ぷろろぐ2
「ま、使徒と言っても自由意志はバリバリあるから安心して。意志がない人形には用はないから」
「なんか紐とかつくんですか?」
「いいえ。ただし、生活を楽にしたいなら従ってほしいわ」
「なんかもらえるとか?」
「いいえ。ただ、魔物の増大による人類の危機とか、長きにわたる戦国時代が始まるだけだから」
「なんだよ!それ。むちゃくちゃあぶないぞ」
「そりゃあファンタジーの世界だよ。冒険者、ハンター、傭兵。色々呼び名はあるけど、多くの人が荒事を仕事にして生計をたてている。そんな世界が安定している訳がないじゃない」
「つまり、そんな危険な世界に僕をほおりこもうと思っていると」
「あたりまえじゃない。神様だって、基本的には慈善事業じゃないんだから」
「え? 慈善事業じゃないの?」
「基本的にはね。だから、転生してもらって、情報を集めてもらったり、色々優遇措置して働いてもらったりしているの」
「本当は安定した生活がしたいんだけどね」
「その為に働いてもらうの。大丈夫、悪いようにはしないから」
ここで、アマテラス神は姿勢を正した。
「ま、基本的に、私たち神が管理所有している世界、その大半がこの世界を株分けしたパラレルワールドなの。だけと、その際に色々手を加えるわ。たとえば魔法の存在とか。そうすると、世界自体の可能性とか強靭さとかはつくけどね。人の生存には不利なの。で、私たちは支援をするというわけ」
「で、その支援の手先になれと」
「まあ、別に良いわよ。あなたの転生は決定事項だし、問題ありそうなら記憶を消すし」
「ひどいよ。そうなるとあなたの手先になるしかないじゃないか! 」
「ん? 他の人に全部押し付ける、という手もあるけど」
「目の前の危険がわかっていて、呑気でいられるほど図太くないからね」
それに、チート的能力も欲しいしね。
「あ、後、もし私の使徒が嫌になったら言ってね。監視カメラは止められないけど、他の事では譲歩するから」
「わかりましたよ。まあ、頑張ってみます」
「じゃ、色々きめようね」
そして、僕は転生する事となったのである。