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風の音色  作者: 結城 朱煉
3/14

世界地図

「お前ら、そこで何突っ立ってるんだ?」

「「!!!?」」


海斗と陸斗は、背後から聞こえた声に驚き

勢いよく振り向く

そこには、軽い装備の青年が一人立っていた


「別に突っ立ってなんか!」

「そうだな、お前はしゃがみ込んでたな…

この世は終わりだ…みたいな感じで」

「うっ…」


陸斗は、アッサリ青年に口で負かされた


「別に、好きで突っ立ってるんじゃない

今の状況に頭がついてこないだけだ」

「へぇ~、そうなのか

てか、見た目一緒なのに雰囲気違うな…」


海斗の口ぶりを、先ほどの陸と照らし合わせる青年


「まぁね…ところで、名前くらい教えてもらいたいんだけど…?」

「あぁ、そういや名乗ってねぇな

オレはラルクってんだ

お前らは?」


名前を聞かれ、一瞬海斗と陸斗は顔を見合わせる


「僕は海斗」

「俺は陸斗だ」

「へぇ、カイトにリクトね~

で、何に頭がついてこねぇ~んだ?」


お互いの名前を知ったラルクは

先ほど海斗が言っていた言葉を尋ねた

その瞬間、海斗の頭には「信じてもらえるか?」という不安がよぎった

しかし、そんな不安は陸斗がブチ破った


「ココが何処だか分からねぇんだよ!!

ココ何処だよ!?何だよこの草原!!

つか、山多すぎだろ!!

草原の風が、俺達に、余計虚しさを感じさせたっつーの!!」


海斗に答えてもらえなかった疑問が一気に爆発したようだ

そんな、陸斗にラルクは一瞬目を点にしたが

すぐに元に戻った


「何混乱してんだよ

ココはリフィルトゥ草原だぞ?」

「リ…リフィ?」

「リフィルトゥ草原…聞いたこと無いね…」


慣れない言葉に、しどろもどろな陸斗に対し

海斗はスラッと言ってのけた


「リフィルトゥ草原を知らねぇーなんておかしな…」


「おかしなこと…」と続ける言葉を切り

ラルクは、海斗と陸斗を見る


(見たことねぇ服装に…変なカバン…違う国からの訪問者か?)


「お前ら、何処から来たんだ?」

「日本からだよ」

「にほん?何処だそこ?」

「はぁ!?日本は日本に決まってるだろ!

北半球にある島国!」

「陸斗、よく北半球って分かったね」

「どういう意味だ海斗!?」

「そのままの意味だよ」

「俺だって、北半球ぐらし知ってるっつーの!」


兄弟喧嘩…いや、陸斗がからかわれるのを見ながら

ラルクは地図を開く


「これは、世界の地形が描かれたものだ

お前らの言う、日本が何処か探せば良い」


ラルクの声に、2人は地図を覗きこむ

大きな大陸が3つ

小さな島が無数に点在している

どこを見ても、日本の形を見つけることが出来ない

そもそも、この地図には赤道も無ければ

経線も、緯線も何も無い

北極がある所に何も無い

南極がある所に大きな大陸が1つある

3つの大陸は、見たことの無い形をしていた


「…無い…」


海斗の呟くような声が静かな空間に響く

陸斗は唖然と未だに地図を見ていた


(…異世界なんだ…)


ココロの中に小さくあった可能性が、今事実となった

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