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風の音色  作者: 結城 朱煉
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どうするか…

「この世界はさ、村ばかりなの?」


先程から、ラルクの話に出てくるのは、「村」ばかりだった

それに気づいた海斗は、ラルクに尋ねる


「ん?そんなことねぇよ

村より少し栄えてることだってあるさ

オレの知る限り…だけどな」


ラルクは苦笑いをしながら、そう答えた


「知る限りって、どういうことだよ?」

「そのまんまの意味でしょ

陸斗、こっちを向こうと一緒に考えてもダメだよ

全世界が解明されているわけじゃないんだ」

「あ、そっか」


海斗の説明に、納得できた陸斗


「ラルク、この地図は誰が作ったの?」


海斗の問いに、ラルクは止まる


「えーっと…誰だったかなぁ…

確か、異国の奴が何人だったか忘れたが、歩いて測ったらしいぜ?」

「へぇ~、歩測だったんだ」

「補足?」

「違うから、歩いて測るんだから、その補足じゃないくらい分かりなよ」

「う…」

「ハハハ…」


2人のやりとりに、やはり苦笑いしかできないラルクだった


「ところで、お前らはこれからどーすんだ?」


ラルクの一言で2人はピタリと止まる

全く考えてないわけでは無いだろうが

あえて触れなかった…いや触れたく無かったのだろう


「え~…う~ん…どーすっかなぁ~…」


陸斗は腕組みをして、唸る

慣れない頭を使い必死に考えているようだが

全く妙案は浮かばないようだ


「う~~~~~~

海斗~~、ど~するよ…」


結局、海斗にバトンタッチするしかなかった

バトンタッチされた海斗は

顎に手をあて、少し考える素振りを見せる


「とりあえず、元の世界に帰る方法を探す

そのためには、この世界を旅するしか無いね」

「マジかよ!?

こんな広い世界、一生かかったって無理だって!」


陸斗の顔全てで無理だと語っている


「じゃあ、ここで大人しく暮らしていくの?」

「う…」


海斗の一言が陸斗に突き刺さる

確かに、旅も何もせず無理だと言ってしまえば

帰る術を探すことは諦めるということなのだ


「それとも、怖いの?」

「なっ!?何言ってんだよ!!

俺が怖いなんて思うわけねぇだろ!!」


ガタンと椅子から立ち上がる陸斗

それを落ち着いた様子で見上げる海斗


「なら良いよね

旅に出て帰る術を探す

見つからなかったら

その時はその時だよ」

「…」


上手く海斗にのせられた陸斗だった


「オレは何とも言えねぇけど

旅に出るなら、ココの知識が必要なんじゃねぇのか?」


今まで、何も言わず

2人の会話をただ聞いていただけのラルク

どうするか決まったところで、口をはさんだ

2人は顔を見合わせた

確かに、この世界の知識は少なからず必要だ


「うん、必要だよ」

「なら、俺が知る限りの情報を教えてやるよ」

「え!良いのか!!?

やった!ラルクサンキュー!!」


嬉しさのあまり、やはり陸斗はラルクに飛びつくのだった


「ねぇ、何でラルクは

僕らに親切なの?」


陸斗がラルクに飛びついている状態で

海斗はラルクに問う

海斗はずっと気になっていたのだ

何故初対面の自分たちにここまでしてくれるのか…

そのラルクの真意がどうしても

問われたラルクは、一瞬目を丸くしたが、すぐに優しい表情になる

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