」等と微笑み合うのだろう。

しかし、俺は目を向けることなく家路に着く。





”ネイビーパレス II”



1があるのか2の次に3があるのかなんてわからない、どこにでもあるような木造の2階建のアパート。この最奥103号室が俺の家だ。部屋にたどり着くまでは非常に困難を強いられる。まず101号室、ここにどんな人が住んでいるのかは知らない。しかし毎日22時以降に必ず出される次の日に回収予定のゴミ袋、うちのアパートは扉の前があまり広くない。だから1袋の時はまだいいのだが2袋や段ボールがあると完全に障害物だ。




今日は1袋。よし!


ほんの少しだけテンションが上がる。しかし、次に待ち受けるは102号室の自転車問題だ。自転車置き場がないアパートだから仕方ないと思うが、ほとんど道を塞がれている。体を刷り込ませるようにギリギリを通っていく、少しでも太ったらここはもう通れないんじゃないかと毎回思う。




やっと辿り着いた俺の家。

鍵を開け、丸いドアノブを引く。「キィー」という築50年の歴史を感じさせる音。と同時に部屋の奥からバタバタと物音が聞こえる。愛犬の”シロ”である。




「ただいま、シロ。」




ポメラニアンのようなフワフワな小さい体を抱き上げ、顔をうずめる。パッと見たらまるで綿あめを頬張っているような奇怪な恰好だが、こうしてシロの匂いを嗅ぐのが俺にとって一番の癒しなのだ。




いつから履いてるのかも忘れてしまったスニーカーを乱雑に脱ぎ捨て家の中に入る。

天井から吊るされている紐に手をかけ明かりをつける。キッチンには必要最低限の調味料とフライパン。部屋にはこじんまりとした棚と小型のテレビ・滅多に使用しないデスクトップPCにベットとシロ用のケージ、扉はついていないがまぁ1Kって感じの間取りだ。





帰宅後のルーティーンとなっているシロのご飯とトイレの世話をする。一般的には朝夕と散歩をさせてやった方がいいのだが、シロは夜の散歩を極端に嫌がるのでやめた。



「シロご飯の準備出来たぞ。」

「ワン!!」





今日の疲れを洗い流すべくシャワーを浴びる。

湯舟に浸かるよりも水道代を節約でき、寝る時間も十分に確保できる時短になるため、基本は浸からない。

ほんの数分でシャワーを終え、晩飯にありつく。

勤務先の廃棄になった唐揚げ弁当だ。

帰り道に落としたせいでだいぶ中身は偏っているが、袋に入っていたことで汚れていないし食べれるだろう。




シロもまだ自分のご飯を黙々と食べている。ゲージ内のご飯を口に含みわざわざ外に出て俺の前で食べる、そしてまた戻るの繰り返しだ。この食べ方に果たして意味はあるのだろうか。




「寝よ。」




俺はベッドに寝転ぶと気絶したように眠りについた。







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