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剣と魔法の世界  作者: ぺ
7/20

その少年は童顔

フォンさんの家を出てあるきつづけて半日ほど。リトルロックドラゴンとホブゴブリンと呼ばれているゴブリンの強化版のような魔物やでかい蛾の様な魔物にオークと言った日本でもメジャーな魔物は結構出てきたので、レベルも上がり短剣術というスキルやおまけでもらった鉄の剣を使ったりしたので剣術のスキルも手に入っている。ただ魔法がかなり万能であり、基本武器も必要ないので、身体能力に物を言わせて魔法を撃ちまくるという戦法で森を進んでいた。


「主様、目的地までどれくらいですか?」


「うーん、フォンさんに聞いた感じだと2日と少しくらいってことだったけど、マップで見る進み具合だとあと1日もあればつきそうなんだよね。」


「予想よりは大分早いですね。でも1日は外で夜を明かす必要があるのですね。精霊に睡眠は不要ですので夜の番はお任せください。」


精霊の女王を夜の番なんて精霊たちに殺されるのでは?と思ったが彼女は俺と契約しているし別に頼まない理由もなかったのでお願いする。


「本当?助かるよ。歩き続けて流石に疲れてるからね…女王様にやらせていいのかはわからないけどね」


「私は主様と契約した精霊なのです。精霊と契約している者が精霊に夜の番を頼むなど普通ですので問題ありませんよ」


とのこと。精霊たちにしばかれる可能性はないようだ。あれから魔物との戦闘もそれなりにあり、殺されかけたときのような大群はいなかったがなかなかに敵が多かったのでレベルもあがり、魔物の核と呼ばれている魔石もそこそこ手に入り、都市に入る時の通行料分くらいは稼げただろうと思う。


「都市に入れたら、おそらく冒険者ギルドで登録すると思うんだけどいいかな?」


「いいもなにもございませんわ。主様の望むままに」


冒険者ギルドのような者は確実にあるだろうと思い、登録の確認をする。断られるとも思っていなかったけど。そんな話をしていると常に周囲300mくらいの空間に感知のような魔法を張っていたのだが、その領域内に魔物の反応がする。ただの魔物ならそのまま近づいてきたら終わりなのだが、少しこの魔物は違った。

何匹かを連れて、ゆっくりと俺に近づきつつ、周りを囲む様にして近づいてくるのだ。魔物が組織的な行動をするのはボスの様な魔物がいる時だけなので、こうなると少しまずい。強力なボスの様なものにそれに追従する魔物というのは面倒なことのこの上ないので、完全に包囲される前にこちらからうってでる必要がある。


「ティタニア、魔物に囲まれつつある。完全に囲まれる前に叩くよ。左は君に任せる。右は俺がやる。」


「わかりました主様、お気を付けて。」


返事を聞き終わる前に一番近い恐らく茂みに隠れているのであろう魔物に強化された身体能力を使って肉薄する。


魔物側はまさか気付かれているとは思っていなかった様であわてて茂みからでてくる。この時点で初めて姿があらわになったが、いままでは見たことのない1.5mほどの猿の様な魔物だ。この魔物は俺の接近に気付くや否や


「ウキキィ!?」


とあわてたように騒ぎながら、もっていた棍棒のようなものを手にこちらに走ってきたが、既に目視しているため魔法を当てづらいということもなく、魔物の心臓部分を指定して、その空間ごと破壊するという傍目からは何してるのかわからないレベルの極悪魔法を使って魔物を殺す。この魔法は指定した場所を破壊するもよし、固定するもよしとかなり有用性が高いため重宝している。専ら殺しにしか使っていないが。死んだのを確認したら、すぐに近くの魔物にうつる。全部で七匹ほどだったが、こちら側に4匹とティタニア側に3匹程度なので、ボス以外は早めに駆逐してしまおうと決めていた。


雑魚を片付けようと思っていたのだが、1匹目が隠れているのを看破されて殺されたのをみていたようで残りの3匹は既にこちらに走ってきていた。ボス個体のような3mほどの猿がかなりでかい棍棒のようなものをもって走ってきていたが、距離には少し余裕があったため、慌てずに心臓部分の空間を指定して壊す。あたりに響くガラスが割れるような音に子分猿は警戒して動きを止め、ついで、ボス猿が死んだのに気付いたようで慌てたように騒ぎ出したが、足を止めた時点で蓮也には何の脅威にもならなくなっていた。


「少し焦ったけど、こんなものかな。」


そういってそれぞれ心臓部分の空間を壊す。最近はすっかりガラスが割れる音にもなれ、少し心地よいくらいになってきていた。


「とりあえずティタニアの方に戻ろう。」


そう考えティタニアの反応があるほうに戻る。ティタニアもうまく猿どもを倒していたらしく、氷漬けになった猿の彫像が3匹分おかれていた。一応氷ごと死の点を使って粉々にしておいた。こいつらの魔物は日本のメジャーな魔物ではないのでよくわからない。物語のように名前がわかるようなスキルはあいにく獲得できていないし。ホブゴブリンとかオークとか勝手に名前をつけてる奴らもほんとは別の名前があるかもしれない。まんまな可能性もあるが。


「主様は強いですね。私より数が多かったはずなのですが私より早いとは…」


「まぁ、狙う位置を確認できればすぐにそこをダメにするだけだからね。」


「空間魔法とはやはりとんでもないですね…」


正直俺もそう思う。この世界には魔法抵抗力というものがあって、それぞれ無機物有機物限らずに魔法を受ける時に持っている魔力である程度レジストできるのだが、俺の魔法は俺の魔力量が魔物より多いのか、レジストされた試しがなかった。重用している指定した空間を壊したり、固定したりする魔法は固定の方は固定している間その箇所に魔力を空間を固定している俺より流せば解けるようだが、壊す方は一瞬で済むため、よほど魔法の抵抗力がないと耐えられないようだ。ただ、魔法がきかなくても俺には死の点というスキルもあって飛ばせる短剣もあるので、そこまで苦労はしないだろうが。ただ、やはり上位の魔物になるとだんだん魔法がききづらくなるらしく、魔法はもっぱら、大量にでる魔物や戦争での多数の敵がいる時に使われるようであった。そう考えると、多数の敵を相手にする時は空間魔法より、火や風などの方がやりやすいので、対多数の時はそちらをつかっていた。今は森なので火魔法は使っていないが。ただそれでもある程度の数以下ならば空間魔法は強力な事には変わりなく、ワープなどはとても有用なのは変わらなかった。それと死の点が自分よりも強い魔物にはかなり有効なスキルだと判明して以来、数が少ない時はスキルレベルを上げるのも兼ねて死の点を使っていた。


「死の点も都市に着く頃にはそこそこのレベルになってるだろうし、ある程度冒険者として依頼を受けて手柄を立てたら、帝国へ行こう。」


「そうですね、一年はあると言っても可能性の話ですからすぐ戦争に突入する可能性もなくはないですからはやめに助けに行きたいですね」


正直助けようと思うのは数名なので他は特に考えていなかったが。そもそも帝国で敵を倒す限りは操り人形の奴隷のような扱いかもしれないが衣食住は保証される上に多分表面上はそこそこ優遇されるので、俺と来る人は少ないんじゃないかと思っていた。とそんなことを話しながら進んでいると辺りも暗くなってきたので、適当に大きな木の下でとってきた魔物の肉をアイテムボックス(俺が勝手にそう名付けた異空間)からとりだして焼いて食べた後俺は他にすることもないので眠ることにする。ちなみにティタニアに火魔法で肉を焼かせるととても上手なので毎回頼んでいる。


「じゃあ、ティタニア夜の番頼むね。日が昇ったら起こして」


「わかりました。主様、おやすみなさいませ」


そういって俺は瞼を閉じる。ティタニアならよっぽどのことがない限り魔物を倒してくれるだろうし不味かったらすぐに起こしてくれるだろうと考え、明け方まで眠ることにした。


なんか聞こえるなと意識が覚醒していく中とんでもないセリフが聞こえてきた。


「主様、主様起きてください。起きないと主様が私の朝ごはんになりますよ」


とてもびっくりして飛び起きました。しかも目が覚めたら目の前に超弩級の美女がいるのでさらにドキッとする。ドキッとしたのを表に出さないようにしてティタニアに声をかける。


「お、おはようティタニア、あの、あしゃごはんというのは…」


噛んだ…ドキドキしているのがあっさりばれた瞬間である。ティタニアに笑われて少し泣きそうだ。


「主様は、初心なのですね…私が初めてでも大丈夫でしょうか…そもそも私も未経験ですし…」


後半は小さい声なので聞こえなかったが初心という言葉はしっかり聞こえた。いつかティタニアを手玉にとれるくらいのプレイボーイになってやると決めながらアイテムボックスからフォンさんに貰ったパンを出す。


「そ、それでティタニア、今日都市に着くだろうと思うんだけど、都市の中で精霊がいるのはまずいかな?」


当面の懸念としてはそこであった。エルフは契約していると聞くが人間たちがどうかは聞いていない。獣人とか魔人とかもいるんだろうか。」


「いますよ。国もあります。」


後半声に出ていたらしい。失態だ。それはさておき、何故彼女がそんなことを知っているのか。それは先に契約していた精霊たちの知識の一部が契約する精霊に必要知識として多少付与されるらしい。謎多き生き物である。獣人と一口にいっても色々な動物がベースの獣人がいるようだ。魔人もまた然り。


「みんなを助けられたら少しこの世界を回ってみたいなぁ」


「それもいいかもしれませんね」


などといっていると、王国領には入ったようで魔物が出てくるがかなり弱いのばかりになっていた。そこから少し歩くとどうやら道もあるようで、その道に沿って進めばどうやら都市の入り口にたどり着けそうだ。


「それでティタニア、結局精霊が人間の街に普通にいていいの?」


「全くよくないですね。ですので私は周りに人の目がない時以外は主様の中にいることにします。」


「そんなことができるの?」


「できますよ。契約した精霊が契約者にのみですけど。主様の中にいるので意思疎通もできます。」


できるらしい。そもそも精霊と契約しているのがエルフだけなんだそうだ。獣人や魔人、人間は精霊に好かれるものはそうそういない上に精霊契約の方法を知らないものばかりなので、まず高位の人型の精霊なんて人間の都市では出会えないそうだ。逆にエルフの国に行く時は精霊と契約しているのをアピールしたほうが好まれるらしい。なぜ契約方法が普及してないのかというと、エルフが自国からほとんどでないかららしい。かなり閉鎖的な種族のようだ。


「では主様の中に入りますね」


そういって入っていった。入ってきた側の感覚としては、え?こんなもんなの?といった具合である。


(こんな具合です主様。)


頭に声が響くような感じ。返事も声を出さないといけないのだろうか。


(念じれば通じますから必要ないですよ。)


考えていることもだだ漏れのようだ。この辺は考えていることが漏れないように修行をせねばなるまい。


(考えを見られると困ることでも考えているんですか主様?)


どこかからかっているようなティタニアの声が響く。18歳の男子高校生の頭の中を見た目金髪美人のお姉さんのティタニアに見させるわけにはいかないので、なんとしても覚える必要がある。と決意しているとどうやらそれなりに舗装された街道のようなところに出たので、その道を進む。


そして少しずつ人が増えてきたようだ。

大きな馬車を引いている御者のような人や、冒険者パーティなのか楽しそうに談笑しながら街道を何人かで歩く者たち。

一部険悪な冒険者らしき集団もいるが、任務でも失敗したのだろうか。


「一般は一列に並べ、貴族様や紹介状持ちはこちらに」


という声に従い、おそらく一般の方の受付の列に並ぶ。結構人がいるので少し並びそうだ。そう考えていると後ろからおっさんに声をかけられる。身なりからして冒険者らしい。馬鹿でかい真っ赤な斧を下げている。


「おう、坊主のような年のガキがここに1人で来るとはなかなかやるな。どこから来たんだ?」


そう質問してきて困ったのは俺である。この辺の地理はさっぱりな上にここに来るのがなかなかやる理由もわからない。とりあえず適当にはぐらかしつつ誤魔化すことにした。


「自分でもどんな村かわからないのですよ。かなりの山奥でここに来るまでにとても時間がかかりましてね。ここに大きな都市があると噂で聞いて力試しのような形で家を出たのです。とても小さい集落でしたけどね」


と、当たり障りのないすぐにボロが出そうなことを口にする。差し当たっての問題はないはずなので、少しビクつきながら返事を待つ。ティタニアは寝てるのかなんの反応もなかった。俺の考えが読めるのを悪いと思って寝ているのかもしれない。


「なるほどな、見た感じ武器とかもなさそうだが、魔物に襲われた時とかどうしてるんだ?」


「魔法を使ってますね、簡単なのならそこそこ使えますから」


「らしいぞ、リーナ。案外お前より強いかもな?」


冗談めかしてそんなことを後ろのパーティメンバーらしき人に言う目の前のおっさん。それに反応したローブを着た女の人がリーナさんなのはわかったが未だに目の前のおっさんの名前もわからないのに気づく。名前を名乗ろうとして最初にフルネームでなのって貴族と勘違いされたことを思い出し、名前だけを告げる。


「あの、俺はレンヤっていいます。一応冒険者になろうと思ってます。よろしくお願いしますね」


「おう、よろしくなレンヤ、俺は冒険者パーティ紅蓮の斧のリーダーのガルバスだ」


と、さっき軽く挑発して、何か言おうとしていた女性を放置して話ししてしまい、後ろにいた女性の人と他に何人かの冒険者らしい人たちが口を開く。


「私より強いってこの子まだ子供じゃない…流石に子供には負けないわよ」


と言ってきたのはリーナさん。パーティで唯一魔法使いらしい。ただその後にその年で魔法が使えるなんてすごいわね、将来有望そう。と言っていたので悪気があるわけではないようだ。


「よろしくお願いしますね、リーナさん」


と笑顔で言うとリーナさんが結構イケメンじゃない…と呟いていたが務めて聞かないふりをする。そんなやり取りをしていると後ろにいた残りの3人が自己紹介をしてくれる。全員紅蓮の斧のパーティメンバーらしい。


「俺はポール。一応見てわかると思うけど盾役をやってるよ。よろしく、レンヤ」


と馬鹿でかい盾と長剣を持った高身長の爽やかな青年風の人が最初に挨拶してくれる。ついで挨拶をしてくれたのはアマゾネスのような格好をした褐色の女性。


「私はアネルカよ、よろしくね、レンヤ、

獲物は双剣でアタッカーをやってるわ。」


と、自己紹介をしてくれる。ちなみにアネルカさんは肉感的な人で、顔は普通より少し上くらいだが、短めに切り揃えられた綺麗な金髪が印象的な雰囲気サバサバ系美人さんだ。そして最後の1人は…


「某は東の島国の者でな。家康と申す。

東国の武器である刀で遊撃のような者をやっている。よろしく頼む。」


名前が日本統一で有名なあのお方の名前と同じだが俺はそれより刀に目を奪われていた。まさかこの世界に刀があるとは…。こちらの世界の剣はもらった剣を見て思ったのだが、斬るというより叩き潰すといった感じのものが主流のようだったので、剣は斬るものというイメージのある俺には使い辛かったのだ。なので、刀に興味があることを彼に告げると、


「おお、それはいいな、いつか某が刀を作るのを頼んだものにあわせたいものだ。」


と言ってくれた。いつか必ず刀を手に入れると思いながらこの世界の基本的なことについて聞いてみた。まずは冒険者ギルド。


「冒険者ギルドってどんなとこなんですか?」


「どんなって言われてもな…冒険者の窓口みたいなもんだよ。あと、冒険者として登録すると身分がしっかりする冒険者カードを渡してくれる。冒険者としてのランクもあるがそれは基本このカードに記載される」


と言ってガルバスさんが冒険者カードを見せてくれる。名前とランクとカードを作った冒険者ギルドの支部名と所属ギルド名しか書いてなかった。ギルド名は空欄だった。パーティは組んでいるがギルドは登録すると面倒なので登録していないらしい。ランクはCで、E〜Sまであって、Cはベテランらしい。パーティメンバーはみんなCなんだそう。


「へえ、バルガスさんたち、凄いんですね」


「そんなことねぇよ、才能あるやつはB以上に簡単にいっちまうからな数だけだ」


特にこの都市、ヴェリンという は魔物の住む領域が近いから冒険者の質は相当に高いため、Cランクはそれなりにいるんだそうだ。


「へえ、この都市はなかなか凄いんですね…」


「あぁ、人間の都市では一番強いって言われてるくらいだからな。」


そんなことを言われて、この世界の国家群について何も知らないことに気付き、国についても色々と聞いてみた。怪訝な顔をされたがど田舎に住んでいたので、とごり押しした。結果わかったこととしては、人間の王国が、この国、クヴェル王国、ベルキスタ帝国、他にも数カ国あり、小国も数えればわからんくらいあるようでこの辺は人間の国の端っこで、魔の森を超えるともう獣人の大陸なんだそうだ。この世界の大陸の形としては、聞いた感じではそもそも全貌をつかめていないらしく、獣人の国の方も人間の国の方も魔人の国の方も自国で手一杯でどこまで広がっているかなどがわからないようだった。ただ大雑把に考えると真ん中に人間の国家群、西側に獣人の国家群、東側に魔族の領域なんだそうだ。魔族の方だけ領域なのは獣人と違って交流もほぼないので、どのような形になっているのかさっぱりだからだそうだ。そしてそれぞれ北の方や南の方はそれはもうとんでもない未開地らしく、全然人の手が入っていないらしい。見たことがない魔物が出たりもするようだ。


「お、そんなことを話ししているうちに順番が来たな。縁があったらまた会おうぜ」


そういって彼らは先に入っていった。念のために先に魔石を袋に入れて、それっぽく見せて俺も順番になったので関所へ進む。


「見ない顔だな…身分証を提示してくれ。商人なら銀貨1枚、近くの村などからなら村長からの書状を見せてくれ。」


当然そんなもん持ってない俺は困ってしまう。そんなものはないと素直にさっきも使った設定を話す。こんな怪しいやつかなり入るのは面倒になるだろうと思ったのだが。


「そうか、なら一応規則として身元不明人は銀貨1枚の通行料と、仮身分証を付与するから、正式な身分証を中で発行して返しに来てくれ。その時に身分証の確認もする」


と言われ、割とあっさりとしたものだった。こういう奴らは結構いるそうだ。話せない経歴のある奴らもいるらしい。まぁ、銀貨もないといったら流石に渋い顔をされたが。


「なら、売れるものはあるか?魔物の素材とかなら買い取って差額分は払って仮身分証をだす。ないなら金になるものをとってきてくれ」


そう言われるのはなんとなくわかっていたので魔石を出す。渡した途端に門番の目の色が変わる。


「お前これ、どこで拾った?お前のようなガキが言っちゃ悪いがBランク相当の魔物の魔石なんてなぜ持ってる?これは売れば金貨20枚程度にはなる。こちらでは払いきれない。少し待ってくれ。」


随分な言い分ではあるが、さっきあった冒険者パーティも俺を子供扱いしていたので俺が何歳に見えるのかきくと15歳くらいと言われ、18歳だと返すとかなり驚かれた。日本ではそれなりにラノベなども読んでいた俺としては日本人は若く見られるというお約束なのだろうとなんとなく諦めていた。流石に銀髪でなんかイケメンになったとはいえ、ベースは日本人だから仕方ないのかもしれない。とどこか諦観のようなものを滲ませていたところ、冒険者ギルドの人が来たようで話を聞きたいそうだ。なんでこんな大事に、と思うがBランクの魔物っていうのはこの近辺で出ると少しまずいので話を聞きたいらしい。


「単刀直入に聞くが、どこで手に入れたんだね?」


と、40代過ぎくらいのおじさんが俺に魔石を持ったまま聞いてくる。どうせ冒険者になるのだからここで嘘をついても仕方ないと判断し、魔の森でとってきたと話し、残りの魔石も何個か渡す。


「魔の森で、君のような子供が?嘘をつくのも大概にしろ。」


と言われ、流石のも俺もイラっとして無意識に魔力を少し体から放っていたらしい。それに気付いた魔力を感知できるらしき門番の仲間っぽい人が耳打ちすると、門番と一緒に何か耳打ちされていたギルドのおじさんも態度を変え、急に丁寧になる。


「すまない。私は魔力についてはよくわからないが、魔力を感知できる私の随伴者が君はかなりの魔力を持っていると教えてくれた。彼曰く、Bランクくらいなら問題なく狩れる魔力の量だそうだ。すまないね、疑ってしまって。それで、君は身分証を持っていないそうだが、こちらはすべて冒険者ギルドで買い取ろう、君は冒険者志望なんだろう?なら私がそのまま身元も引き受けよう。他国のスパイなどがわざわざこんな魔石を持ってくることはないだろうしね。」


とのことらしい。渡りに船だったので提案に乗る。こうしてようやくクヴェル王国の都市、ヴェリンに入れるようになるのであった。


余談だが、ティタニアはやっぱり寝ていたらしい。






英語の成績がまずいです助けてください。

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