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風の音色  作者: 結城 朱煉
4/14

現実

「無いって、どういうことだ?」

「無いんだよ、僕らがいた日本という土地は…


この世界には」


「ええぇぇぇ!!!

海斗、マジなのか!?

ほら、もっとよく探そうぜ…

どっかにちっちゃく「無いよ」


必死に可能性にすがろうとした陸斗の言葉は

無残に、海斗に真っ二つにされた

大きなダメージを受けた陸斗は硬直した


「この世界には無いって、どういうことだ?」


一人取り残されたラルクが問う


「僕らがいたところの世界地図と全く違う

そして、日本が無い

つまり、僕たちが存在していた世界と

ココは、全くの別世界ということ」


表情を

変えずスラスラ答えていく海斗

その横で、暗いオーラを出して蹲る陸斗


「へぇ~、そんな旅人もいるのか」

「え?」


海斗は驚いた

こんなにアッサリ信じてもらえるとは思わなかったからだ


「だって、まだ分からねぇことが、この世界には一杯あるんだ

違う世界から来れるような道だってあるかもしれねぇだろ?」


ラルクの言葉に、海斗は一瞬ポカンとしたが

異世界の人間であることを考えると、ラルクの思考も納得できなくはない


(教育とかも違うんだろう

こういう発想が出てきて当然だな)


「なぁ…海斗、俺達これからどうしたら良いんだ?」


いつの間にかダメージがら復活した陸斗が海斗に訊ねた


「お前ら、アテねぇのか?」


ラルクの言葉に頷く2人


「なら、来いよ

オレの今泊ってる宿にさ」

「いや、でも僕らはお金持ってないし」

「んなの心配ねぇ~よ、オレが出してやるからさ♪」

「え、マジで!?

ラルク、お前ってなんて良い奴なんだ!!」


陸斗はあ嬉しさのあまり、ラルクに飛びつく

ラルクは、それを何とか受け止めた


宿屋に着いた3人

宿屋はさほど大きく無く

部屋も3人入ると少し狭さを感じる


「ほへぇ~…宿ってこんな感じなのかぁ~」


陸斗は部屋をキョロキョロ見まわす

窓ガラスは無く

ただ、木の窓枠があるだけだった


「この窓、閉めれないのか?」


陸斗がラルクに尋ねる


「ん?この辺りは気候が温暖なままでな、寒くなることが無いんだ」

「へぇ、1年中暖かいんだね」

「良いなぁ~、俺冬苦手だし~」

「陸斗は、冬だろうが夏だろうが、いつまでも布団から出てこないでしょ」

「うぐっ…」

「ハハハ…」


陸斗は、海斗のツッコミに反論できなかった

その様子を見て、ラルクは2人の力関係を見た気がした


「ねぇラルク

ラルクは何で宿に泊ってるの?」


海斗の問いに、ラルクはフッと笑った


「聞きたいのか?」


聞き返された海斗は、少し間を開けて頷いた


「そっか、まぁ、座われよ」


ラルクは、ベットに腰を降ろし、2人にイスに座るように促す

2人は言われるままに、イスに座った

元の世界とは違い、簡単に木を組んだだけで出来たイスだった


「オレはここの村の者じゃない

オレは、ココからもう少し北にあるルフィトって村から来たんだ」


ラルクは、先ほど2人に見せた地図を開き

ルフィトの位置を指で示した


「で、何で俺がココにいるかってのは

ただの、旅の途中ってだけだ

もう、目的地のリヴィトル村に行ってきた

その帰りだ」


ラルクは、だいぶ南にある位置を指さした


「ちょうど帰り道に、あの森を歩いてたら

人の声がしたから

少し探してみたら、お前らがいたんだよ」

「へぇ~」


陸斗は興味津津なようで、身を乗り出して聞いている

一方海斗は、静かに聞いていた

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