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風の音色  作者: 結城 朱煉
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別行動

「オレにはな、下に妹と弟がいんだ

お前らよりも、もうちょい歳下だがな

妹達と被ったってのもあるけど

オレ自身が、人の世話焼くのが嫌いじゃねぇってのもあるかな」


ヘラリを笑いながら言うラルク

その言葉にウソは無い


「そうなんだ

ゴメン、別に疑ってたわけじゃないんだけど…」

「良いよ、分かってる

初めて来た所で、初めて出会った奴に

何の下心も無く、何でも親切に世話してくれる…

何かあるかも…と疑うのは当たり前だ」


海斗の心理を当たり前のこと…と、特に気にしていないラルク


「事実、そういう奴らもいる

カイトぐらいの疑いを持ってる方が良い」


ラルクの言葉に、海斗はコクリと頷く

そして、まだ自分に抱きつく陸斗を見る


「リクト、お前はもうちっと人を疑った方が良いかもな…

まぁ、その疑わない心も良いんだけどな」

「んじゃ、俺はこのままで良いや

そういう頭使うことは

海斗に任せてるし」


特に気にしていない陸斗は

ケラケラ笑っていた


「ラルク、この世界について

知ってる限りで良いから、教えてくれる?」


海斗の言葉にラルクは頷き、陸斗を剥がして椅子に座らせる


「この世界は、分からないことが一杯なんだ

オレはたまたま、村から出ることが多くて

他の村人よりは知ってることが多い

ただ、少し多いだけなんだ」


自分が知っていることは、極わずかでしかない…ということを

初めに2人に伝えるラルク

それをただ頷いて聞く2人


「基本的に、この辺りはあまり他の村と交流が無い

それぞれ独立してんだ

だから、隣に村があっても

その村ことを知る奴はいない

そんなんだから

のんびりしてる村や

暗い感じの村もある

危ない村だって勿論ある」


危ない村…と言われ

陸斗が冷や汗をかく


「オレも一度、道を間違えて変な村に行ったことがあってな

たまたま、少しケンカが強かったから何となったけどな

どこも、同じような村とは思わないことだ」


コクコクと陸斗が激しく頷く


「ねぇ、お金はどうすれば良いの?」


海斗が現実的な質問を投げかける


「金は、その辺にいる動物狩って売れば良い

薬草とかだって売れるしな」


どうやら、お金を稼ぐのは難しくないようだ


「そっか、なら何とかなりそうだね」

「あぁ、まぁこんなもんかな

これ以上は、その場になってみねぇと分からねぇな」

「うん、分かった」


本当に少ない知識だが

全く何も無いよりは幾分か良い


「オレは明日自分の村に帰るが

お前らはどうする?」


一緒に来ても良いけど…という意味を含んでいる一言


「いや、僕達は僕達で進むよ

気が向いたら、ラルクの村にも行く」

「そっか、ちゃんと決めてるなら良いんだ」

「海斗~、アテあんのかよ~」

「無いよ、でも、ラルクと一緒にいると

きっと、離れて旅に出にくくなると思う

特に陸斗が」


ピシャリと一言

陸斗はギクッと肩を震わす


「そのためには、早めに単独行動をした方が良い

心配しなくても、ラルクの村にも行けばいい話だから」

「分かったよ」


2人はラルクと別れて行動することになったのだった

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