再会
冒険者学校から仲の良かった、仲間たちとパーティーを組み、冒険者として活躍し、ついにAランクパーティーにまで昇格した矢先、突然に一方的に縁を切られた。
「ジョーカー、今までリーダーをしてくれてありがとう だがお前は今日でクビだ 今日から俺がリーダーをする」
俺と同じ前衛で槍を使う、ギュンターだ 人使いが粗い(荒い)、自分が1番だと思っている 自己顕示欲の塊だ
『あんたの作戦や指揮はとてもわかりやすかったわ あんたがいるとアタシたちが活躍出来ないのよ』
ヒーラーのエミー 金遣いが荒い 服や装備、装飾に金を使い込み、ポーション類は買わない、荷物も持たないため、俺が荷物持ち兼ポーション類の必要な道具を買い集める仕事をしていた
「俺は回避タンクを目指していたんだよ、それが普通のタンクだ、全く華がない」
盾持ちの重戦士ラッセルだ、回避タンクには不向きの体格でしかも重装備 自分が目立ちたいだけのバカ
『毎回、こそこそ隠れて狙い撃ち 暗殺者と同じような事をさせて 私は弓も魔法も使える、優秀なエルフなのよ』
エルフの弓使いミラ 1人じゃないと実力を発揮出来ない、あがり症で魔法に関しては使った所を見たこともない
「と言うことだ、お前は俺たちのことを考えた、作戦を作ってくれていたがもう十分だ それにお前の代わりはもう用意してある 前衛で指揮と剣しか出来ない、お前とは違い、魔法も使える剣士だ」
いやいやいやいや、俺も魔法は使えるし 自分たちのダメな所を良く理解しろよ
こうして俺はパーティーをクビになった、その後は散々だ、他のパーティーへの誘いはないし パーティーを組もうと誘っても断られる 俺が女をすぐに襲うクソ野郎と噂まで流されている ソロでクエストを受けようとしても、ギルド側から『ソロで何も出来ない能無しのジョーカーさんに任せるようなクエストはございません』
もう、冒険者を廃業して故郷で農業をしよう 毎月、仕送りはしているし3年は帰ってないからな
俺は仲間たちに適した指示と作戦を立ててきただけだ、それに毎回の配信も編集も俺がしていたし、達成した依頼料も均等に分配していた。
今更何を言っても聴かない(聞かない)だろう、あいつ等だけだと確実に失敗するし、これ以上ここにいても失敗した時の逆恨みをされても困る パーティーハウスには俺の私物は何もないからな
嫌気をさして故郷の村に帰ろうと歩いていると
『あなた、ジョーカーくんよね 私のことを覚えてる?』
この子は誰だったけ、昔に会ったことがあるような とても顔立ちはよく、綺麗なブロンドヘアで体型もいい 装備だけでヒーラーかメイジだと予測はできるけど
「昔、会ったことありますか」
『ええ、ジャンヌと言えばわかるかな』
ジャンヌは昔、村に暮らしていた幼馴染みの女の子だ 俺たちが8歳の頃、彼女の両親は流行り病で亡くなり、遠い街の親戚に引き取られてから1度も会っていない 俺の初恋の相手だ
「もしかして、君はジャンヌなのか」
『そうよ、ジョーカーくんは素敵な男の子になりましたね』
「そういう、君こそ 見違える程 綺麗だよ」
『ジョーカーくん、私とパーティーを組んでくれませんか この街ではジョーカーくんは嫌われていますね なら私とパーティーを組んで別の街へ行きましょう』
「俺とパーティーを組んでいいの? ジャンヌならもっと別のパーティーに勧誘されると思うけど」
『私はジョーカーくんが良いのですよ それでは行きましょう』
初恋の幼馴染みの女の子と再会し、パーティーを組むことになった 前のパーティーのことは考えないようにしよう