ぷろろぐ
皆さん、交通事故にあわないように、気をつけましょう。
僕は、さっき車にはねられたはずなのに、意識を失い……
死ぬところだった?
ふと気が付くと、僕は白い空間にいた。
「やあ、若人よ。こんにちは」
「え? こ、こんにちは」
いつの間にか、正面には美人かいて、僕に話しかけてきた。
「さっそくだけど、君は不慮の死を遂げた。わかる?」
「え?じゃあ、あの事故は…」
「うん、本当にあったこと。でも君は、若いし、将来有望そうだから、転生を進めにきたの。異世界、剣と魔法が支配する、俗に言うファンタジーの世界に。勿論、色々な条件がつくけど」
「え? じゃあ、小説みたいなチートもらえるの?」
「ごめんなさい。それは基本的に無理。この転生は基本的に若い人の魂の救済の為のものよ。魂を起点にして異世界を見る為でもあるけど。基本的にチートはあげられないわ」
だめなのか……ん?
「基本的に、ってどうゆう事? 例外があるの?」
美人さんは、にやりと笑った。
「うん、気づいたね。色々、と条件はあるけど、可能ではあるわね」
「条件は三つ。ただ、最初の条件は基本だから外せないわ。まず、異世界での私の視点になること。もっとも半径一キロまでの情報はすべて私が知る事ができるだけ。それが異世界転生の最低条件よ」
「……うーん、つまりプライベートがなくなるのか……」
「そうね。ただし、個人情報は私以外に知ることはないし、知らせる必要がある時にはちゃんと承諾をうけるわ」
「へえ、コンプライアンスを守っているんだね」
「ま、神の中でも法令遵守は問題でね。こういったルールを守らないと、強い神だけが生き残ってしまうし、神が少ないと多様性や進化がなくなるしね」
「なんか、人と同じみたい?」
「そうね。私、あ、アマテラスと言うけど、単一神が支配している世界は、多様性が少ないの。その点、この世界は多様性が多い割にはルール守る神が多いから、安定しているの」
「ふーん」
「で、二番目の条件なんだけと、魂の容量、つまりゲーム風に言うステータスの総量は決まっているの。ただし、ステータスを極端に減らすか、マイナスのステータスを取り入れたら見た目総量はあがるわ」
「つまり、弱点を持つということ?」
「まあ、それに近いわね。たとえば、潜在身体能力を最大限にすると、潜在魔法能力は無くなるとか、魔法が使えなくなるとかね」
「それは自分で決める事が出来るの?」
「要相談。その設定は神以外出来ないから」
「そうですか」
「あ、あと、潜在能力は設定出来るけど、人の限界は超えられないし、必ずしも潜在能力を100%使える訳 ではないからね」
「え、どうゆう事ですか?」
「種族の能力や限界は超えられないの。体をいくら鍛えても、鋼鉄みたいな強度は持てないし、魔力量も限界を超えられないということ」
「じゃあ、チート的な強さは持てない……」
「まあ、その通りね。基本的に、訓練や経験から能力値や限界値を超える事はあるけど、自分では任意に使えないし、限界もあるわ。あなたは基本的に人だから」
「……それは、後で相談するとして、他の条件を教えて下さい」
……この神は、色々ヒントをくれている。なら何か、あるはずだ。チート的なもののヒントが。
「もう一つ、神の使徒になる事で、能力を得る事ができるわ。あなたの言うチートね」
そのもの直球ずばりだよ。